台風の影響?横浜市内で土砂崩れが相次ぎ2人が生き埋めで1人死亡確認
ココがキニナル!
野毛成田山別院の工事現場で災害の様子。SRも出動していて騒然としています。(morimoriさん、ばんどさん)
はまれぽ調査結果!
午前11時前に発生した土砂崩れで仮本院の一部が崩壊。男性1人が土砂の下敷きになり、いまだに救出活動化継続中
ライター:はまれぽ編集部
2人が生き埋めに
台風18号による影響で、横浜市内で複数の土砂崩れが発生。中区と緑区で計2人が土砂の下敷きとなった。
事故発生直後の成田山横浜別院の様子(野毛町在住Yさん提供)
横浜市危機管理室や横浜市消防局によると、6日午前10時50分ごろ、横浜市中区野毛町の成田山横浜別院の裏で崖崩れが起きて仮本堂が倒壊、男性1人が生き埋めになっていると110番通報があった。
仮本堂の修繕をしたことがあるという男性の話では、倒壊した仮本堂は木造平屋建て。
現場の消防隊員らの話を総合すると、仮本堂の裏山高さ20メートル、幅30メートルにわたって崩れた模様。
土砂で倒壊したという部分
神奈川県警と横浜市消防局によると、倒壊により同寺の20代男性修行僧3人が中に取り残された。このうち2人は自力で脱出したが、もう1人の男性が行方不明という。
昼夜を徹して、残された男性の救助活動が続けられ、午後8時過ぎに発見されたが、土砂に深く埋まっており、救出作業は困難を極めている模様。
現場の救急隊員によると、既に心肺停止状態だといい、日付が変わった7日午前4時の時点でも救出には至っていない。
懸命の救助作業が行われている(7日午前3時20分ごろ)
現場には救急車や消防車が大量に駆けつけ、騒然とした雰囲気に。
近所の人や成田山の関係者らが心配そうな表情で、救出活動の様子を祈るように見守っていた。
関係者も現場には立ち入れず、救急車の近くで7~8人が待機していたというが、詳細を聞かされることなく、7日午前2時前に一度現場を離れた。
あわただしく出入りする関係者(7日午前2時前)
救助作業が続いている男性は、今年4月から成田山横浜別院で修行を始めたばかりといい、同期という男性は「自分も近くにいたが、山の上に逃げて、何とか無事だったのだが・・・」と目を充血させ、涙をこらえながら話してくれた。
青い丸印が男性がいたという場所。赤い丸印が現場
近所の男性に話では、この近所は20年ほど前に大きな土砂崩れがあり、神奈川県などが傾斜地崩壊危険地区として整備していたという。
現場近くの危険地区を示す地図には成田山の名前があった
発生時間ごろ家でテレビを見ていたという別の男性は「雨の音がすごく、最初は突風かなにかだと思った。窓から見たら、(成田山の)屋根が潰れていた。まだ一人見つかっていないというし、心配だ」と話していた。
この男性は発生直後に成田山の関係者と話したと言い「顔色が変わっていて、『まだ一人埋まっているんだ』」などと生々しい状況を聞かされたそう。
成田山は2015年夏終了予定の改修工事を行っているが、近くに住む人の話では急な崖の部分の土に手を入れていたという話もあった。
工事の影響もあるのだろうか(写真は2014〈平成26〉年春のもの)
70年近く成田山付近に住む男性は「崩れるような山じゃない」と首をかしげた。
救急車が待機していた場所の近くに住む女性からは「本当に台風のせいだけだろうか。工事で地盤が緩んでいたのでは」といった声も出ていた。
このほか、6日午前10時半すぎ、緑区白山3丁目ではアパート裏の土砂が流れ込んだ。
この事故でアパート1階に住む30代男性1人と連絡が取れなかったが、同日午後9時半ごろ、室内から遺体で発見されたという。
取材を終えて
大きな傷跡を残し、尊い命を奪った台風18号。
今は亡くなられた方にお悔やみを申し上げるとともに、もう一人の男性が一刻も早く救助されることを切に願う。
-終わり-
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willtonさん
2014年10月08日 12時10分
横浜、川崎や、横須賀、鎌倉等は、ほぼ山と谷で構成されていて、大雨が降れば崩れるところは、多い。 急傾斜崩壊危険指定区域外でも、かなりの所が、というか、危なくない場所の方が少ないので、ハザードマップ等で確認し、できる限りの対処に努めたほうがいいと思います。以前住んでいて、危険かつ不便だったのと、通勤や日常生活全般が便利になるので、県外に引っ越した者です。 こちらでは、今回の18号の影響は、街路樹の枝や葉が歩道落ちていたのと、通勤の電車が一部運休したくらいで、雨が上がった1時間後には小さな水溜りさえありませんせした。 横浜や川崎等にも、危険ではない住宅街もあるので・・・命には代えられないので、名前やイメージで住む場所を選ばないようにした方が賢明かと思われます。
夏兒さん
2014年10月07日 21時40分
面白くはないが、興味深かったので。お悔やみ申し上げますとしか言いようがない。取材お疲れ様でした。二次災害にはくれぐれもお気をつけください。
rerereさん
2014年10月07日 14時06分
世の中には「宅地造成等規制法」という法律があって土留の擁壁を無許可で作ると法律違反になり、しかも横浜市の場合、ほぼ全域を「規制区域」に指定するなどして規制法を非常に厳しく運用しています。擁壁をつくる許可を得るためには、地盤調査→設計→許可申請→(審査期間約1ヶ月)→許可→中間検査→完了検査、という煩雑な手順を踏む必要があり、擁壁を作らせない方向に法律が心理的に作用しています。身の安全を確保するのに許可も糞もあるかと私は思うのですけど、世の中どうしてこうなった(苦笑)