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大船駅バスターミナルに出没する小さなバン「小雀乗合バス」はどうやって運行されたの?

ココがキニナル!

大船駅で見かける「小雀乗合バス」という小さなバンが気になっています。どういう経緯でできたの?他でも要望により運航してもらえるの?(こうなんぼうさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「小雀乗合バス」は横浜市道路局の地域交通サポート事業の中で実現!申請することで新たなバスが運行される可能も

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ライター:大和田 敏子

「こすずめ号」の実態は? バスを運行する株式会社共同を直撃!



現在のこすずめ号について知るため、運行している株式会社共同でお話をうかがうことに。
 


「株式会社共同」 代表取締役、森朝彦さん

 
こすずめ号に関わるようになったきっかけは、小雀町内会の会長から直接、バス運行の相談があったことだという。他社に依頼してもうまくいかないということだったし、地域のつながりもあるので、無下に断ることもできず、実現に向けてその後の話し合いにも参加してきた。
小雀地区には、かなり道幅が狭く、車のすれ違いが厳しいようなところもあり、ドライバーの立場からは運行ルートにしてほしくないところもあったが、地域の強い希望もあって現在のルートになったという。
 


道幅が狭く、カーブや起伏のあるルートは、ドライバーへの負担も大きい

 
バスの運行間隔を短くしたり、時刻通りにバスを運行したりするため、また、トラブルがあった場合に対処できるようにと、3台のバスを用意している。専任で3名のドライバーがいるが、運転技術が確かで、人間的にも信頼してもらえるドライバーの選任にも気を遣っているそうだ。
また、13人定員なので、乗り切れない場合はすぐに連絡しタクシーを手配し、バス運賃で乗車できる体制をとっているという。
 


取材時、こすずめ号は発車時間の5分前には到着(詳細はあとで紹介)

 
1日の平均乗車客は140人程度。始めた以上、何とか継続してやっていきたいと思い、続けてきているが、当初より乗客数が減少傾向にあるため、採算がとれない状態になっているそうだ。乗客増加のために苦慮したり、近隣で同様な乗合バスを運営することで実質的なコストダウンにつなげたいと検討をしたりしているが、うまくいっていない。
「横浜市の財政支援を受けられないため、運営は厳しい。土日の乗客数が、もう少し増えてくれるとありがたいんだけどね」と森社長は話す。
利用者から感謝され、旅行に行った時などには、運転手さんにおみやげをくださる方もいるというほど、地域の方々と信頼関係を築いている同社だが、社長の話をうかがう中で、企業としての利益を確保することの切実さが伝わってきた。



実際の「こすずめ号」の様子は? 



日曜日の午前11時20分、大船駅発のバスを待った。
 


大船駅東口バスターミナル。こすずめ号は左隅
 

こすずめ号 大船駅の時刻表
 

乗客を待つこすずめ号

 
発車予定時間の5分ほど前に、バスが到着し、2~3人の乗客が降りた。乗車したお客さんは2人だけだったが、一緒に乗車し、少しお話をうかがうことに。
ふたりは、平日にこのバスを利用することはなく、休みの日に飲食などの予定がある時に、利用するそうだ。バス運行開始前にアンケートがあったことも覚えているという。
 


「バスができて便利になった。戸塚へ行くルートもあればもっといいですね」

 
ふたりが降りた後、運転手の方にも話をうかがうことができた。
 


ドライバー歴35年の石井貞夫さん

 
石井さんは、こすずめ号の実証運行の時から約6年間、専属のドライバーを務めている。乗客が多いのは、平日の午前7~8時の通勤時間帯や午前9~10時くらいの年配の方が利用する時間帯だという。昼間は7割が年配の方だそうで、平均的には往復で7~8人が乗車するといった感じのようだ。休日は乗客が少なく、乗客が一人もいない時もあるという。
 


こすずめ号は基本的に循環バスだが、一部、山谷下(さんやしも)止まりのものもある

 
「お客さんからは、バスができて助かっているという声をよく聞きますし、今まで出かけなかった人が出かけるようになったと聞いたりすると、うれしいですね」と石井さん。
通院や銀行・郵便局などへの用事、買い物などに利用する方が多いようだ。
この後、バスを降りて、実際にバスルートを歩いてみたが、既存のバス停まで道のりは遠く、20分以上は確実にかかった。周囲は緑が多く、気持ちの良い環境だが、日常的にこれだけの距離を歩くとなると、特に高齢者にとっては困難だろうと実感した。
 


小雀地区には、緑豊かでのどかな風景が広がる

 
平日の午後2時台、大船駅で再びバスを待ってみる。この時は降車する方が4~5人。乗車されたのは2人だけ。
「買い物などで、よく利用します(30代女性)」「病院の行き帰りに使っています(60代女性)」と言い、ふたりとも、「このバスができて便利になりました!」と話していた。
 


今日も発車時刻の5分以上前から乗客を待っていた!

 


取材を終えて



地方では特に、過疎化や高齢化が進んで赤字バス路線が多くなり、自治体がその赤字を補てんするのは限界にきている。そうした中で、横浜市の地域交通サポート事業のようなスキームでバスの運行しようとするところは、全国的にもほとんどなく、交通問題の専門家からも高く評価されているという。確かに、自治体の支援だけに頼るのではなく、地域が主体となって課題を解決し、地域に合った交通手段を作っていくというこの方法だと、住民にも自分達でやっていこうという意識も高まり、より継続しやすくなるのだろう。今後も、この事業を利用して、多くの地域の交通の不便さが解消されることを期待したい。
 


今後の展開にも期待したい 


さらに、せっかく便利になった地域の交通手段をスムーズに継続できるように、市や地域、事業者が理解し合い、協力できる体制の強化も必要となってくるだろう。

―終わり―
 

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  • ここは他方からは特段の用がない限り行かない地域です ⑦小雀浄水場前近くの「支那そば家」(戸塚駅西口にある故佐野実氏の店とは無関係)があるので、ラーメン好きな方は行ってみたらいかがでしょうか?

  • 高齢化が進んでいる茅ヶ崎市では平成14年から「コミュニティバスえぼし号」が運行されています。http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/road/eboshi/001592.html坂が多く、駅から遠い場所にある住宅地が多い横浜でも「こすずめ号」のような小型バスが各所でたくさん走るようになってほしいですね。

  • 大変な取材努力ご苦労様でした、若かりし頃、高所に造成された団地に新築し住むことが夢の時代もあった。年老いて平場に住む感謝の毎日、この街でよかったと 思う今日この頃です。

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