鎌倉にいるタイワンリスは捕獲処分されているの?
ココがキニナル!
鎌倉の台湾リス問題、市も駆除に力を入れているようですが、捕獲されたリスはその後どうなるの?将来的に台湾リスバーガーなどが発売されたりする?(かにゃさん)/鎌倉へはどのような方法で来たの?(HALさん)
はまれぽ調査結果!
鎌倉の別荘地または江ノ島植物園で飼われていたものが逃げ出し、野生化した。特定外来生物法に基づき年間約500匹を捕獲。その後は焼却処分される。
ライター:吉岡 まちこ
どうやって捕獲している? そして捕獲後は?
それでは具体的には、どうやって捕獲しているのだろうか?
住民からタイワンリス被害の報告が入ると、鎌倉市では捕獲用の“わな”を無料で貸し出している。
市役所の裏に保管されているわな置き場に連れて行ってもらい、実際に見せてもらった。
わなは、いわゆるねずみ捕り器。100個用意があるそうだ
中の針金に餌を釣るし、おりの中で餌を引っ張るとパタン!とふたが勢いよく閉まる仕組みだ。
餌はバナナ、ミカン、サクランボなど果物のほか、スナック菓子でもいいそうだ。例えば、コアラのなんとかとか、カー○おじさんで有名なお菓子とか。
それをリスの通り道にしかけておく。冬場がかかりやすい
市では100個を用意しているが、貸出しの要望が多くこの日も在庫はわずかだった。2週間単位を貸出し期間としているが、20匹30匹と捕れ続ける所もあり、たいていが延長を希望するそうだ。
わなにリスがかかると市役所に連絡が来る。市役所は横浜市内にある捕獲専門の事業者に連絡し、回収を依頼。その日のうちに取りに来ることになっている。
専門事業者は、生きている状態を二酸化炭素で窒息死させ、市内二ヵ所のクリーンセンターに持ち込むのが業務。そして通常の燃やすごみと一緒に焼却処分されるという。
キニナル費用は…、自治体によって違うが鎌倉市では1匹につき1万円弱が処分費として事業者に支払われる。正直、え?(高い)と感じたのは筆者だけだろうか。
質問にあったタイワンリスバーガーの可能性は? 「200%ない」という答えだった。
タイワンリスがニホンリスの森に迫っている
ここで気になるのは、タイワンリスがどれほど生態系に影響があるのかということだ。
タイワンリスは、果実・種子・新芽を好むが、昆虫やカブトムシの幼虫なども食べる。また、鳥の卵やヒナを食べることもある。
筆者宅で実際にあったが、孵化して間もないメジロのヒナも食べられてしまった
ちなみにヒナを捕食するのはタイワンリスに限ったことではなく、日本固有種のニホンリスも同様だ。
繁殖力が強く、天敵のいないタイワンリスがこのまま増え続ければ、虫が少なくなる、野鳥が少なくなるという危険性も充分にあり得ると言われている。
さらにタイワンリスの生息地の拡大も問題だ。
三浦半島全域にとどまらず、鎌倉と緑地帯がつながっている横浜市の南部(金沢区・戸塚区・南区)と保土ケ谷区でも、昨年度は54匹の捕獲があったという。
3年前になるが、静岡県の伊東市からも「ミカンの山がひと山全部やられてしまった」と、鎌倉市に対策を尋ねる電話があったという。
タイワンリスの生息範囲は確実に広がっているようだ。
平成21年度までに個体が確認された地点(環境省外来生物法HPより)
「心配なのは、ニホンリスが生息している丹沢・箱根方面へ迫っていることです」と前田さんは言う。神奈川県のレッドデータ(絶滅のおそれのある野生生物について記載したデータ)では、ニホンリスは“このまま放置すれば絶滅危惧の恐れがある”レベルの一歩手前にある。タイワンリスは、もはや三浦半島だけの問題ではないのだ。
取材を終えて
鎌倉市ではタイワンリスは焼却処分されているので、タイワンリスバーガーになることはないとわかった。しかし、ロンドンでは、駆除を兼ねたリス肉が愛護団体の抗議を浴びながらも人気となっているという記事をネットで目にした。それには、アメリカから持ち込まれたハイイロリスのせいで、イギリス在来種であるキタリスが絶滅の危機にあるという背景があるようだ。
ちなみに、ニホンリスはもともと三浦半島には少なかったそうだ。タイワンリスが絶滅したからと言って、ニホンリスが代わりに増えるわけではなさそうだ。
― 終わり ―
Hiro-Cheungさん
2016年07月06日 14時48分
タイワンリスバーガー…なんか美味しそうなイメージ湧かないんですけど。実物を目にしているだけに、食べたいという気も起きない。なんなら、殺処分に1万円/匹もかかるなら、いっそタイワンリスバーガーを製造しそうな国に輸出するってのはどうか?
viva平塚さん
2016年01月20日 13時21分
クリハラリスって言うのか…
柴ラブさん
2015年05月19日 17時53分
家の庭では、蛇の青大将が子りすの鳴き声を聞きつけて飲み込んでいます(汗)