現役議員の逮捕！

世間は元プロ野球選手の覚せい剤事件で騒がしいが、神奈川県内でも現役議員が逮捕されるという衝撃の事件が発生した。

2016（平成28）年2月17日（水）、葉山町の現役町議会議員である細川慎一（ほそかわ・しんいち）容疑者が覚せい剤取締法違反の疑いで現行犯逮捕された。
　

逮捕された細川慎一容疑者（葉山町ホームページより）
　

各種報道によると、細川容疑者は2月16日（火）午後10時45分ごろ、横浜市中区末吉町の路上で覚せい剤を所持していた疑い。本人は容疑を否認しているという。
　

細川容疑者が逮捕された現場付近
　

葉山町議会事務局などによると、細川容疑者は横浜市中区出身で1974（昭和49）年4月26日生まれの41歳。

横浜市立吉田中学校を卒業後、私立横浜商工高校（現：横浜創学館高校）に入学するも中退。
　

　

横浜市内の学校に通っていた
　

その後、自民党神奈川1区（横浜市中区、磯子区、金沢区）選出の松本純（まつもと・じゅん）議員や同8区（横浜市緑区・青葉区）選出の江田憲司（えだ・けんじ）議員の秘書を歴任。
　

松本議員（過去記事より）や
　

江田議員といった大物議員の秘書を経験していた（同）
　

その後、2015（平成27）年4月26日に行われた葉山町議会議員選挙では維新の党の推薦を受け、無所属で出馬。初出馬ながら1182票を集めてトップ当選した。

町議会では総務建設常任委員会の副委員長をはじめ、議会運営委員会委員、特別委員会委員を務めていた。
　

本人のフェイスブック（現在は閉鎖）には「政治家」「大好き！　葉山」
　

細川容疑者の逮捕を受けて葉山町議会の近藤昇一議長は「事実とすれば絶対許されないことであり、誠に遺憾」とコメント。

そのうえで「町民に多大な心配をかけたことをお詫び申し上げる。議員逮捕という事実を重く受け止め、厳粛で規律正しい町議会運営にあたる」とした。
　

議会として町民に謝罪
　

また、逮捕から一夜明けた2月18日午前11時の段階では、細川容疑者から議員辞職などの届けはなく、現在も身分は町議会議員のまま。

また、細川容疑者は議会の一般質問で職員給与の原則に関する質問をするなど、議員としての活動をしていた。しかし、町内各戸に配布する「議会だより」の原稿の締め切りが遅れるなどの理由で近藤議長から厳重注意を受けていた。
　

2016（平成28）年1月15日発行の『議会だより』より
　

町民の反応は？

当選から1年足らずで現役町議が逮捕されるという異常事態を葉山町民はどう受け止めるのか聞いた。

90歳と73歳の夫婦は「ただただ、びっくりしている」と驚いた表情。「街頭演説も一生懸命やっていて、こっちが『頑張って』と声掛けすると走ってきてあいさつまでしてくれたのに」と話した。
　

「怒りより驚き」と口をそろえる
　

また、80歳の女性は「天皇陛下の御用邸もあるし、葉山ではそんなこと（覚せい剤）なんてないと思っていた。情けない話」と声を詰まらせた。

取材を終えて

仮に逮捕容疑が事実だとすれば、少なくとも投票してくれた1182人の町民の期待を裏切ったことになる。

公人である議員なのであれば、真実を話し、しかるべき進退を早急に示す必要があるのではないだろうか。


―終わり―