独自の道を行く「ゴマ系」総本山「千家本店」と「大黒家生麦本店」を紐解く~横浜の家系ラーメン全店制覇への道~其の弐拾七
ココがキニナル!
第27回は「ゴマ系」の店、南区前里町の千家本店と鶴見区生麦の大黒家・生麦本店へ。千家では「ゴマ増し」のラーメン、大黒家生麦本店ではシンプルな「家系ラーメン」がおすすめ
ライター:はまれぽ編集部
家系と二郎系とさつまっ子とニュータンタン
(つづき)
「うちはね、美味いラーメンを出すというか、売れるラーメンを出したいの。きれいごとは言わないで、ちゃんと商売したいの。“今の味”に固執せずどんどん変えていきたいね」と文生さん。やっぱり、経営者だ。
大黒家は付近の岸谷店、都筑区の「大黒家製麺・梅田橋店」ほかFCなどを含め現在は7店を展開。
「でもね、味にもきちんとこだわっていますよ。なにせラーメンが大好きだから」と自信を見せるのは息子の竜彦さん。竜彦さんはその味へのこだわりから、自ら麺を打つことを決意。
とにかく、こだわりたいんですよね、と息子は職人気質
大黒家生麦本店で出す家系ラーメンのタレは千家と同じものを使用しているが、他店ではオリジナルのものを使用。
麺も同様「のれん分け」として大橋製麺のものを使っている一方で、二郎系ラーメンやつけ麺、また他店での家系ラーメンは、竜彦さんがここで製麺しているものを使っている。
店の奥にある製麺機
オーションが使われた二郎系ラーメンの麺
「ねえ、ぜひ食べてみて」と史子さんすすめでラーメンをいただくことに。よし、これをいただいたらゴマの秘密を聞くことにしよう。千家のオーナーさんから仕込まれた文生さんだもの、何か知っているに違いない。
「はい、できた」。・・・笑顔に癒されるなあ
「タレは同じでも千家の味とはもう違うよ」という「ラーメン(700円)」
あ、ゴマ発見! このラーメンは1日平均300杯ほど出るそう
なるほどー! を連呼する吉田
そしてすっと登場、真顔のマーコ氏
吉田:「千家のラーメンとは別物。千家よりも鶏油の味が強く、醤油感が少ないのであっさり」
マーコ氏:「千家系らしく“しょっぱフック”が効いており、飲めば飲むほどクセになる。また、家系は一般的にストレート麺が多いが“ちぢれ麺も美味い”ということを気づかされる縮れパワーであった」
確かに、しょっぱいなあ、という印象が強いが、ハマったら「また食べたい」という人が多そうな味だ。とんこつの風味がもう少しあるといいな、というのが個人的な感想だが、これは好みの問題。
一通り話を伺ったところで、いよいよ、肝心のゴマについて文生さんから話を伺う。
すると、明快な答えが返ってきた。
「2つ説があるよ。1つ目は“博多のとんこつラーメンに入っていて美味い”から。ほかに家系ラーメンでゴマを入れている店ってあんまりないでしょ?」
確かに博多のとんこつラーメンには合う
「あと、もうひとつは・・・地獄ラーメン(田中屋、中区曙町)に乗っていたのを見て、やってみたって話があるね」
横浜市内でラーメンにゴマを入れたのはこっちが先
・・・なるほど! どっちの説が正しいのか。これについては、熊谷家のなかで少し意見が割れたが、母と息子が「1」説を推していたので多数決で「博多のとんこつラーメンに香ばしさと香りが合う説」を採用することにする。
すっきりしたところで、キニナル竜彦さんによる自家製麺が使われたラーメンもいただくことに。
デフォルトでニンニクが入っている「二郎ラーメン(700円)」
麺がもっちり
スープは醤油の色が出ている
濃厚な醤油味のチャーシュー
おおお、おおお、を繰り返す吉田
吉田:「関内のラーメン二郎が好きなので、それを想像していたけど、違った。甘さが少なく、醤油が強めな味。麺はこだわっているだけあって、美味しい」
マーコ氏:「麺がイケている。しかし、スープにあまじょっぱさがないので、甘味がほしい」
「ちなみに、店内の配色が黄色なのはなぜですか?」とずっとキニナっていた様子でマーコ氏が質問。
それに対して史子さんが「風水でいいって言われたの。あとね、大黒家っていう店名も、大黒町の近くだし、七福神の“大黒様”で縁起がいいし、シンプルに考えたのよ」と笑顔で答える。
「いつもね、みんなで車に乗ってるとついついラーメンの話になっちゃうのよ」と史子さん。「だよな」と相槌を打つ竜彦さんを見る文生さんのまなざしはあたたかい。
この店の魅力は家族の結束力だ。
体も心もあったまって取材終了。
ありがとうございました
―全店制覇まで残り26店舗―
※上記軒数は現段階で調査できた店舗数となります。開店・閉店・発見により軒数が変動する場合があります。
※現在家系図は調整中で、1月中旬ごろ一新する予定です。
取材を終えて
2015(平成27)年も本日が最後。「シメのラーメン」という言葉にかけて今年最後の記事とさせていただければと思います。
最後まで読んでくださった読者様、ありがとうございました。
末筆にて恐縮ですが、来年も何卒よろしくお願いいたします。
新企画「熱闘! 家系甲子園」も何卒よろしくお願いいたします
―終わり―
取材協力
千家本店
住所/横浜南区前里町3-75
電話/045-262-5330
営業時間/11:00~翌2:00
定休日/水曜(年末年始:30日~3日まで休み)
大黒家生麦本店
住所/横浜市鶴見区生麦3-12-8
電話/045-502-0717
営業時間/10:00~翌2:00(水曜のみ10:00~23:00)
定休日/なし(年末年始:31日は午前営業、1日・2日は休み)
shinobu0614さん
2016年11月30日 05時51分
大体の店はゴマくらいなら卓上においてくれあるから自由に入れられるんだよね。まあ、千家はカレーを食べる店かな
野良馬さん
2016年01月21日 23時43分
三年前位まで生麦通ってました。こっちの本店では昼の時間帯だけ二郎インスパイア出してた記憶があるんだけど、二郎ラーメン見るに今は普通に出してるのかなぁ。道路挟んだ向かいの大黒製麺=二郎系&つけ麺、本店=家系&定食てイメージがあったけど。
∵さん
2016年01月09日 20時05分
ここを褒めてしまったらちょっと…というツボというか地雷というか、そういうものが世の中にはあると思う。今回それをやっちまったと…