総工費120億円? 横浜市交通局が特許を所得して進めている地下鉄のリニューアル工事って、何をしているの?
ココがキニナル!
横浜市交通局が特許も取得した新素材でリニューアル工事をやっているそうだけど、いったいどんな工事? 総工費はいくらなの?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
臨海部を走る三ツ沢下町~吉野町間を、市職員と岐阜県のメーカーが共同開発して特許を取得した枕木に更新。トンネル補強も含め総工費は約120億円
ライター:はまれぽ編集部
コスト削減と耐久性向上に期待!
「新素材補強マクラギ」が塩害に強いことは前述の通りだが、コスト面ではどうか。さらに詳しく天野課長に聞いた。
天野課長によると、「新素材補強マクラギ」は従来の枕木に比べて2倍ほどだという。
しかし、レールは枕木のほかに左右2本のレールを枕木に結び付けて軌間(=左右のレールの間隔)の保持などを行う「締結装置」というものが必要になる。
レールと枕木、締結装置を含めた線路のイメージ(提供:横浜市交通局)
交通局ではこの「締結装置」に着目。電気を通しにくく、費用も抑えられる「新素材補強マクラギ」に適した締結装置を採用した結果「新素材補強マクラギ」と締結装置を合せると約1万8000円となった。
従来品は枕木と締結装置を合せて1万4000円ほどだが、耐久年数は約30年。これに対し、「新素材補強マクラギ」のセットは50年だといい、市は60年を超える長期的なスパン考えるとコストを削減できると試算している。
「新素材補強マクラギ」に更新された現場(提供:横浜市交通局)
トンネルもリニューアル
海水でさびるのは枕木だけではない。横浜市交通局は枕木のほかにも2022年度末の終了をめどに、約90億円をかけて塩害に強いトンネルのリニューアル工事も同時に行っている。
現在は2015(平成27)年6月15日に始まった横浜~高島町間の下り線「平沼町シールドトンネル」の工事を実施。今後は2018年度に桜木町~関内間の上下線「大江橋シールドトンネル」、2021年度に横浜~高島町間の上り線「平沼町シールドトンネル」に着手する。
リニューアル工事完了後のイメージ(提供:横浜市交通局)
いずれの工事も、終電から始発までの間に行うため、ダイヤに支障はない。
天野課長は「安心して市営地下鉄を利用してもらうために必要な投資と考えている。『新素材補強マクラギ』とトンネル工事で安全を確実なものにしたい」と話している。
取材を終えて
公共交通機関には、たった1回の事故も許されない。
「総額120億円の工事」と聞くと、採算やコストなどに目が行きがちだが、必要な工事であることは間違いない。
「確実に安全な」市営地下鉄実現のため、迅速で適切な工事を望みたい。
―終わり―
狐猫さん
2015年08月24日 10時50分
今後、各地の鉄道で利用されると良いですね。日本全国では、火山地域や海底、河川、などの近辺での長距離区間で利用できそうな気がします。そして日本の各地の鉄道が今までよりも、もっと利用しやすくなればよいと思います。
nobbysさん
2015年08月22日 15時12分
枕木だけでなくトンネルリニューアル大歓迎です。横浜駅を利用するといつも鼻を突く異臭に苦しんでたので…ただリニューアルした後も異臭がしないように原因を究明し対策して下さいね市営地下鉄さん。
歳三さん
2015年08月22日 15時11分
公務員の方が公務で開発にたずさわって、個人名で特許に名を連ねるってなんか違和感ありますね。