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横浜に住む元特攻隊員、手塚久四さんに特攻隊の真実を聞く

はまれぽ調査結果!

特攻隊は生還する可能性0%の攻撃部隊。彼らは軍神ではなく、普通の若者だった。現代の私たちは特攻の真実を知ることが大切である。

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2015年08月11日

ライター:松崎 辰彦

特攻隊を美化してはならない しかし彼らを「犬死」ということも許されない

戦後、彼は東大に戻り、家の農作業を手伝い、レポートを出して卒業した。そして就職せずに自分で起業し、大豆関係の仕事を始めた。仕事で何度もアメリカに渡ったが、その大きさには驚くばかりだった。
 


部屋から横浜を眺める


「特に南部なんて農場に入ると、車を飛ばしても飛ばしても農場の外に出られないんです」
戦争をして勝てる相手ではなかった──彼は実感した。
現在、手塚さんはNPO法人「わだつみ記念館基金」の副理事長を務め、元特攻隊員として貴重な経験を語るなどの活動をしている。
 


「特攻を 生き永らえて 卆寿かな」
「散華せし 戦友(とも)の四倍 生き卆寿」


「特攻隊を美化してはいけません。しかし、特攻で死んでいった若者達を“犬死(いぬじに)”なんて言ったら罰が当たります。国を批判できても、彼らを批判することはできません」
二度と戦争をしちゃいけませんよ、と力説し、現在の政治の動き、そして靖国神社についても思うところを訥々(とつとつ)と語る。

横浜に移り住んで相当の年数が経つが、こちらの暮らしは快適のようだ。
「横浜はいいよね。水もきれいで」そう言って微笑む手塚さん。過酷な時代の語り部として、多くの人々から話を請われているようである。
 


「特攻隊を美化してはいけません」と手塚さん
 

「・・・女の子にもモテましたよ(笑)」




取材を終えて

JR鶴見駅から歩いてしばらくすると、曹洞宗の大本山「總持寺(そうじじ)」にたどりつく。その中の一角にあるのは、特攻隊の生みの親として有名な大西瀧治郎(おおにし・たきじろう)中将の墓所である。
 


總持寺
 

大西瀧治郎中将の墓所
 

左にあるのは海鷲観音
 

「大西瀧治郎之墓」


大西中将がいかにして特攻隊を創設したかは多くの人によって伝えられている。戦局の悪化とともに、彼は「これはもう体当たりしかない」と周囲に語り、1944(昭和19)年10月、飛行機による体当たりという前例のない攻撃を正式に採用した。
 


大西瀧治郎(1891~1945)(フリー画像より)


この異例な戦法を実施する戦闘部隊は「神風特別攻撃隊」と名づけられた(「神風」は“シンプウ”が正式な発音だが、のちに“カミカゼ”が一般的になった)。

特攻隊で亡くなった兵士は4500人とも5000人ともいわれている(多くは敵艦に到達する前に撃ち落とされた)。

大西中将は特攻を「統率の外道」と呼び、終戦翌日の8月16日、自刃した。たとえ日本が勝利しても、彼は自決したろうと言われている。

現代の視点から、戦時下の人々の行動や思想を軽々に処断することは今は控えたい。大西中将を含め、特攻を支持した人々にとって彼らの判断は、少なくとも彼らの中では揺るぎない正当性(それがいかに独善的なものであろうと)を持つものであった。“国家の存亡”という現在の私たちには想像すら及ばぬ極限状況下で、若者の命よりも優先すべきものが、彼らの中には無比の重みをもって存在した。
 


大西中将の遺書


今回の取材で言葉を失ったのは、特攻隊隊員のほとんどが兵士として幼く、実戦経験のない者たちだったということである。彼らはそれまで一度も戦場に出ることはなく、ある日
突然出撃を指令され、敵艦に体当たりをすることを命じられるのである。
最初の実戦が、最後の実戦になるのである。
文字通り「捨石」であった。

この非人間性を何に例えればいいのか。
 


海鷲観音──大西中将未亡人が特攻で散華した若者たちの冥福を祈り、建立した
 

戦没学徒の遺稿集『きけ わだつみのこえ』のタイトルを決定した一般公募の短歌


彼ら特攻隊員はごく普通の若者たちだった。両親を思い、女の子が好きで、死ぬのを怖がった。現代に生きていたら電車の中でスマートフォンをいじくり、AKBに夢中になるような男の子たちだった。
しかし国家の強圧の下、彼らは生還率0%の世界に投げ込まれたのである。

手塚さんは言う。
「『歴史に学ばざれば過ちを繰り返す』です。ボクはこれが言いたいです」
 


「『歴史に学ばざれば過ちを繰り返す』です」


2015(平成27)年、夏。メディアは安保関連法案の動向を伝えている。法案に賛成する者、反対する者、それぞれに根拠があり、言い分があろう。しかし平和な暮らしを望む思いは、誰とて同じはずである。
 


 

 

取材当日は總持寺の祭だった


死者は黙して語らない。戦後70年、私たちは歴史から何を学んだであろう。そして70年前、万感の思いを秘め大空に散華した若者たちは、現代日本の平和と繁栄を見て何を思うであろうか。
 


日本戦没学生記念会監修『きけ わだつみのこえ ─日本戦没学生の手記─』(光文社)



─終わり─


※ケネディ元アメリカ大統領の甥であるブラウン大学のマクスウェル・テイラー・ケネディ研究員が関係者およそ100名にインタビューして著した『特攻 空母バンカーヒルと二人のカミカゼ』(ハート出版)の中で、取材を受けた手塚さんも当時の話を披露しています。本書はアメリカ海軍空母バンカーヒルに突入した二人の特攻隊員に着目しつつ、日米双方の目から見た特攻作戦が描かれており、手塚さんも「関心のある方には一読をすすめたい」とのこと。
 


『特攻 空母バンカーヒルと二人のカミカゼ』
マクスウェル・テイラー・ケネディ著 中村有以訳
(ハート出版)

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  • もう亡くなったが、私の祖父は実際に戦場で戦って帰ってきた。祖母は東京大空襲で当時幼かった母やその妹を手で引っ張り焼夷弾の雨をかいくぐりながら逃げ惑った。そういうリアル体験を私は聞くだけだったが、戦争で得るものは何も無いことを痛感し、戦争で守られるのは国民の命では無く、軍属共の名誉と栄光だけあり、国民にはただ虚しいのものである。マスコミの力は絶大で、軍事政権下では国民を洗脳し国を挙げて戦争へ導くことも可能であり、戦場の悲惨さを国民に知れ渡れば、戦争反対の嵐は吹き荒れる。戦争の生き証人がもうじき居なくなり、それを引き継ぐため今生きている我々が何をすべきか?戦争をするためには相手(敵国)が必ず存在する必要があるので、内政だけに踊らされず、相手の立場をもっと知るようにして、本当に国は民に真実を伝えているか?常に注視した方が良い。

  • 我々が、どれだけ戦争の悲しさを理解しても戦争は無くならない。何故、戦争が起きるのか?誰が戦争を起こすのか?悲惨さばかりに目を向けるより、そろそろ気がつてほしい。

  • 日本が再び戦争に突入したら、特攻隊と同じような、生きて帰れない戦い事が必ず起こる。日本は滅私奉公みたいな民族性だからな。

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