年間赤字3億円! 放置自転車が横浜市の財政を圧迫? 市の対応は?
ココがキニナル!
横浜市で一年に何台の自転車が保管所に運ばれる?その自転車はどうなる?元の持ち主に何パーセント戻り、持ち主が現れなかった自転車のその後も調査して下さい(横マリさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
各種施策で放置自転車は年々減少傾向にあるも、約6万6000台が放置され、年間約3億円という財政赤字の原因となっている
ライター:はまれぽ編集部
どんな対策を取っているの?
「市では計画表を作成し、駅ごとに放置自転車の撤去作業を行っています」という富井課長。駅によっては、ほぼ毎日行うところもあれば、2ヶ月に1回程度のところもあるなどまちまちだが、各駅に「自転車マナーアップ監視員」という民間委託の職員を配置し、自転車の放置はもちろん、二人乗りやスピードの出し過ぎなど、歩行者にとって危険な走行にも目を光らせている。
さまざまな行為に目を光らせる監視員
実際の作業は放置されている自転車に市が委託した民間業者が「警告札」を張る。
「警告札」の実物
作業には市職員も同行し、札には後々トラブルにならないように、自転車の破損やカゴがある場合は、ごみと思われるような中に入っているものも細かくチェックする。
一度のチェックにかかる時間は、およそ1時間。見回りが終わった後はトラックがやってきて、すべてのチェックが終わっても持ち主が現れない場合は、撤去し、各保管場所に移動する。
なかにはワイヤーチェーンで電柱などに括り付け散るケースもあるが、この場合はチェーンカッターを使う。切ったチェーンは自転車とともに保管しておく。
道路標識のポールに括り付けてある自転車も
実際の撤去作業の様子
撤去後は、撤去したことを知らせる文書を路上に張っていく。
撤去を知らせる張り紙
年間3億円近い赤字
放置自転車の数は年々減少傾向にあるというが、昨年度持ち主の元に戻る割合は、毎年ほぼ変わらず6割程度。昨年度は63%の約4万1380台だった。
撤去された放置自転車は以前にも報告した通り、保管期間の2ヶ月を経過した自転車については、再利用に耐えうるものは市が入札を行う。
多くの自転車や原付が保管されている(写真は西区緑町保管所)
入札は月に1度。入札にかけられる自転車は年約3600台で、1台平均3000円前後で売却されるそう。売り上げはトータルで1000万円ほどとなるが、再利用できない自転車は廃棄処分され、その処分費は年間数百万円に上るという。
部品が破損し、電気系統がない原付も・・・
また、ゴミと思われるようなものもそのまま撤去しなければならないため、廃棄処分の際は、そのゴミの処分費もかかる。
このゴミの処分も市民の血税で処分される
入札の売上が処分費を上回った場合は市の歳入として扱うが、トラックの車両維持費や人件費、保管場所の運営費などを合わせると昨年度の経費は約3億円。
2010(平成22)年度の4億円に比べると減少しているが、放置自転車が減少している分、処分にかかる費用が抑えられたことなどが要因。
それでも富井課長も「入札で得た額では到底、処分費をまかないきれない。トータルで見れば大赤字。ただ、自転車を放置する人がいなくなれば、この分の市民から頂いた税金をもっと有効活用できるということを知ってほしい」と訴える。
同課には毎日のように「駅前に駐輪場を増やしてほしい」という電話があるというが、富井課長はこれにも疑問を呈していた。
駐輪場増設を望む声が多いという
富井課長は「駅前に駐輪場を増やすことが、街づくりの正しい在り方なのか。病院や商業施設といったものの方が市民に望まれるのではないか。ましてや駅前の一等地を市が買い取るとなれば費用もかかる。それこそ、ほかの事業に回したほうがいいのではないかという考えもできる」という。
さらに「自転車用利用が増えればバスの運行本数が減ることも考えられる。となれば、高齢者や障害者など自転車を利用できない方々がますます不便になる。そういったことも考慮しなければならない」と加えた。
さまざまな角度からの検討が必要
取材を終えて
富井課長の言葉は厳しいようだが、真実の一部を捉えていると思う。
横浜市では、ほかの自治体に比べ「横浜みどり税」など特別に上乗せされる税金が多く、市民は増税のたびに声を上げてきた。
しかし、われわれが振り返ってみると身近なところで節税につながる行動を取れるということを認識してほしい。
「みんなが止めているから」「私一人だけなら」と一人でも思っているのなら、節税の実現はまだ先かもしれない。
―終わり―
やおっちさん
2016年01月07日 13時20分
結局きれいごとを並べているうちは、抜本亭改革なんてできません。無料駐輪場は絶対に必要です。世の中、車や公共交通機関を利用できるようなお金持ちだけしかいないと思ってもらっては困ります。きれいごとでは済まされない切迫している人たちを中心に放置せざるを得ない状況があるからこそ、取り締まりだけでは減らないのです。2位が4位になって何が改善だ!!!
とんさん
2014年11月02日 15時52分
放置は論外だと思います。駅前にあんな大きなものを不法投棄するなんて、常識を逸脱している。駐輪場を増やして欲しいという市民の声は、放置自転車の問題とは全く別のものに感じます。一昔前、駐車場のないコンビニが国道沿いに建ち並び、路駐が渋滞の原因になっていた。それと同じことが駅前で起きている。駅前の商業施設や商店街は、駐車場は完備しても駐輪場は無かったりで、まだまだ努力できる部分はあると思うし、難しい問題だとは思うけれど、時間を掛けて解決して欲しい。
ほっとさん
2014年09月25日 12時11分
放置自転車の多くは盗まれたものが多いとおもう うちは 二十年間で四台も盗まれました。数回、放置自転車の管理している人たちの電話うけ戻ってきたため、とても感謝してますが・・・生活により必要な人、体弱いひとにはとても重要なものだったりします。ところで書かれてませんが、東北の賑済寺ね東北の自治体と横浜市に問い合わせし、放置自転車二百台ほど被災地に送られてます。こうした地道な活動は必要だと思うのと自転車の車体を改造し、後ろに人三人分は横になって運べる二台設置した運搬車みたいなもの作って 各自治体の各地に配備したらどうだろ 災害対策として、コストかからず多量運搬に最適で こういったものつく手おき 地方での災害時に送る計画もしておけばいいと思う