源頼朝の墓が破壊されたその後の状況は?
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源頼朝の墓が破壊されたそうですが、どんな状況なんでしょうか? 最新情報をお願いします!(maniaさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
壊れたお墓は復旧可能とのことで、現在鎌倉市役所と文化庁で修復に向けて調整中!
ライター:はまれぽ編集部
壊されたのはお墓だけではなかった
実は、壊されたのはお墓だけではない。
正面から見て、墓の左手前にある石灯篭も倒れたままとなっている。
石灯篭もごらんの有り様だ
さらに、白旗神社にあった狛犬2体も、台座から蹴落とされてしまったため、今は寂しく台座が残っているだけ。
蹴落とされた狛犬2体は石工業者が持ち帰り、修復作業にあたっているようだ。ただし狛犬のうち一体は胴体部分から真っ二つに割れてしまっており、修復は厳しいかもしれないとのこと。
狛犬がいなくなった台座はどこか寂しげに見える
取材当日、茨城の常総市から社会科見学で訪れていた、石毛西中学校教員の小原さんに話を伺ったところ、「ニュースを見て驚いた。しかし墓の一部が倒されてはいるが、全面立ち入り禁止ではなかったのがなによりだった」と述べていた。
石毛西中学教員の小原さん
また、白旗神社近辺にお住いの方に話を伺ったところ、「昼過ぎに仕事から帰ってきたら周りが大騒ぎしていて驚いた。観光で楽しみにしていた人たちもいるので非常に残念」と漏らしていた。
現行犯逮捕された男の状況は!?
続いて訪れたのは、男が現行犯逮捕された鶴岡八幡宮。
境内には大勢の参拝客や観光客の姿が
社務所で担当職員の方に事件当時の話を伺ったところ、まず、第一発見者は同神社職員だったようだ。その後110番通報したあと、警官が駆けつける前に神社職員数人と参拝者の合計10人ほどで男を取り押さえ、駆けつけた警察に引き渡したらしい。
第一発見者は神社職員だった
なお、現行犯逮捕された男の状況はというと、鶴岡八幡宮と鎌倉駅の中間ほどに位置する鎌倉署によると、現在では事情聴取の真っ最中とのことだった。
鎌倉署で事情聴取が行われている
ところで、今後の修復予定はどうなるのか?そもそも、修復は可能なのか?
そこで、頼朝公の墓や白旗神社を管理する鎌倉市役所へ直撃した。
頼朝公のお墓は修復できる?
鎌倉市役所外観
話を伺ったのは鎌倉市役所 文化財課の担当者。今回の件に関しては「壊されたことに関しては非常に残念。地元住民の方も相当なショックだっただろう」と話していた。
また、過去にも今回のようなケースがあったのか尋ねたところ、1989(平成元)年にも同様の事件があり、いまもなお当時の犯人は見つかっていないらしい。
事件後、文化庁と壊れた墓を確認したところ、修復可能と判断し、現在はそれに向けて動いているようだ。また、頼朝公の墓は、今年1月に政府より世界遺産に正式推薦された「武家の古都・鎌倉」の構成資産に含まれている。来年2013年にはユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の審査があるので、調整が整い次第、早急に修復作業にとりかかりたいとのことだ。
取材を終えて
国の史跡にも指定されている源頼朝公の墓が壊された今回の事件は、地元民だけでなく日本全国にも大きな衝撃を与えた。
だが、修復可能ということもあり、現在は文化庁との調整を行ったうえで早急に修復にとりかかりたいという前向きな話を聞けた。
国の史跡を守り続けるためにも、一日も早い修復を願いたい。
―終わり―