JRの初乗り運賃でどこまで行ける?ライター松宮が17時間半にも及ぶ130円の旅を決行!
ココがキニナル!
JR初乗運賃(130円)で東京近郊区間内を大回りして旅を満喫する人もいます。横浜市内の駅をスタートとゴールとした場合、一筆書きの要領でどのルートを通るのが一番大回りできるのでしょう(恋はタマネギさん)
はまれぽ調査結果!
新子安から東神奈川までを大回りし、一都六県687.4kmを17時間35分かけ「130円の旅」を決行!帰宅後は疲れ果てて17時間寝込んだ!
ライター:松宮 史佳
顔より大きい!? から揚げそば
・・・1時間後。14時26分に我孫子駅に到着! ついにあの画家・山下清が働いていたという伝説の店・弥生軒へ。
弥生軒は、我孫子駅1番ホームにある
立ち食いそば初体験の松宮。注文の仕方がわからず、販売機を目の前に立ち尽くしていると、お客さんが次々と来店! 戸惑っていると、鉄が「そばはここ。から揚げはこのボタン」と説明し、また去って行く。
鉄が注文した温かいかけそば(240円)+から揚げ(2ヶ240円)
松宮は冷やしかけそば(240円)+から揚げ(2ヶ240円)を注文。
2個合わせると「確実に顔より大きい」
重すぎて箸で「持ち上げられないモノ」に初めて出会い、衝撃を受ける。
何度か落とし、から揚げにかぶりつくと・・・「!!!」かため&ケンタッキーフライドチキンのような厚めの衣が美味しい! ちなみに「そばは極めて普通」。
常磐線に乗り換えまであと10分ほど。時間がないので、「わんこそば」のようにひたすら口に入れるが、特大から揚げはまったく減らない。
5分前になり、飲み物を買いに行っていた鉄が再び登場。食べるのを手伝ってくれ、電車到着1分前に食べ終わる。日常生活でもギリギリだが、「旅でもか・・・」としみじみ。
常磐線は弥生軒がある1番ホームに到着するので、そのまま待機。14時46分、常磐線・上野発水戸行(1391M)に乗車し、友部駅(茨城県)へ。
・・・牛久を通り過ぎる時、牛久大仏が登場する映画「下妻物語」を観たかと鉄に質問。すると、日本ではブルーレイ版の発売が(当時は)なかったため、「イギリスのamazon.ukから取り寄せた」と鉄。・・・やっぱりこの人の「オタク度はハンパない」と確信する。
意地と意地との戦い!
16時2分、友部駅に到着。16時23分、水戸線・いわき発小山行(2762M)に乗車する。
遠方には筑波山が見える
窓の外にはひたすら畑が広がり、単調な景色に。お腹がいっぱいになったこともあり、「ものすごい眠い」。鉄も昨夜は仕事をしていたので「3時間しか寝ていない」らしく、眠そうだ。
松宮は眠ったら取材ができないため、MINTIAを食べまくり眠気と戦う。鉄に「寝ていいよ」と言うが、意地なのか寝ようとしない。どちらも「ものすごい頑固」なのだ。
・・・自分や相手、「さまざまなモノ」と戦い、17時26分、ついに小山駅(栃木県)に!
レモン牛乳を初めて飲む@小山駅
さわやかな風が頬を吹き抜ける。涼しくて気持ちいい。段々と日暮れが近づく。
17時35分、両毛線・小山発高崎行(470M)に乗り込む。
たそがれて旅気分(実は笑いをこらえている)
名曲「渡良瀬橋」のモデルになった「渡良瀬川」の夕日
普段は見ることのない、雄大な風景と美しい夕日にしばし心を奪われる。
・・・高崎駅が近づき、松宮の関心は「だるま弁当」一色。眠気も吹っ飛び、「だるま! だるま!」と言っていると、「また食べるの?」と鉄があきれ顔。
小山駅から約2時間乗車し、19時26分高崎駅(群馬県)に到着。駅弁を買いにダッシュ! が、しかし、「駅弁がない!」。この時間だし、「仕方ないか・・・」と帰ろうとすると、鉄が目ざとく“残りの1つ”のだるま弁当と日替わり弁当を発見! 運よく夕食にありつけることに!
ディーゼル八高線に初乗車!
