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戦後の横浜にひと筋の光を与えたという、歴史ある社会人野球「横浜金港クラブ」がいま熱い!

ココがキニナル!

社会人野球の横浜金港クラブ、かなり歴史のあるクラブらしいのですがどんなチームなのでしょうか。(紀洲の哲ちゃんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

仕事、野球、家庭、全てを大事にするというモットーで取り組む、1942年に発足した伝統のクラブチームだった!

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ライター:山口 愛愛

文武家両道で「真のクラブ日本一」を目指す!(続き)

まずは、大柄な体格が目立つ、3番ファースト平野路尚 (みちなお)選手から。
 


平野選手は打球の速さとパワーが持ち味

 
平野選手は日大藤沢高校卒業後、横浜金港クラブに入り、オーストラリアのレッドランド・レイズや、日本の独立リーグの1期生として信濃グランセローズで活躍。家庭の事情で辞めることになったが、まだ野球をやりたくて横浜金港クラブに戻ったという。

「高校野球では神奈川県大会のベスト8を懸けた試合で、勝っていながら雨天再試合になり、サヨナラポテンヒットで負けたんですよ。燃え尽きてしまい、半年くらい野球を離れましたが、高校のチームメイトが横浜金港クラブに入り、誘われて入部しました。上を目指す、チームの意識の高さに驚き、野球熱を取り戻しました」と平野選手。
 


この日は四球を選び、田中選手のタイムリーで生還

 
過去に5試合連続ホームランを放ったこともあり、2010年度には、県内で活躍した社会人野球やクラブチームの選手を、ポジション別に選出する「神奈川県ベストナイン特別賞」を受賞するなど、チームに貢献してきた。普段はスポーツジムやバッティングセンターに通い、個人練習しているという。

「クラブの理念は『文武家(家庭)両道』。みんな仕事はもちろん、家庭や彼女なども大事にし、すべてがおろそかにならないように、という気持ちでやっています」

目標を聞くと、「クラブ日本一! と企業からの1勝。去年は相手チームを追い詰めることはできたけど、勝てなかったのは悔しい。少し前まではプロ野球に入れることを目標にしていましたが、そのためだけではなく、またベストナインに複数回選ばれるような活躍をしてチームに貢献したい」と意気込みを語った。

続いて、DH(指名打者)で2番バッターの佐藤圭一郎(さとうけいいちろう)選手。
関東学院大学卒業後、別のクラブチームで10年間プレーし、年齢(現在35歳)を考えて、「最後に良いチームでやって終わりたい」との思いで横浜金港クラブにやってきたベテランだ。
 


「常に上を目指し、組織体系がしっかりしている」と佐藤選手

 
「企業チームに勝つのは難しいけれど、ただ対戦するという気持ちではなく、できる限りの準備、練習をして、強い気持ちを持たないと試合にならない」と語り、ベテランらしい考えを持っていた。
「神奈川県のクラブは常に追われる立場。相手が勢いづいている中での接戦や、劣勢のときに耐えられる精神力がないと勝てないですね」
 


礼儀や心構えも大切と教えられている

 
「去年、三菱重工に同点にされたとき、相手チームの意地と精神力を感じました。クラブチームにしっかり勝って、企業からの1勝をもぎとり、都市対抗野球に出場したいです」
佐藤選手は、仕事が早めに終わったときなど、週1~2回程度、自宅近くの大学のグランドを借りて練習させてもらっている。いくつになろうと、努力を惜しまない。

「夢は1年でも長く、このクラブでやること。横浜金港クラブが長く続いてほしい」と語る。
試合中、奥さんとお子さんがスタンドから見守っていた。家庭を大事にしているからこそ、理解が得られ、家族が応援にきてくれるのだろうと感じた。
 


若手からベテランまでコミュニケーションが抜群のチーム

 
翌日に、先発を控える若手ピッチャー、菊沢竜佑(きくさわりゅうすけ)選手にもコメントをいただいた。
 


2年目、25歳の期待の星

 
「去年の三菱重工との試合も自分が先発していただけに悔しい。自分がマウンドに立って勝ち、都市対抗にいくつもりで精一杯のピッチングをしたい!」と力強い言葉が返ってきた。

最後に、監督兼内野手で横浜金港クラブひと筋24年! という、露木慎吾(つゆきしんご)監督の思いに迫る。
 


指示を出す露木監督。神奈川県野球協会ベストナイン特別賞を3度受賞している

 
早稲田大学卒業後、教員を経て、オークリージャパン株式会社に勤めている露木監督。仕事では、スポーツ界でのサングラスの普及に努め、イチロー選手やプロゴルファーの宮里藍選手、マラソン金メダリストの高橋尚子選手らとの契約担当をしている。一流アスリートと関わる忙しい仕事の合間を縫って、横浜金港クラブでも結果を出していた。

