海の水上バイク、どうやって取り締まる? 海水浴を楽しむために必要なこととは
ココがキニナル!
ナンバープレートのない水上バイクの取締りはどうなっているのでしょう? 死亡事故や、海水浴客に怪我を負わせて立ち去る事件も発生しています。海水浴場では録画等はされているのでしょうか?(soraさん)
はまれぽ調査結果!
水上バイクのような「特殊船舶」には、船体識別番号が刻印されているが、海での視認は難しい。録画を取り入れている海水浴場はないが、パトロールなどで安全確保を目指している
ライター:はまれぽ編集部
「水上オートバイ」とも呼ばれる水上バイクやジェットスキーは、マリンレジャーの定番になりつつある乗り物。海の上をバイクで走るのは、さぞや快感だろう。
ちょっとおしゃれなイメージもある?
一方で、陸上の車やバイクなどと比べて、信号も横断歩道もない水上では取り締まりが難しいという問題があるのは事実。一部の暴走行為などもたびたび報じられている。
水上バイクの取り締まりは、どのように行われているのだろうか。調査エリア周辺の海上を管轄する、第3管区海上保安本部にお話をうかがうことができた。
横浜第2合同庁舎内にある
そもそも、水上バイクと海水浴客との事故はどれほど起きるのだろう? 海保担当者によれば、「2018年は8月9日時点で、水上バイクとの接触事故が1件発生しており、例年も発生件数は数件程度です。ですが、『海水浴中に水上バイクが近くを通って危険を感じた』という通報は、毎週のように寄せられています」と話す。
投稿にあるように、水上バイクにはナンバープレートなどはないはず。そんな通報があったとき、水上バイクはどのように取り締まるのだろう。
小回りが利く水上バイクは追跡も難しい?
水上バイクの識別方法についてうかがうと、「水上バイクのような『特殊船舶』は、船舶検査を受ける義務があり、その際に船体識別番号を車体に示す必要があります。これで水上バイクを識別することができますが、海水浴客やほかの船舶から番号を視認するのは難しいかもしれません・・・」との回答。
船体の内側に刻印されている場合も
やはり、ナンバープレートのように、外から船体を識別して取り締まるのは難しい面があるようだ。さらに、海洋ならではの困難さもある。
「海水浴中の方と水上バイクがぶつかった場合、その場所が海水浴場のブイの中なのかどうかが問題になります。明らかに海水浴場の真ん中に水上バイクが入ってきていれば非は明らかですが、少し沖合の場合は海水浴客の方がブイを超えてしまっている場合もあります」。
ブイのギリギリまで泳ぎに出ようとする人は多い
もちろん、危険な水上バイクがいたり、通報を受ければ巡視船による見回りを行うなど海上保安庁が取り締まりを行うことになるが、「全国すべての海水浴場を見回ることはできません」とのこと。
そのためには、海水浴場の管理者の協力が必要だ。「一義的には、海水浴場の安全管理はその場所を管轄する地方公共団体が行うことになっています。利用者の安全を守るためにライフガードがいるはずなので、その人の指導や監視に従っていただくのが一番です」という。海での安全の第一歩として、啓発活動に力を入れているようだ。
「ピカチュウ大量発生チュウ!」では、横浜海上保安本部のPRが行われた
海上での事件・事故に関しては、海上保安本部が「118」番で通報を受け付けている。夏のイベントではこの通報番号や、ライフジャケットの着用など海難事故防止の呼びかけが多く行われているようだ。
海の事故を防ぐために、行政が主体となって動く場合もある。
逗子海岸海水浴場では、逗子市が関係者とともに「海・浜のルールブック」を作成し、安全のための注意啓発を実施中。また、市長も参加した上で海水浴シーズンの海上パトロール行っている。
地域にとっての財産でもある海や浜を大切に使ってほしいという思いがこもっている
今年からは、繁忙期の日曜日などに海上保安庁による定期的な巡回も行われ、安全な海水浴場づくりを進めているようだ。
海水浴場での事故防止を目的とした録画などを行っているビーチを調査してみたが、設置しているところは見つからなかった。カメラなどを設置している場合も、あくまでも目的は天候の確認用で、水上バイクの監視などは目的としていないようだ。
取材を終えて
日本には1100ヶ所以上の海水浴場があり、水上バイクが走るのはその遊泳区域の外側。それを常に見張ることができるほど海上保安庁は大きな組織ではなく、監視が難しいのが現実であるようだ。
現在の制度では、水上バイクの無免許運転や飲酒運転は厳しく取り締まられており、もちろん海上は無法地帯ではない。
海の上のルールである海事法では、車の運転免許のような切符制度などはない。「検挙されれば取り調べて調書を取ることになります。それをすぐに警察に送り、違法行為が確認されれば前科がつくことになります」と海保担当者。違反者には厳しい扱いが待っているようだ。
一方で、水上バイクとの接触事故は、弱者である海水浴客の不注意で起きることもある。トラブルなく海のレジャーを楽しむために、それぞれの立場で安全に注意していくことが大切なようだ。
ー終わりー
- 前へ
- 1
- 次へ
soraさん
2018年08月18日 07時17分
キニナル調査、ありがとうございます。一応は取り締まっているようですが 実際は野放し状態なのではないでしょうか?ドライブレコーダーやGPSの義務化など強化策はあるとは思うのですが・・・。騒音も結構しますし、遠くまで聞こえるんですよね。
ホトリコさん
2018年08月17日 12時21分
決して安い物ではないので、所有者はお金持ちのお坊っちゃまかお嬢ちゃんだとしたら、あらゆる手を使ってもラスボスみたいなモンペが現れて、取り締まりすらままならなくなり易いんだろうな。
ナチュラルマンさん
2018年08月16日 03時21分
バナナボートの事故、多いとNHKの首都圏ニュースで放送していました。バナナボート、最近は家族や友人グループで、しかも水上バイクとバナナボートを持参して楽しむ方々が多く、海上保安庁の方が片瀬海岸を歩いて注意している様子をテレビで観ました。水上バイクの運転者の死亡事故も増えている?マナーやルールを守り、海でも安全運転で!と思います。