川崎の尻手、その由来は?
ココがキニナル!
川崎の尻手って、かなり変な名前ですが、どんな由来があるんでしょう。また、変わったスポットなんかはありますか?(maniaさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
JR尻手駅は川崎市にあるが、尻手という地名は横浜市。地名の由来はいくつかある。なお、これといって変わったスポットは特になかった。
ライター:吉田 忍
ぶらり尻手旅
(続き)
街の雰囲気はだいたい分かったので、昭和43年に町名変更されたことなど昔の話を聞いてみようと、近くにあった酒屋へ。
三代続いているという「下川商店」さん
「尻手になった時には、変な名前だなぁと思ったよ」とご主人の下川さん
ご主人にうかがうと、「ここらは昔、『市場』っていう町名でね。その頃はなにもないところだったけど、住宅が増えて急激に人口が膨らんだあたりで町名変更されたんだよ。その後、大きなマンションも増えて、昔とはずいぶん様変わりしちゃったね」とのこと。
1丁目を歩いていて、ちょっと変わったものを発見。
東京ガス株式会社 尻手 整圧器室
今まで気づかなかっただけかもしれないけれど、初めて見るものだったので調べてみた。これは、工場から送られてくる高圧のガスを家庭向けに減圧する装置らしい。
尻手。確かに変な地名だが、ハンデはあるのだろうか? 不動産屋で聞いてみたところ、地名を理由に住むのを躊躇するような例はないとのこと。また、地名故に家賃が安いなどということもないそう。
とてもきれいに手入れされた花壇。奥の看板には「みんなの花壇 尻手自治会緑の会」
尻手の由来
「横浜の町名」(横浜市市民局)によると、
『昭和43年住居表示の施行に伴い市場町、矢向町の一部より新設された町。川尻、野尻などの地名があるように、川あるいは、ある地域の尻のほうにある土地ということか。ある地域を基準に「尻の方向」を考える場合、基となる集落は旧矢向村であろう』とあり、矢向村の端の方という解釈。川で考えると、多摩川・鶴見川の河口との解釈もできる。
「手」についても、尻と同様に、山手イコール山の方向で、やはり何かの方向という意味。元々「矢向尻手」あるいは「川尻手」が、「何の」が省かれて尻手になったものであろう。
また、同書に、『この地名は元々正式の町名ではなく、通称や駅、バス停の名称になっていたもので、町名は地元の希望により字名が採用されたもの。駅名が新町名として小地名の息を吹き返した例』との解説もあった。
尻手の由来について不動産屋では、日本武尊がここで矢合わせ(合戦の合図の矢を打ち込むこと)をしたことから、矢尻の方向が尻手となったという説を教えていただいた。
正式な地名としての尻手はなかったけれど、この辺りは昔から尻手と呼ばれており、駅名などには使われていた。傍から見れば変な地名かもしれないけれど、古くから住む人たちには愛着があり、新町名として採用された時には誇りに感じ、喜ばれた方も多かったのではないだろうか。
バス停の「尻手」は、鶴見区尻手1丁目にあった
おわりに
尻手という地名の由来は、矢向の尻手という説が有力だった。
また、調べていたら、巨人が退治されてバラバラになった体の尻と手が落ちた場所という日本昔話のような説もあった。こういう話もまた楽しい。
特に変わった所はなかったけれど、尻手という文字が付いた看板はなんだか愉快だった。
尻手、知ってる? 他にもあったら、ぜひコメントに投稿を。
狙いだと分かっているが、つい写真を撮ってしまった
― 終わり―
mimichanさん
2013年10月13日 10時15分
櫻井澄夫が書いた「横浜の町名」の説はバランスがとれている。コメントされたかたがおられる「矢向」の「や」は一般的に「かわ」を指す場合が多い。矢沢とか矢口とか地名には多い。尻手も水に関係がある可能性が高い。北条泰時などは関係ない。こういうのを民間語源説といい有名人にすべて結びつける。いわゆるバスガイド地名学だ。
ひつきさん
2013年08月10日 22時52分
矢向も尻手も、鶴見川などの末端であることが由来だと、私は思っています。いまは舗装も海への埋め立ても進んでいるので海に近いとか低湿地っぽいとかいう印象はないですが、海抜からしていまもとても低いです。
とがでんさん
2013年05月10日 13時08分
尻手3丁目の尻手商店街には「しってるちゃん」というてるてる坊主のゆるきゃらがいるようです。