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横浜市内の動物園にいる猛獣が脱走することはあるのか!?

ココがキニナル!

ある動物園が猛獣の脱走を想定した対策訓練をやっている映像を見たことがあります。市内の動物園でも同様の訓練をやっていると思うので、どんな様子なのか気になります(だいさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

まずは脱走させないように、フェンスや堀、電柵などを含めハード・ソフト両面で徹底管理。万が一の場合に備え、年に1回の訓練が行われている

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ライター:田中 大輔

職員総出で訓練開始!



さて、動物園がハード面においてもソフト面においても、動物が逃げ出さないように徹底した管理を行っていることは分かった。それでも、万が一に備えて訓練が行われている。

キニナルにある通り、ズーラシアや野毛山動物園、金沢動物園はもとより、全国の動物園でこういった「脱出動物捕獲訓練」が行われているそうだ。
 


今年の訓練ではライオンが脱出した。中身は新人飼育員さん
(画像提供:よこはま動物園ズーラシア)
 

市内の動物園の場合、訓練は年に1度、比較的時間に余裕のある時期の休園日に行われることが多い。その日は出勤調整をしてすべての職員が参加するそうで、動物園の正規職員だけでなく、委託された警備会社の警備員や受け付け業務を行う職員まで、総出で行われる。
 


もちろん無事に捕獲されました(画像提供:よこはま動物園ズーラシア)
 

訓練は、動物愛護管理法によって定められた「特定動物」のうち一種が逃げ出したという想定で実施。

先述の通り、「特定動物」とは「人間に危害を加える可能性のある動物」ということで、パッと頭に浮かぶライオンやトラといった肉食の猛獣だけでなく、体が大きく力の強いゾウやサイ、類人猿から猛禽類まで多くの動物が指定されている。
 


こちらは特定動物の分かりやすい例、アムールヒョウ「ダッシュ」
 

草食だがキリンやサイも特定動物。写真は金沢動物園
 

チンパンジーなどの類人猿も特定動物に入っている
 

動物が逃げ出した場合、捕獲に向かう職員は車を使って脱走犯を逃げにくい場所に追い詰めていく。車は特別な仕様のものではなく、一般的な車両。

袋小路に追い詰めた後は、麻酔銃などを使って動物を動けなくするというのが基本的な流れだ。動物の種類によって捕獲方法が大きく変わることはないのだそうだ。
 


とは言え、この子たちが逃げた場合は麻酔を使わずタモで捕獲する
 

しかし、最低限の基準は設けているものの、相手は動物なので脱走犯の種類や状態を見ながら臨機応変に対応することが重要だと齋藤さん。

「脱走した動物も、知らない場所に来てしまい不安だと思う。逃げたからと言って殺すとは考えず、安全に元の場所に戻してやりたい」とのことで、いざというときにしっかりと行動できるよう、この訓練は欠かせないと話してくれた。



脱走事件に遭遇したら



もし、自分が動物園に行っているときに、脱走事件に遭遇したら。
齋藤さんは「脱出しそうな動物を見つけたら、警備員でも掃除の人でもいいので、すぐに近くのスタッフに知らせてください」と言う。
 


人気者のチーターだが、もしフェンスを超えてきたら・・・
 

当然、スタッフ全員で捕獲に向かうわけではなく、お客さんの誘導をするスタッフもいるので、いざというときはその指示に従うことが大切だ。誘導スタッフたちも訓練に参加して、その役割をきちんと把握している。

ズーラシアの場合は、エリアごとを区切る大きな扉があり、いざというときはその扉を閉めて、脱走動物を限られた場所に留めることになる。
 


ズーラシア入口付近の大扉。有事にはここが閉鎖される
 

この通路の正面も扉になっている。園内には何ヶ所かこういった場所が
 

お客さんはその扉の向こう側へ避難することになるので、間違ってもスマホを向けて写真撮影を楽しんだりしてはいけない。

「遠くにいるように見えても、動物の動きは予想できません」と齋藤さんは話す。脱走したからといって、動物が開放感を感じているとは考えにくく、むしろ不安にかられて攻撃してくることもあり得るそうだ。

だから、もし現場に居合わせた場合は、余計なことはせずにスタッフに従って避難しなければいけないのだ。



取材を終えて



当然ながら、安全対策は力を入れてやっている部分だと齋藤さんは言う。

「天変地異でも起きない限りは、なにも起きないのが動物園。そう思ってもらえるようにするのが、危険な動物を飼っている施設の責任だ」と続ける。

まずは、なにより動物を脱出させないこと。
それでも万が一逃げてしまった場合は、訓練で培った方法でお客さんにも、スタッフにも、そして動物にも被害を出さないように捕獲する。

来園者が安全に動物園を楽しめるよう、動物園のスタッフたちは日々の管理や訓練に余念がないというわけだ。


―終わり―
 

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  • 知ってはいても、改めて写真付きの解説を見ると、安心します。

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