建て替えが基本方針! 横浜市都筑区の傾いたマンション問題で、分譲した三井不動産の見解は?
ココがキニナル!
マンションが傾く! 去年、西区で発生した件が記憶に新しいが、今度は都筑区でも。一体マンションの安全性はどうなっているの?(八景のカズさん、LTさん)
はまれぽ調査結果!
マンションを分譲した三井不動産レジデンシャルが建て替えを基本方針とする対応案を発表。入居者への補償なども検討。住民は言葉少な
ライター:はまれぽ編集部
建て替えが基本。保証も検討
三井不動産グループが販売した横浜市都筑区の大型マンションで地盤調査のデータに虚偽があり、一部に傾きがあることが分かった問題で、マンションを分譲した「三井不動産レジデンシャル株式会社」が2015(平成27)年10月19日(月)、住民らに対する基本方針を示した。
虚偽データで施工され、傾きがあったマンション
同社によると、2014(平成26)年11月以降、建物の施工状況調査や地盤調査を行っており、不具合は2015(平成27)年9月に発覚。杭の施工業者である旭化成株式会社(東京都千代田区)の子会社、旭化成建材株式会社(同)が杭工事の施工データについて、ほかの建物のデータを転用・加筆していたことも認めた。
旭化成建材はホームページ上で謝罪を掲載
この問題は建物を支える強固な地盤である「支持層」の適切な深さを判断する調査が行われておらず、ほかの場所で採取したデータを使用してマンションを施工したとされていた。
しかし、施工を行った旭化成建材のこれまでの調べで、杭施工時に注入する「セメントミルク」の量を確認するためのデータでも不正があったことが判明した。
セメントでも不正が発覚(フリー素材より)
一般的に杭打ち工事では、まずドリルで掘削を行う。その後、杭の根本と側面を固定するため、セメントと水を混ぜた「セメントミルク」を流し込むが、この「セメントミルク」のデータも改ざんされていたことが分かった。
親会社である旭化成は「現時点で緊急の危険性はない」としているが「お客様をはじめ、関係各位の皆様方の信頼を損なう結果となったことを深く反省し、重ねて心よりお詫び申し上げる」とのコメントをホームページ上に掲載。引き続き調査を行い、安全性を確認していくとした。
現時点で危険はないというが・・・
これらを受け、三井不動産は対応案を発表。
案によると、全棟・全住戸の建て替えを基本的な枠組みとして住民と協議していくとしている。また、入居者に対する損害の補償についても対応していくとした。
全棟・全住戸建替えが基本線
その上で、同社も「皆さまに多大なるご心配、ご迷惑をおかけして心よりお詫び申し上げる。このようなことが二度と発生しないよう、当社内ならびに施工会社への安全・安心への意識啓蒙の強化・再徹底を図っていく」とのコメントを発表した。
この案に対して住民に聞き取りを行おうとしたが、みな言葉少なで足早に建物へ向かっていった。
マンションの前には警備員が
これらの問題を受け、横浜市建築局建築安全課では、三井不動産グループに対してデータの改ざんや杭の未達などについて、構造的な安全性の検証を行うように指示。
さらに、その検証を第三者機関に精査させたうえで早急に市に報告するよう求めている。
取材を終えて
取材を続けるにつれて続々と発覚する不祥事。
真に「住民に心配をかけた」と思っているのであれば、早急な住民への対応と仮にまだ問題があるのならば、すべて出し切って、詳細な説明をしてほしい。
はまれぽは今後も続報を伝えていく
―終わり―
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マッサンさん
2015年11月07日 10時19分
杭のデータ改ざんが発覚してから三週間、元請の三井不動産が公式に謝罪しました。三週間も経っての謝罪はあまりにもマンション住民の当事者に対して不誠実だと言わざるを得ないし、会社の保身と捉えられても仕方がないでしょう。こんな不誠実な会社の建物は選ぶべきではないし、買うべきではないと思います。
ushinさん
2015年10月25日 00時54分
ペテン師さんに激しく同意!こないだまさにそういう基礎杭の現場で移動式プラントの搬入を見てきたばかりだから。
mocoaimeさん
2015年10月20日 12時15分
唯一偽装されていない棟の人が不憫です。建て替えも巻き込まれ、でも優先度は一番低いでしょうから最後まで引きずられるでしょう。