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2019年「浜なし」品評会レポート!店頭には並ばない横浜ブランド梨とは?

2019年「浜なし」品評会レポート!店頭には並ばない横浜ブランド梨とは?

ココがキニナル!

初めて食べて感動した幻の「浜なし」。そろそろシーズン到来ですが、「浜なし」の世界にも品評会があるそうで。今年はどんな梨が入賞!?編集部で梨の食べ比べレポートもお願いします!(スさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「浜なし」の品評会は毎年2回開催、入賞した梨は大きく形も味も抜群。入賞した「浜なし」は大きく甘い! 即売会の整理券を求めて朝から並ぶ人が多数だった

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ライター:すがた もえ子

以前も「はまれぽ」の記事でも紹介したことがある横浜ブランドの「浜なし」。樹上で完熟させるため、ほとんどが収穫した日のうちに直売や宅配で販売され、スーパーや八百屋さんの店頭に並ぶことは滅多にない。そのため手に入りにくいと言われる「浜なし」は“幻のなし”とも呼ばれている。
この「浜なし」と「浜ぶどう」の持寄品評会が年に2回開催されており、2019(令和元)年の品評会は8月20日と9月3日に行われた。品評会で優勝・入賞する「浜なし」とはどんなものなのか、取材してきた。



「浜なし」「浜ぶどう」持寄品評会とは

 

2019年持寄品評会会場の泉区にある「ハマッ子直売所みなみ店」
 

「浜なし」「浜ぶどう」は梨やブドウの品種名ではなく、「横浜農業協同組合果樹部」の統一ブランド名だ。「浜なし」の名称は1975(昭和50)年代から使われ始め、2015(平成 27)年6月に商標登録された。「浜なし」の主な品種は、「幸水」と「豊水」で、横浜市内で生産された梨が「浜なし」というブランド名で呼ばれている。

 

品質と栽培技術を競う「持寄品評会」
 

市内全域の農家から生産物が出品される持寄品評会は、出品された生産物の品質と栽培技術を競い合うだけでなく、横浜ブランド「浜なし」「浜ぶどう」を一般のお客さんが購入することができる機会になっている。

8月にも横浜夏季果樹持寄品評会が開催され、「幸水」が主な品種だった。今回取材させていただく9月の品評会の梨は「豊水」が9割を占める。時期によって食べごろの品種が審査される形だ。

 

長机の上にたくさんの梨が並んでいる
 

今回のスケジュールは以下の通り。

 

 

今回の出品点数は68点(梨58点・ブドウ10点)。今年は長梅雨による低温日照不足と猛暑によって、果肉が水浸状になり軟化する「みつ症」といわれる障害果が例年より多かった。2018(平成30)年の出品数の84 点(「浜なし」 64 点、 「浜ぶどう」 20 点)と比べてもわかるが、全体的な収穫数は少なめだった。
しかし、その分収穫できた果実の味は濃く、良好だという。



「浜なし」の品評の仕方とは



「浜なし」の品評の仕方はどんなものなのだろう。JA横浜果樹部部長の矢澤秀之(やざわ・ひでゆき)さんに話を伺うと、梨の玉の揃いが重要だという。

 

「1箱の梨の玉の揃いが一番重要です」と矢澤さん
 

持寄品評会は贈答用に贈られる梨を想定し、箱ごとに梨の形と大きさ、色、色の揃い、「浜なし」の玉の形が揃っているものが評価され、全体のバランスが審査されていた。それに続くのが糖度の高さだ。

 

糖度計検査のため箱から出される「浜なし」
 

昨年までは果実を切って果汁から糖度を計る糖度計を使用していたが、今年から新しく非破壊糖度計が導入され、光センサーによって果実を切ったり、絞ったりしなくても、果実の表面から糖度を計れるようになった。

 

新しく導入された非破壊糖度計で全ての梨を検査
 

長梅雨による低温日照不足と猛暑の影響で今年は障害果が多く、外見からはわからないみつ症の果実を選別するため、出品された果実が全玉検査された。これによって目視で確認できなかったみつ症の果実がいくつも発見できたのだ。
チェックされた「浜なし」は、箱ごとに重さと糖度を記入されて並べられていく。

 

「浜なし」と「浜ぶどう」を購入するために長い列ができていた
 

今回の品評会で優勝・入賞した「浜なし」と「浜ぶどう」は、品評会終了後に行われる即売会で一般販売される。もともと「浜なし」「浜ぶどう」は購入できる場所は主に農家や JA横浜の直売所などに限られていて、販売数も多くない。そんな「浜なし」の優勝・入賞品を購入するために、品評会の当日の朝6時30分前からお客さんが並び始める。整理券配布が9時30分、販売は11時からなので、整理券配布の2時間30分前から並ぶお客さんがいるのだ。

 

整理券配布前からたくさんの人が並んでいた
 

販売開始になると、整理券の順番で、お目当ての品を購入できるというシステムだ。

 

お目当ての箱へと向かうお客さんたち
 

販売価格は受賞したものから高い金額が付けられているが、優勝・入賞した箱、糖度の高い箱から売れていく。今回の整理券は1人1枚で、梨かブドウかどちらか1箱のみ購入できるという。

一般のお客さんが落ち着いた頃に、筆者も整理券をもらう。

 

51番が「はまれぽ」の番号だ
 

整理券をもらったお客さんからは「箱売りではなく、バラで売ってくれたらたくさんの人が優勝した梨を買えるのに」という声も聞かれた。

 

今回の優秀賞を獲得した「浜なし」。玉の揃いがとても綺麗だ。
 

今回の優秀賞を獲得した「浜ぶどう」。実の一つ一つが大きく、形が揃っている
 

そして、いよいよ整理券の順番がまわってくる。長机の上に空白が目立つ中、「良好賞」の「浜なし」をゲットすることができた!

 

「はまれぽ」がゲットできた「浜なし」はこちら。お値段は4000円
 

今回は品評会に出品された「浜なし」以外にも、PR用の浜なしの販売もあった。こちらは箱ではなく、袋詰めされての販売。

 

PR用の「浜なし」は、あっという間に完売に