横浜「1000ぶら」商店街探訪vol.32 「個性的」な店主と出会う旅、本郷台駅前商店街でスタンプラリー
ココがキニナル!
「GOGO商店街」スタンプラリーというイベントに便乗? して商店街店主のおすすめする個性的な店主を探す。「毒舌だけどあたたかい店主」からメロンを購入し「チャキチャキの女店主」の味噌かつ丼を食した
ライター:藤井 涼子
けやきロード本郷台商店会にある素敵なお花屋さんへ
駅改札から出たら、すぐ右にある「本郷台アーケード商店街」から大きな通りに向かって歩き横断歩道を渡ったら、すぐ前にあるのが「けやきロード本郷台商店会」。
商店街入り口の看板
この商店街も、団地の一階が商店になっている
こちらも、はじめに商店街の会長さんのお店、お花屋さんの「花う(はなう)」へ行って、「オモシロ店主情報」を教えてもらうことにした。
花うの店先。木を使ったアンティーク調のお店は、あたたかい雰囲気
花うの店長であり、けやきロード本郷台商店会会長の田鹿曜二(たじかようじ)さんにお話を伺う。取材当日は水曜日で、商店街の全店舗(16店)のうち半数が定休日だと知ってビックリ。取材のタイミングが悪すぎた・・・。
田鹿さんが初代で、創業40年とのこと
けやきロード本郷台商店会は、ちょうど本郷台駅ができた40年前にできたそう。花うはその時からこの商店街にあるお店だ。
田鹿さんの実家も横須賀にあるお花屋さんで、現在5代目が継いでいるそう。そこから独立する形で本郷台に田鹿さんがお店をオープンさせた。
広めの店内。色とりどりのお花がとてもきれい
さまざまなフラワーアレンジメント作品も置いてある
お店の横では、「フラワーデザイン教室」も行われている。
店舗の横にある教室
講師は田鹿さんの奥さんの由美子さん。10年以上も通っている生徒さんもいるとか。
取材日は「ブーケの作り方」の教室中だった
とてもおしゃれな雰囲気のお店だが、設計デザインなどは田鹿さん自身が行ったそう。建築素材もアンティークを取り寄せて使用しているとか。魅力的な店内を見れば、リピーターのお客さんが多いというのも頷ける。「アンティークだと、古くなっても分かりにくいでしょ」と控えめに笑う田鹿さんだが、そこかしこにインテリアのこだわりが見える。
「生徒さん募集中デス」
お花屋さんといえば、卒業式などがある3月が1番忙しいシーズンなのかと思っていたが、「年度末はもちろん忙しいけれど、母の日が1年で最も忙しい。もう『恐怖の母の日』ですよ」とのこと。
来店客以外にも、インターネットからの注文も多く、今年の母の日には500~600件の配送があったとか!
花うの楽天ショップのページ
楽天で販売している「フラワーケーキ」が一番の売れ筋だそう。カーネーションは使わずに、バラを多く取り入れた洗練されたデザイン。
花うのスタンプラリーの似顔絵。由美子さんにそっくり!
さて、ようやく本題(?)の個性的な店主がいるお店を田鹿さんに聞いてみると、「うーん、そうですね・・」とやはり迷っている様子。
「『そば処深山(みやま)』の店主は、しゃべりが面白いかもしれないですね。あと『かつさと』の女性オーナーも元気いっぱいでチャキチャキ働く楽しい人ですよ」とのこと。
先ほどは、八百準の親父さんと話をしたので、今回は女性のところへ行ってみよう、「かつさと」へ取材に行くことにした。
GOGO商店街ののぼりも商店街内のあちこちに立っていた。
実はこの日は暴風雨。すごい風で傘も役に立たなかった
「本郷台の母」、かつさとのチャキチャキ女店主
駅前の通りに面した、飲食店が並ぶ場所に「かつさと」はあった。
トンカツ屋さんのようだ
ちなみに、この時点ですでに残金は500円。
お店の前にあるメニュー表によると、一番安いメニューでもたまご丼が税込530円、かつ丼は税込540円ということで、残念ながらちょっと足りない。サイドメニューのとん汁(税込173円)でもいただくかな・・・。
ということで、店内へ。
明るくてきれい!
新しそうなお店だな、と思っていたら、なんと5月12日にオープンしたばかりとのこと! 取材日にはまだオープンして2週間も経っていなかった。「かつさと」は愛知県本社でフランチャイズ店を中心に展開するカツ丼の店。横浜市内だとここ本郷台店1店しかないのだそう。
開店したばかりでたいへんな時期なのに、突撃取材に快く応じてくれた店主の小宮節子さん。
オープン以来、たくさんのお客さんが来店しているようだった。ちょうどランチタイムのピークが過ぎたところで良かった・・・。
質問にハキハキと答えてくれる小宮さん
商店街の副会長も勤め、商店街内に、この「かつさと」とドトールコーヒーも運営しているというやり手の小宮さん。
小宮さんも、商店街ができた時から家族でお店をやっているそう。当時は小宮さんのお母さんが、今ドトールコーヒーがある場所で喫茶店を開いていた。
写真手前にドトールコーヒーがあり、飲食店の並びの一番奥に「かつさと」がある
約17年前に喫茶店から、「より多くの人の憩いの場になるように」とドトールのフランチャイズ店をオープンさせた。
では、「かつさと」をやろうとしたきっかけは何だったのか?