「文武家両道がモットーです。選手にも、まず後ろ髪を引かれずに野球をやれる環境を作りなさいと言っています。家庭や職場でやるべきことをやっていれば理解も得られると思います。環境を作った上での集中力や人間性が必ず野球で表れます」と露木監督。
 


試合後の集合写真。最前列、左から3番目が露木監督

 
実は露木監督が入部してから、最初の14年間は全日本クラブ野球選手権に出場できるレベルではなかった。2001(平成13)年からマネジメントを考え、改革に踏み切った。寄り集まりの集団の団結力を高めるため、何を目指すか、ミーティングを重ねてきた。

OBの組織の強化をはかるため住所録も整備し、スカウティングや寄付なども含めた支援体制を整え、選手がチームに愛着が沸くように環境を作り直したそうだ。
こうしたマネジメントの効果は3年間で実を結び、25年ぶりに全日本クラブ選手権の出場を果たした。そして2011(平成23)年には、ベスト4入まで勝ち上がったのだ。
 


練習や試合後のミーティングが大切

 
クラブチームの事情を伺うと、同じ企業の社員だけでチームを作り、設備が整っている中で毎日練習できる、企業チームのようなクラブチームもあるのだという。
横浜金港クラブのように“純粋なクラブ”が、クラブ日本一、企業チームからの1勝をもぎとりたいと意気込みを語る。

昨年の三菱重工との試合では、最後のバッターを打ち取ったら終わり、という場面で際どいハーフスイングの判定があったという。
「スイングに見えたが、審判の手が上がらなかった(ストライクの判定をしなかった)。
歴史をひっくり返すような判定をする勇気が出ないのもわかる・・・。もっとはっきりした形で勝負をつけなければいけないと思った」
抗議をしたり、愚痴をもらしたりするわけでもなく、「自分たちがもっと実力をつければ良い」と、悔しい気持ちを日々の試合にぶつけている。
 


試合のオーダーを考えるのも監督の仕事

 
「仕事で関わるトップアスリートから、レベルの高い取り組み方や考え方をチームに持ってきて還元しています。選手たちはより高みを目指し、人間的にも成長してもらいたい」と40代の監督兼選手ならではのチームに対する思いがあった。

「戦後の希望の光でもあった、伝統的なチームです。もっとチームが強くなり、その結果として横浜の野球史に新たに何か刻みたい。
横浜は、ベイスターズや高校野球だけじゃない! こんなに面白いチームがあるんだ、観に行こう! と思ってくれれば嬉しい。スタンドを埋められるようなチームにしたいですね」と明るく笑った。
 


10代の学生選手も入り混じり、今後が楽しみだ

 
このチームは何かやってくれる。そんな雰囲気が漂っていた。今年の都市対抗野球の予選で歴史がひっくり返るかもしれない・・・。そう思わずにはいられなかった。



取材を終えて



取材や資料提供など、マネージャーの木村汐里(しおり)さんにご協力いただいた。
 


埼玉栄高校で、全国高等学校女子硬式野球選抜大会準優勝の経験がある木村さん

 
試合当日も「今日は始発で来ましたが、野球が好きなので選手のために何かできるのなら早起きも苦ではありません!」とはじけるような笑顔が印象的だった。
 


庄野選手(左)と田中選手。「マネージャーに感謝です!」


「文武家両道」を実践している、みなさんに頭が下がる。何事も、志次第だと身に染みる取材であった。


―終わり―

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  • 高いレベルのクラブでこうやってほかのことを犠牲にせずにやってるのってほんとすごいと思います。野球の実力もさることながら、自分にはできないことだらけだなあと思わされるばかりです。

  • 横浜スタジアムの関係者正面入り口に山口久像さんの銅像がありますね。横浜スタジアムの歴史は横浜野球の歴史そのものですし、横浜金港クラブが横浜野球の象徴だった戦後の頃を思い出しました。横浜スタジアムで横浜金港クラブが輝きを取り戻すことを楽しみにしています。

  • 金港クラブに何か引っかかることがあり、興味深く読ませて頂きました。監督さんのお名前・経歴が出たときに、高校生の時、露木先生に教鞭ととってもらった事を思い出しました。とても懐かしく、又お元気でご活躍されている事うれしく思います。今後のご活躍を期待いたします。

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