市営地下鉄桜木町駅で、一部の利用者が駅員さんに提示しているものとは?
ココがキニナル!
地下鉄桜木町駅改札のICカード改札以外に駅員の前に2つの通路がありますが、何かをかざしながら(目視)通り抜ける乗客がいます。あれはなんでしょう(あめまさん)
はまれぽ調査結果!
70歳以上向けの「敬老特別乗車証」と障がい者向けの「福祉特別乗車券」が大多数と考えられる。いずれも桜木町以外の駅でも利用可能なものだった
ライター:田中 大輔
2種類のカードが登場!
(つづき)
しかし、「桜木町駅は利用される方が多い駅なんです」と中丸係長。
市営地下鉄の駅の中で利用者数が最も多いのは、言わずもがなの横浜駅。注目の桜木町駅はこの2つの乗車券の利用者数が5番目に多い駅だそうで、駅の規模を考えるとかなり多い印象を受ける。
特に敬老特別乗車証利用者が多いそうで、背景には周辺に福祉施設が多いことや、駅近くの野毛などに昔から住んでいる人が多いといった土地柄があるのかもしれない。
また、これらの2つの乗車券以外に考えられる可能性として、交通局で発売しているみなとぶらりチケットが挙げられる。
もうひとつの可能性「みなとぶらりチケット」。こちらも自動改札では使えない
これは、ブルーラインの横浜駅から伊勢佐木長者町駅区間とその間の市営バスの一部路線、さらには「あかいくつ」全線が乗り放題となる500円のチケット。
桜木町駅も含まれているので、こちらの利用者もいるのかもしれない。
2種類の特別乗車券に迫る
ただ、数としては敬老特別乗車証と福祉特別乗車券が多いということなので、今度は健康福祉局に問い合わせてみた。
敬老特別乗車証は1974(昭和49)年に始まった制度で、市内在住の70歳以上の希望者に交付されている。
制度開始時は完全無料だったが、制度の見直しにより2005(平成15)年から所得に応じた負担金を支払っての利用となった。
お年寄り向けの乗車証。性別によってカードの色が違う
ただし、障がいのある利用者は負担金が無料になる。後述の福祉特別乗車券は69歳までが利用可能なので、70歳を過ぎると障がい者もこちらを利用することになっている。
平成23年度の交付者数は、33万5127人で対象者の6割近くにまで上っているそうだ。
もう一方の福祉特別乗車券は市内在住の身体障がい、知的障がい、精神障がいのある人を対象に、およそ5万人に交付されている乗車券だ。
こちらは1963(昭和38)年に開始された制度で、この10月から少し規定に変更が加えられた。
10月からデザインが変わった障がい者向けの特別乗車券。画像は最新のデザイン
(画像提供:健康福祉局)
これまで、1~4級の障害者手帳を持っている人、知能指数50以下の人、1~3級の精神障害者保健福祉手帳を持っている人で、かつ70歳未満が対象だったが、10月からは知能指数51~75の人まで交付対象が拡大された。
また、年額1200円(20歳未満は600円)の負担金が導入されている。
2つのレーンの秘密
こういった市の施策を受け、市営地下鉄の駅にはすべて有人改札を設けて駅員さんを常駐させている。
実は有人改札の上には「福祉関係乗車証」の文字がある
ちなみに、2つ目のレーンを通っていることに特別な意味はなく、駅員側の方でも構わない。
観光客の多い桜木町駅では、駅員さんに道を訪ねる利用者も少なくないんだそうだ。
そういったお客さんへの対応中でも、今回紹介した乗車券を使う人がスムーズに通過できるように、と2レーンになっているとのこと。
フェンスで分けられた2つレーンがある
ただ、ほかの駅との統一などの点で、今後は広めのレーン1本に改修することも検討されているそうだ。
取材を終えて
というわけで、自動改札を通らずに駅員さんに見せていたものの正体は、その大部分が敬老特別乗車証と福祉特別乗車券だったようだ。
このほか、こども青少年局が交付している、児童扶養手当受給世帯・母子生活支援施設入所世帯向けの無料特別乗車券もあるそうだ。
いずれもサポートの必要な人に向けた市のサービスで、市営地下鉄も当然それに協力しているというわけ。
自動改札を通らずに行き来する人の姿は、民間の鉄道会社とはちょっと違う、市営地下鉄ならではの光景だったというわけだ。
―終わり―
※交通局からのお知らせです。
◆はまりんフェスタin新羽
日 時/2013年10月26日(土)10時~15時(入場は14:30まで)
場 所/横浜市交通局新羽車両基地
入場料/無料
詳 細/http://www.city.yokohama.lg.jp/koutuu/event/hamarin2013/
南区のはまりんさん
2013年10月15日 12時37分
高校の就業体験で市営地下鉄の駅務員やったときも、ひっきりなしに敬老パスの方が来たような。
円海山さん
2013年10月15日 11時30分
私も「敬老特別乗車証」を昨年より交付してもらって使っていますが、支払い金額を12ヶ月で割るとバス往復を月に2回乗すれば何とか元が取れるというところです。しかも昼間の私が利用する路線は同様の方でいっぱいで杖を突いていても座れない事さえありますので、次年度の支払い用紙が届いていますけど 申し込むかどうか悩むところです。人によっては路線バスと地下鉄を乗り継いで時間かけて無料で横浜へ行くと言う方法を取られると聞きましたが時間のロスと乗り換えの時の階段の上り下りが足を痛めている者には苦痛です。引きこもりがちなので、無理しても外出しようと自分を励まして利用させてもらっています。
カレー南蛮さん
2013年10月15日 11時11分
「こども100えんきっぷ」も有人改札を使ってますね。http://www.city.yokohama.lg.jp/koutuu/kigyo/bus50sub100/