残りの電車もいよいよ3つ!
シブいグリーンの車体がイカす八高線
20時ちょうど、高崎駅から八高線・高崎発高麗川行(248D)に乗車する。
座席は2×2+1シートでかなり広い
1×1のボックスシートに座り、早速駅弁を食すことに。ディーゼルは揺れが少なく、快適でゆったりくつろげる。
最後のだるま弁当を手に入れ、ご満悦
・・・駅弁はどうしてこうも旅気分を盛り上げるのか。
普段ビールは飲まないが、“北海道限定ビール”を飲んでみる
寝てない&電車に乗っているせいか、「酔ってすっかりいい気分に」
17時間35分の旅、いよいよゴール!
21時18分、高麗川駅(埼玉県)に到着。次は八高線八王子行に乗り換え。待ち時間が30分ほどあるのでホームでひたすら待つ。
月は見えるけど、「星は見えない」
でも、星は夜空のどこかに存在しているのだろう。
「・・・もっと夜空を見ていたい」と思うが、任務完了のため、行かなくては!
21時50分、八高線・川越発八王子行(2166E)に乗車。22時33分、八王子駅着。お馴染みの横浜線へ。22時50分、横浜線・八王子発東神奈川行(2220K)に乗り込む。これがこの旅“最後の電車”と思うと感慨深い。
長津田を過ぎ、「ついに横浜市に戻って来たか」とホッとしたのか、あくびを連発。「絶対に寝ない!」と気合で頑張ってきたが、さすがに新横浜辺りを過ぎると2人ともうとうと。目が覚めたのか「130円の旅」を総括する鉄。この旅も終わるのかと思うと「早く帰りたい」という気持ちと「虚無感が・・・」と鉄が発言。
「虚無感はおかしいでしょ」「早く帰りたい」でも「終わるのは寂しい」とか「切ないとかでしょ、普通・・・」と呆きれる松宮。論争を繰り広げていると・・・
23時44分、ついに!東神奈川駅に到着!!
走行距離687.4km、17時間35分の旅、ついにゴーーーーーール!!!
しばらく「130円の旅」が終わったとは信じられず、ボーっとしてしまう。が、ふと東神奈川駅の看板を見て「この旅は終わりなのだ」と我に返る。
「僕たちバカだよなー」「ホント、よくやったよね」と言い、鉄と握手を交わしてそれぞれの最終電車へと向かった。
取材を終えて
なんだかんだ言っても、やはり友人の鉄がいなくては“130円の旅”は成立しなかったと思うので深く感謝したい。
はじめはどうなることかと思ったが、互いに「まったく気を遣わなくてよい相手」だったので楽しく旅ができた。旅では「まさか、この人にこんな所が!」という新たな人格を発見できるのもおもしろいと思う。
飽きるかなと心配したものの、車窓から見える風景から四季を感じることができ、“夏”を満喫できた。
ちなみに帰宅後は疲れていたのか、“旅と同じ17時間35分”泥のように眠ってしまった。
―終わり―
~130円の旅を行うにあたって~
駅員さんに事情を聞かれる場合があるので、実際に使用するルートを携帯するのがおすすめ!
「130円の旅」を行った時は通常の改札ではなく、有人の改札を通ってください!
通常の改札では通れないので注意!
IKさん
2016年03月19日 10時19分
私はスケールはもっと小さく保土ヶ谷から横浜まで、ジャスト3KMの区間を大回りして約280KM,8時間かけて乗ったことがあります。横浜で自動改札ででようとしたら、クローズされました。有人改札で行程メモみせたらあっさり通過できました。でも、JRさんとしては、あまり歓迎したい客とは思わないでしょうね。
それいけ!ジャムパンマンさん
2016年02月29日 12時11分
プロだけあって写真が秀逸。横浜だけで良かったように思いますが、それでもこのような「自分ではなかなかできない事」をやってくれる記事は面白いものですな。
ぎるこさん
2016年02月29日 09時43分
最後の写真が素敵!松宮さんの体を張った記事って面白くて大好きです。こんなギリギリなスリルある旅で、鉄さんと恋は芽生えなかったのでしょうか?(*´∀`*)ポッ1度はやってみたいぐるりの旅。壮大なスケールにビックリです。横浜ぐるりか、千葉ぐるりやってみたいなあ。