車が通らない、公園と溶け合う街。はま旅Vol.57「仲町台編」
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第57回は、街の中心には車が入れない「仲町台」駅。これぞ本物志向の贅沢な散歩。
ライター:吉岡 まちこ
こころをつなぐカフェも登場
「マローンおばさんの部屋」という、火・木曜日だけがカフェになる店が、高架下を渡った先に約2年前にできた。お洒落なカフェ兼ショップは、障がい者の日中の活動をサポートする地域活動支援センターとなっていて、店の奥には作業所がある。
喫茶店が少ない仲町台で、絵本も玩具も豊富で親子連れも多い
マローンおばさんの名はキリスト教の精神が生きたイギリスの童話から
人気なのは、本格的な製本技術を学んで作った布張りのスケジュール帳だ。
かわいい!布製本のスケジュール帳1,600円
コーヒーもポットなのがうれしい“とっておきコーヒー”400円
飲み物の種類も多く、コーヒー豆の選別から淹れるまで作業所のメンバーが勉強している。
創始者である岩永夫妻のそんな活動に共鳴して、火曜はパン、木曜はケーキを提供する人も現れ、人が集まる場所になったそうだ。
パン製作の足立美奈子さん。都筑区転入ママのためにここでmilimiliサロンも開催
岩永さんは、対象を高齢者にも拡げたアトリエ兼カフェ「いのちの木」を準備中。場所はH1 CAFEの隣だ。
「高齢者の語る自分史を製本し、互いが見れる交流の場になれば」と岩永敏明さん
「働きにくい人たちが働けるように」と、高品質の文化に触れ本物の技術を身につける環境をプロデュースし「いつかこの街で本物の仕事をしてほしい」と願う。
北欧のライフスタイルを提供し、革細工工房も開く「いのちの木」
取材を終えて
駅のまわりに車が入れないだけで、こんなにも気ぜわしくないものなのだ。
出会った方々もみなさん気持ちがあたたかで、歩いている人もなんとなくほがらかな気がするのは、今日の天気のせいだけではないだろう。本物志向が強そうだが、仲町台は連帯感があって自然と溶け合い、綺麗にまとまった街だった。
駅近なのにヨーロッパの広場みたいに馴染んで、やたらカッコイイ
■今回のはま旅 「仲町台」周辺
・「せせらぎ公園古民家」横浜市都筑区新栄町17
・「H1 CAFE」横浜市都筑区仲町台1-32-21
・「マローンおばさんの部屋」横浜市都筑区仲町台1‐24‐17 フォートレスニイヤ1F
― 終わり ―