京急線黄金町駅のそばに、撤去しようとすると心霊現象が起きる駐車場がある!?
ココがキニナル!
京急線黄金町駅のそばに、撤去しようとする度に心霊現象が多発するので撤去できない駐車場があるって本当ですか?(ハマ坊さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
黄金町駅周辺では横浜大空襲で多数の方が亡くなった。心霊現象と呼ぶのは難しいが、駐車場に何かを建てようとすると色々な出来事が続いたのは本当。
ライター:松宮 史佳
横浜大空襲の生き証人(続き)
自宅の焼け跡で東京から戻った父と再会し、2人で関東学院へ。避難時にお手洗い用だった「赤い鼻緒のぞうり」を履いて逃げた女性。母と妹を探し回るうち、「気付いたら足の裏が血だらけになっていた」。その後、女性は関東学院で母と妹と再会する。
空襲が始まった当初、母と妹は関東学院入口にあった防空壕に逃げようとした。しかし、「ここはもういっぱいだから。(入っても)仕方ないよ」と中にいた人から言われ、逃げ込まなかったそうだ。「だから母と妹は助かった」と女性。防空壕では多くの人が亡くなったのだ。
多くの人が逃げ込んだ黄金町駅は不幸にも大火災が発生。600人以上もの人が亡くなってしまった。
狭い黄金町駅の階段には「人や馬、牛が黒焦げになって折り重なっていた」
「戦時下に生きる(伊豆利彦著)」によれば、黄金町駅周辺では、朝は吹いていなかった風が火の手が多くなるたびに強風になり、青空が朝焼けのようなにぶい赤色に覆われた。火が強風を呼び、釜や鍋、やかんや木桶などさまざまなものが舞い上がっている、そんな信じられないような光景が広がっていたそうだ。
「戦時下に生きる(伊豆利彦著)」
辺り一面火の海だったため、川の水は熱湯に
黄金町がある南区は死者1308人、行方不明7人、重軽傷者1987人、被災者6万9124人という市内でもっとも大きな被害を受けた。
「新版 大空襲5月29日第二次大戦と横浜」によると、黄金町駅周辺の惨状は「駅構内には、折り重なるように積み重なった焼死者の山があった」「駅北側の空地にトタン板に乗せられた焼死者が並べられている」と書かれている。「黄金町駅のガード下(一部空いているところ)には遺体が積み重なっていた」と女性。
あまりに多くの人が黄金町駅で亡くなったため、追悼の意を込めて駅の横に黄金地蔵尊が建立された(例の駐車場にある地蔵と関連性はない)。
現在、黄金地蔵尊は黄金町駅から200mほどの普門院に安置されている
空襲で亡くなった人をしのび、頭に防災ずきんを被っている黄金地蔵尊
女性には「今でも忘れられない光景がある」そうだ。当時、大学に通う男子学生は優秀で「憧れの的」だった。しかし、戦況が悪くなるにつれ、学生も「学徒動員」されることに。男子学生は“憧れの象徴”でもあった学生帽を被り、脚にゲートルを巻いて道幅いっぱいに「伊勢佐木町を行進していった」そうだ。「大学に上げるのも大変な時代だっただろうに」「将来有望だった若者が戦争に行くなんてね・・・」と呟いたのが強く印象に残った。
取材を終えて
取材を通し、横浜大空襲により多くの方が黄金町駅で亡くなったと知り、本当に痛ましいと思った。歴史的に痛ましいことがあったこと、そして駐車場に何かを建てようとすると偶然かもしれないが、色々な出来事が起こったことは事実。だが2つを関連づけ、心霊現象と言うのは難しい。今後は横浜大空襲のような悲劇が繰り返されないように祈りたい。
―終わり―
不動丸さん
2020年05月08日 02時05分
素晴らしい記事でした。はじめは心霊ネタと思って軽い気持ちで読み始めたこの記事。ところが読み進めると横浜大空襲の生き証人によるつらい過去の話。私は生まれてから40年余り横浜のこの街に住んできたのに、恥ずかしながら横浜大空襲について知ったのは、いつだったかこのはまれぽの他の記事でした。本当にお恥ずかしい。小学校の頃から戦争の話は聞かされてはきたけれど、いつもどこか自分とは無関係で遠い昔の恐ろしい話だと感じていた気がします。でもその舞台が愛する地元横浜となると、やはり他人事とはとても思えない心の痛みを感じました。場所を想像できるからでしょうか。まるで自分がそこに、その戦時下にいるかのような恐怖と悲しみ。もう二度と戦争なんて起こしてはならないと、強く感じる記事でした。文中やコメントに出てきた文献にも目を通したいと思います。ありがとうございました。
愛しの横浜さん
2018年07月16日 02時26分
横浜大空襲、ただただ悔しい気持ち。亡くなられた人々のご冥福をお祈りいたします。
ヨコハマちゃんさん
2016年06月24日 16時06分
私の実家が、オデヲン近くにありました。空襲の日、父が家を飛び出したら、オデヲンビルが、真っ赤だったそうです。火災が窓に反射して、赤く見えたんですね。ビルが燃えてるみたいだったって。それを見て、「あぁ、もうダメかな。」って思いながら、夢中で走ったそうです。気づいたら、野毛山動物園にいたそうです。そこで、カバの池に飛び込んだら、助かったと言っていました。父の話なので、そんな遠い昔の事とは思えず、とても恐ろしいと思いました(>_<;)黄金町のおばあさんは、ついこの前のことのように感じるかも知れませんね。