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江ノ電バス「ちからいし」停留所にはなにがあるのか?

ココがキニナル!

戸塚駅東口のモディの前にあるバスターミナルで、「ちからいし」行きの江ノ電バスを見たのですが、ちからいしって何があるのか調べてください。(蒔田のはまりんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

辺りはごく普通の住宅地だが、その名の由来となった「力石」があった!

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ライター:田中 大輔

ちからいし。キニナルにある通りバス停の名前のようだが、いかにもなにか由来のありそうな名前だ。
力石? 血から石? 地から石? ひらがなで書かれているところもまた、好奇心をそそる。
というわけで、「ちからいし」にはなにがあるのか! それを確認するため、戸塚駅へゴー。



1時間に2本のバスで



バスが出ているのは、戸塚駅東口のバスターミナル。
このターミナルにある3つの江ノ電バス乗り場の内、2番乗り場から出ているバスに「ちからいし」を通るものがあるようだ。
 


恐らくよそ者はあまり乗らない路線


この乗り場から出るバスは3系統あり、下倉田循環と呼ばれる路線が件のバス停を通る。
運行しているのは通常のバスよりも一回り小さいバスで、1時間に2本程度しか出ていない。平日の昼間ということもあって、乗っていたお客さんは地元のお年寄りといった感じの人が多かった。
 


地元の人たちが列を作ってバスを待っていた




「ちからいし」にはなにがあるの?



戸塚駅を発車してバスに揺られること10分ちょっと。
周りの景色からは商業施設などが消え、住宅が増えてくる。道幅もせまいところが多く、ミニバスを走らせている理由が分かる。

駅から数えて11個目の停留所。そこが「ちからいし」だ。
バスを降りて辺りを見回すと……
 


のんびりした雰囲気ののどかな場所だった


「なにがあるの?」と聞かれたわけだが、正直なにもない。
あるのは、昔からあるであろう大きな民家や、比較的新しいアパートが数件という住宅街。写真からも分かるように、住宅街のすぐ裏手まで林だか山だかが迫っている。
もう一度言うが、なにもない。



「ちからいし」で力石発見!!



どうしたものかと辺りを見回していると、曲がり角にあるゴミ捨て場の脇に、立て札があるのに気付いた。
近寄って見てみると……
 


立て札の下には大きな石が2つ置かれているが……
 

「ちからいし」の由来発見!!


そのものズバリ! の力石である。
看板の説明によると、娯楽の少なかった時代に近所の若者たちがここにある石を持ち上げて力比べをしていた、ということだ。

だが、肝心の石は地面に固定されていて、持ち上げるどころか転がすことすらできない。
 


立て札がなければただの石。しっかり固定されている


詳しい話を聞こうと、近所のお宅を訪ねてみた。対応してくれた吉原さん(この辺りは吉原姓が多いらしい)によると、「私が来た40年前は動かせたけど、子どもがイタズラして危ないから固定されたみたい」ということだった。

ちなみに、「ちからいし」というのは「地名になっているわけじゃないから、住所には入っていないの」。

それ以上のことは分からない、という吉原さんだったが、別れ際に「吉原定義さんっていう人が歴史に詳しい」と教えてくれた。
ここから歩いて行ける距離に住んでいるとのことだったので、向かってみることに。



地元の歴史を知りつくす人に聞く



教えられたお宅を訪ね定義さんに事情を説明すると、突然のお願いにも関わらず「まぁ、入んなよ」と玄関のベンチで話を聞かせてくれた。
 


力石以外の歴史にも詳しく、まさに下倉田の生き字引


早速、力石について聞いてみると、「俺が生まれたころからあったよ」。定義さんは87歳だそうだから、それ以前からあの場所にあったようだ。
若いころに持ち上げたことあります? と聞いてみると「俺なんかはないね」とのお答えで、「だから、もっと前。大正とか明治のころにやってたんじゃないかな」。

定義さんが聞いた話だと、力自慢の中でも群を抜いた猛者になると、石を担いで家まで持ち帰ってその怪力をアピールしたんだそうだ。
 


定義さんは地元の歴史を調べ上げて冊子にまとめている


バス停の名前になった理由については、「建物(の名前)とかだとなくなっちゃうからじゃないかな」という答えを聞かせてくれた。



取材を終えて



力石は歴史的に価値のある石なわけではないし、区役所に問い合わせても「特に管理はしていない」ということだったから、特別大切にされているわけでもない。江ノ電にひらがな表記の理由も聞いたが、これも単に読みやすいようにというだけのこと。

でも、地元に昔からあって、庶民の生活の一端を垣間見せてくれるモニュメント。
付近の人たちには「あぁ、力石があるから『ちからいし』ね」とすぐに分かる、超地元密着型のネーミングだったのだ。



―終わり―
 

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  • 茅ヶ崎ですけどウチの中学にも力石くん居たなあ。名前通りマッチョだったのは偶然か、ご先祖様が力石を持ち上げて着いたのか?小さな歴史ロマンですね。

  • そのとなりにある「かくぜん」停留所の由来も気になります(笑)

  • 力石という姓があった。法政大学の先生で力石定一という人がいた。住所は藤沢あたりとおもう。

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