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石川町駅ホームにある銀色の金庫のようなものの正体とその中身は!?

ココがキニナル!

根岸線石川町駅の大船方面のホーム中央付近に、銀色の金庫の様なものがあり、これには一体何が入っているのか調べて下さい。毎日キニナリます。(keinakatさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

列車の運行に関わる信号通信関係の機器が入っている「信号器具箱」ということ以上は保安上の問題から踏み込めないが、いくつかの駅にも同じ箱はある。

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ライター:永田 ミナミ

関内駅の箱


関内駅で降り、石川町駅と同じ食パン型の箱を探してみたものの見つからないな、と思っていると、見覚えのあるコードナンバーを持つ箱が現れた。
 


石川町駅とは異なりほとんど直方体に近い鋭角的なデザインの箱を発見
 

横から見ると、わずかに食パン型の名残りをとどめる屋根型の形状


関内駅の箱はまぎれもなく「グレー」だ。箱側面には石川町駅と同じ「C」のマークと、その下には謎の暗号群。ただしいちばん下には「表示灯」とあるので信号に関するものらしいことがわかる。
 


関内駅のコードナンバーは「2K845」だ
 

2K845もやはり背後からケーブルの束が伸びている


関内駅でもホーム中央に置かれているのは、石川町駅と同様にホーム両端に出口階段があるからだろう。
 


直方体に近いため、平らな前面は案内板としても機能


石川町駅の箱と関内駅の箱はデザインが異なるが、両側面が開くようになっていて、把手は南京錠で施錠されているという点は共通している。
 


関内駅の箱にはグレーに塗られた「昭和57年8月製造」の刻印プレート




新杉田駅の箱

続いて新杉田駅へ向かった。電車を降りて石川町駅、関内駅と同じようにホーム中央を中心に探してみたが箱は見当たらない。
 


どこにあるのだろう、と歩いていくと、遥か遠くに何かが見えた
 

ひょっとして、と思って近づいていくと
 

おお、それは見覚えのある箱だった


新杉田駅はホームの反対端の一方にだけ改札がある。しかも新杉田駅のホームには関係者以外立入禁止にするほどスペースに余裕がある。
 


フェンスにしっかり守られ、静かな環境で仕事をこなす新杉田の箱
 

箱の両側面が開き、南京錠で施錠されるのは新杉田駅も同じ


かたちは関内駅と同じ直方体に近い鋭角的なデザインだ。ただしコードナンバーは付されていない。ここでは仮のコードネームとして「列防」と呼ぶことに。
 


列防の側面にも暗号群が書かれているが漢字が多くなって多少わかりやすい


ズームで寄った写真を拡大すると列防は1995(平成7)年9月製造らしいことがわかった


列防、列防と呼んでいたら、だんだん「列坊」と呼んでいるような気がしてきて情が湧きそうになったので、豪邸暮らしの「列坊」に別れを告げ、新杉田駅をあとにした。

関内駅と新杉田駅の箱を見てわかったことは、すべての箱に「C」の文字があり、関内駅の箱には石川町と類似したコードナンバーが付され、新杉田駅の箱には「列防」というコードネームがあたえられているということだ。

そこで再度、JR東日本横浜支社に問い合わせてみると、「C」は「CASE」の頭文字、そしてコードナンバー「3K800」、「2K845」は、根岸線の基点駅である横浜駅からの距離だということだった。
 


つまり石川町駅は横浜駅から3.8km
 

そして関内駅は横浜駅から2.845kmということを示しているわけだ


さらに「列防」についてもきいてみたが「安全上の関係で正式名称のほうはご容赦願いたい」とのことだった。

調べていくと「列防」はどうやら「列車防護装置」の略であるようだが、公式には非公表である。
 


「列防」が本当に正体不明のコードネームだったとは


箱側面のプレートについても調べてみたところ、関内駅、新杉田駅の箱を製造した株式会社西村電工は、1948年(昭和23)年創業で、創業以来国鉄、JRを中心に、電気関係の機器収容箱、配電盤、配線盤、諸表示灯、等々の設計、製作、販売をおこなってきた都内の会社として確認できた。しかし、最年長の石川町駅ベテラン箱を製造した金井工業株式会社については、同名の会社はいくつかあるものの、どの金井工業株式会社も鉄道事業とは関係がなく、残念ながら現存していないようだ。



取材を終えて



今回、石川町駅の箱を出発点として、関内駅、新杉田駅の箱、いやケースにも出会うことができた。しかし、色だけでなく重厚さやクラシック感も含めて石川町駅のケースが群を抜いて存在感があったのは言うまでもない。

ただ、石川町駅と同じ1964(昭和39)年開業の関内駅の箱が1982(昭和57)年製造、1970(昭和45)年開業の新杉田駅の箱が1995(平成8)年製造となると、石川町駅のあの勤続50年のベテラン箱もやがて交換される日が来るかもしれない。元気なうちに3K800に会えてよかった。
 


気まぐれに降りたら山手駅にもホーム端に2002(平成13)年製造の真新しい箱があった


ちなみに、ホーム上にケースがなくても、すべての駅に同じ装置は設置されており、今日も明日も列車の安全な運行のために信号を送り続けている。発車オーライである。


―終わり―
 

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  • GM(グリーンマックス)でも似たようなのがあるので再現できるかも

  • これ、東神奈川の車庫にいっぱいありますよ

  • 磯子、洋光台、大船それぞれへの延伸日がいつかをちゃんと調べて記事を書いたほうがよかったですね。

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