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かつて採石されていた鎌倉石って、どんな石?

ココがキニナル!

鎌倉周辺では昭和初期まで鎌倉石という石材が採石されていたそうです。どんな石なのか取材してください。キニナル。(にゃんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

水生砂岩の一種で、その希少性から別名「石材のダイヤモンド」とも。比較的柔らかいので、加工がしやすい反面、すり減りやすいという欠点があります。

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ライター:河野 哲弥

約100年で今の姿に、驚くべき風化の実態



境内の裏手に回ると、そこに偶然、同寺の造園を手がけていた「松中造園」の社長がいらっしゃった。そこで、鎌倉石についてのお話を、さらに詳しくうかがうことに。
 


朝比奈住職(左)と、松中さん(右)


松中さんによれば、同じ鎌倉石でも、地層の深さなどにより、硬い石と柔らかい石があるそうだ。当然、深い(歴史的に古い)地層から採石されるものが、その分圧力もかかっているので、硬くなる傾向にあるとのこと。


境内にある、かつての採石跡(硬い層一例)


ツメでひっかくとボロボロ崩れる、柔らかい層の一例


また、こうした層の境目から採石された鎌倉石には、その硬さの違いから「筋」などと呼ばれる現象が起こりやすく、それが何とも言えぬ風合いを醸し出すのだとか。
 


石畳にあった「筋」の一例、すり減り具合の違いにより、山のような形ができる


これらの鎌倉石、いったいどの程度古い地層から採石されるのだろうか。松中さんにうかがったところ、一概には言えないが、同寺駐車場の脇の地質調査をしたことがあり、そのときは約3億5千万年前の地層であったことが判明したそうだ。

こうした鎌倉石、現在では採石が許されていないということは、いずれ白河石などに替えられてしまうことになる。ところが住職によれば、国の指定史跡などに指定されると、同じ材質である鎌倉石を使って修復をしなくてはいけないらしい。ちなみに同寺も、国による指定を受けている。
そのような場合は、国の史跡に指定されていない建造物の解体などで得た鎌倉石を、施工業者がストックし、万が一の場合に備えているそうだ。




かつての採石跡はあるのか



住職や松中さんにお聞きしたところ、鎌倉近辺には、かつての採石場がいろいろなところに残っているそうだ。そのひとつが、鎌倉市に隣接する法性寺(逗子市)の裏山。さっそく場所を教えていただいて、訪ねてみることに。


法性寺の境内、墓地に隣接した裏山の様子
 

その内側には、人工的に削り取った跡がある
 

当時の石大工の屋号が掘られていた


社務所の方によると、昭和以降、鎌倉石に代わってコンクリートによる建築物が増えてきたので、大規模な採石は行われなくなってきたそうだ(現在では、採石自体禁止)。
従って、その時に必要な分だけを確保するこうした小さな採石場が無数に分散し、そのすべては把握しづらい状況にあるのだとか。ちなみにこの場所も、いつごろ採石されたのかは、不明とのこと。



鎌倉石についてのまとめ



鎌倉石とは、かつての鎌倉の海底に堆積した砂岩層が、隆起などによって地上に出現したもの。加工しやすい反面、摩耗しやすいのが特徴となっている。「ワビ・サビ」の思想が強い鎌倉禅宗の各寺社では、その風化具合が古寺の雰囲気とマッチし、石材として好まれていた。

しかし昭和後期になると、景観保護の観点から採石が禁止されたため、コンクリートや白河石などによる代替えが進んだ。今では、こうした改築・取り壊しなどで得られたわずかな鎌倉石が、一部の造園業社などに残されているのみ。従って、国から史跡指定を受けた寺社は、歴史的遺産を守らなくてはいけない反面、その石材の確保に苦心しているというジレンマを抱えている。

世界遺産への登録が検討されている鎌倉。こうした貴重な文化財を、いかに残していくかが問われる、今回の取材であった。


―終わり―
 

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  • 日本の石材が産出量に乏しいのは鎌倉に限ったことではないですが、ここの場合は三浦半島から多摩丘陵にかけての隆起の盛んな地帯の中にあるだけに、該当する地層が特に乏しくなってしまうのでしょうね。

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