「かつさと」がある場所は以前は本屋さんだったそう。店主が病気がちになり「お店をたたむ」と決まった後、小宮さんは「商店街を盛り上げるために何ができるか考えた」とのこと。たくさんの人の相談相手であり「みんなのお母さん」のような明るい性格の小宮さんに「本屋さんのあと、何かしてよ!」と持ちかけられたりもしたようだ。
そこで、「お茶はドトールコーヒーでやっているし、お寿司屋さんや蕎麦屋さんは商店街にあるし、カツ屋さんならこの辺りにないな」と考えたそう。
高齢者にも必要とされそうな店をやりたかったの!
「牛丼は自分があまり好きではないから、カツ丼の方が良くって。自分が美味しいと思うものしかすすめられないしね!」と小宮さん。
「トンカツはたまに食べたいけど、家で作るのは面倒」という主婦の意見も良く知っていたし、最近は一人暮らしのお年寄りも増えてきた。そこで、温かいままお持ち帰りできるお店があれば便利だろうと思ったそう。
メニューはすべてお持ち帰りもできる。
小宮さんの発想はすべて「お客様目線」だ。
フランチャイズ展開しているほかのトンカツ屋さんに食べに行き、納得できる美味しさと価格だったのが、「かつさと」だったことや、「自分が少し早目にお昼を食べようと思っても、なかなかお店がやっていないことが多くて困った」という経験から、お店のオープンは10時半からと、通常の飲食店より早めに設定。全国にあるかつさとのお店でも10時半から開いているのは、この本郷台店だけだ。
また、ランチセットも「仕事で昼食が遅くなることもあるでしょ? そんな時にランチサービスの時間帯が終わってしまわないように」という心くばりから、ランチメニューは10時半から16時半まで注文可能となっている。
そして、開店にあたり、募集した従業員の年齢は40歳以上と高めに設定した。
「40歳以上になると、急にパートの求人が少なくなる、と困っている人が多い。」と聞いて、年齢は高くてもOKにしたとのこと。実際に、今お店で働いている人は40代から68歳の方まで(!)いるそう。
選べるランチセットは税込648円
美味しそう・・・。
とメニューを見つめていたら、「おすすめは『味噌かつ丼』なの! 名古屋の味噌かつのイメージがある人には『味噌かつはちょっと・・・』って言われちゃうけど、うちのはあんなに甘くなくて美味しいのよ! 一度食べると、また食べたくなる味だから!!」
と一気に説明され、「ちょっと待ってて」と奥に消えていった小宮さん。
・・・味噌かつ丼、登場!
味噌かつ丼+ハーフとん汁・お新香セット(ランチメニュー/税込648円)
「えーと、お金が500円しか・・・」と訴えるも「いいから食べてみて!!」と元気いっぱい。
生パン粉を使っているというカツの衣が立っていて、いかにもサクサク!
えいっ、食べちゃえ
サクサクのカツと味噌だれと白いご飯。とっても美味しかった!
お惣菜などで買うトンカツは、実際食べてみると「衣が分厚くてガッカリ」ということが多々あるが、「かつさと」のカツの衣は薄めで、お肉もやわらかく食べ応え十分だ。
帰りに、レジでスタンプラリーのはんこを押す。
スタンプラリーの台紙にある小宮さんの似顔絵。これもそっくり
さて、お会計だが、1000ぶらの予算の残りは500円。
味噌かつセットは648円。148円足りなくなってしまったので、その分はちょっとしたお手伝いで支払う、ということにさせていただいた。邪魔にならないように、店先を掃除。
雨が止んで良かった。まだ風が強いけど
取材を終えて
どのお店も、とても思いやりを感じる商店街だった。
お客さんへの思いやりであったり、商店街内のお店への思いやりだったり、取材させてもらった店主が皆「商店街のお店みんなが良くなるように」と考えている様子だったのが印象的だった。
チェーン店の画一的な接客ではなく、あれこれ世間話をしたり身の上相談をしながら買い物したり、食事ができたりするのが商店街の魅力だな、と改めて感じた取材であった。
―終わり―
みっくさん
2014年05月27日 22時41分
アーケードと公団下の商店街は違う組織なことを35年経って初めて知った…。
☆★☆★☆★さん
2014年05月27日 22時10分
かつさとが本郷台に有るとは!!
ス。さん
2014年05月27日 11時09分
先日「あーすフェスタかながわ」に行った時にスタンプラリーも参加してきました!お店は「かつさと」の並びにある「ヘアーサロン ハンサム」がキニナル…ハンサムな髪型にしてもらえるのかな?