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戦後の横浜にひと筋の光を与えたという、歴史ある社会人野球「横浜金港クラブ」がいま熱い!

ココがキニナル!

社会人野球の横浜金港クラブ、かなり歴史のあるクラブらしいのですがどんなチームなのでしょうか。(紀洲の哲ちゃんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

仕事、野球、家庭、全てを大事にするというモットーで取り組む、1942年に発足した伝統のクラブチームだった!

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ライター:山口 愛愛

戦後の横浜にひと筋の光。それが横浜金港クラブ


 
横浜で「野球」といえば、プロ野球なら「横浜DeNAベイスターズ」、高校野球なら「横浜高校」、社会人野球では都市対抗野球大会で2連覇を成し遂げた、「JX-ENEOS」野球部などのチームが浮かぶだろう。

しかし、横浜にはプロ、学校、企業でもなく、大きなバックアップを受けずに活動している、寄せ集めの雑草集団がある。しかも昨年、毎年 300以上の全国の社会人野球チームやクラブチームが競う都市対抗野球の本戦(32チーム)出場を懸けた試合で、強豪の「三菱重工横浜」 を追い詰め、、社会人野球ファンの間で大騒ぎとなったチームだ。
 


神奈川工科大学杯で四連覇を成し遂げた横浜金港クラブ

 
惜しくも延長戦の末、3対4で三菱重工に敗れはしたが、球場はもとより、野球ツウを大いに唸らせた。
所属する選手は、現在43人。このチームが大きな存在感を放つのは、積み重ねてきた古い歴史と、ほかでは見られないチーム理念にあった。

まずは、その歴史を探ってみよう。
横浜金港クラブの歴史は長く、戦前にまでさかのぼる。1942(昭和17)年、戦前最後の都市対抗野球大会に「蚕糸(さんし)クラブ」として参加したのが始まり。

初代横浜スタジアムの社長でもある、山口久像(きゅうぞう)が監督を務めた。しかし、戦争が激化し、すべてのスポーツは中断され、戦後の1946(昭和21)年に、ようやく社会人野球が復活。その際に山口久像がオーナーとなり、新たに編成して生まれたのが「横浜金港クラブ」だ。クラブ名は、横浜市歌も作詞した森鴎外が「横浜は金の成る港」という文章表現をしたところから名付けられたそうだ。
 


選手はチームの歴史を理解した上での振る舞いをしているという

 
山口久像は「野球が戦後の光」とばかりに、野球を通して横浜の活性化に尽力した。このころは敗戦により、横浜球場(現横浜スタジアム)が「ルー・ゲーリック球場」に改名され、米軍に接収された状態。そのため山口久像は自身の金銭、約100万円(現在の数億円の価値)を投入し、横浜市南区中村町に「私営中村球場」を設営したほど、すべてを野球に注いだのだった。

 


1948(昭和23)年の都市対抗野球での写真
 

1946(昭和21)年ごろの写真。最前列右から3番目が故山口オーナー

 
チーム作りにも力を入れ、東京六大学で活躍した鈴木茂(法政)を監督に招き、若原、柿島、島津、南村、小島、吉村、呉、掛飛(かけひ)、西浦、大道選手など、早稲田大学のスターを集めた。そのかいあり、1950(昭和25)年まで、都市対抗野球本戦の出場を果たし、名門クラブチームとなる。

その後は企業チームが頭角を現わし、企業チーム全盛の時代と変わっていくが、歴史のあるクラブチームは、常に注目される存在だ。
 


三菱重工に勝ち越しときは、ベンチから飛び出してハイタッチ!

 
昨年は、この1950(昭和25)年以来の都市対抗野球本戦出場まであと1歩のところだったというわけだ。現在のオーナーは、山口久像のお孫さんにあたる山口宏氏が努め、輝かしい歴史は今も続いている。ここ10年間に、日本一のクラブチームを決める「全日本クラブ野球選手権大会」に5回出場し、2011(平成23)年には、クラブ最高のベスト4を果たした。

現在のチームには、どのような選手がいるのだろうか。どんな思いで取り組んでいるのか選手を直撃してみる。



文武家両道で「真のクラブ日本一」を目指す!



訪れたのは、日本野球連盟公式戦「JABA春季神奈川県大会」が行われている保土ヶ谷・神奈川新聞スタジアム。企業チームとクラブチームの15チームで行われるトーナメント戦の1回戦だ。相手は「全川崎クラブ」。
 


昨年の関東クラブ選手権神奈川予選で優勝した全川崎が相手

 
ダイジェストでお伝えすると、3回に先頭バッターの7番齋藤(景)選手が三塁打で出塁したのをきっかけに1点を先制。
5回に2アウト2・3塁で、4番田中選手がレフトへ2点タイムリーを放ち3-0。
 


この日、大活躍の4番田中選手
 

田中選手のタイムリーヒットで庄野選手が生還

 
7回にも田中選手や、代打の新海投手がタイムリーヒットを放ち、5-0に。その後も相手のミスで1点追加。
投げては、先発の星山選手が7回2アウトまでノーヒットノーランの好投を見せ、白田投手、四日市投手と繋いで快勝!
 


サウスポーの星山投手は11奪三振

 
【試合結果】
全川崎クラブ   000 000 010 =1
横浜金港クラブ 001 020 21× =6

試合からもチームワークの良さがうかがえるが、選手の所属する学校や会社はもちろん異なっている。
平日は各自で練習しているが、練習場所や設備が確保されているわけではない。
高校や大学と交渉し、土日祝日はどこかしらのグランドを借り、全体練習や試合を行っているという。環境が整っていないにもかかわらず、なぜ結果を出せるのだろうか。試合後、選手それぞれの思いを聞いてみた。