伐採するのは何本？

「できるだけ伐採する木が少なくて済むよう計画を立てています。伐採予定は今のところ約50本ですが、2016（平成28）年1月26日現在、34本の桜を伐採しており、道路とつなぐあたりの残り16本については、細かく精査しているところです」と同建設課の担当者さん。
　

撤去の様子（提供：瀬谷土木事務所）
　

道路整備イメージ図（提供：横浜市道路局）

　
伐採を行うだけでなく、新しく桜を補植することも検討しているそう。「桜の名所ですし、桜を楽しみにされている方もいらっしゃるので、そういったご意見もお聞きし、交通の安全性の確保を図りながら、桜を補植する検討を進めていきたい」と担当係長。
　

桜並木が続く（提供：瀬谷区役所）

　
海軍道路の桜はソメイヨシノだ。ソメイヨシノは低い位置に枝を張るので、同じ桜でも上に伸びる樹形や虫に強い品種、そして花の咲く時期や色合いなど、専門家に相談して補植する桜の候補を検討しているそう。

概略が分かったところで、現地を見に行ってみた。

工事は着々と進んでいた

まず行ってみたのは、環状4号線の目黒交番前の交差点。
　

環状4号線の目黒交番前の交差点
　

旧国道16号線を迂回して海軍道路に入る
　

目黒交番前の交差点の先は工事中
　

目黒交番前の交差点から海軍道路入口までびっしり車の列

　
このあたりは倉庫や工場が多いため大型車の割合が高く、余計に混雑しているように感じる。
　

海軍道路も旧国道16号線につながる手前は渋滞していた

　
海軍道路入口を曲がると、左側の歩道が通行止めになっていた。
　

2016（平成28）年1月12日からこちら側の歩道は使えなくなっている
　

鉄塔が環状4号線と完全につながるあたり

　
歩道が通行止めになっている先の桜が伐採されていた。
　

工事車両の入口を除き、歩道はフェンスで囲まれている

　
合流はかなり手前からはじまって、鉄塔の先あたりで環状4号線と海軍道路が完全につながる。新しい交差点などをつくるため、通行状況の視認性を確保するなどの必要があり、合流地点だけでなく、周辺の桜も伐採が必要なのだろう。
　

すぐ向こうに整備がほぼ終わった環状4号線のアスファルトが見えている
　

合流するあたりの工事
　

フェンスを覗き込むと切株があった

　
環状4号線を海軍道路とつなぐ工事は、2015（平成27）年度中末に開通予定。ということは、今年のお花見シーズンには開通がぎりぎり間に合うかもしれない。

ここで散歩されていた方にお話を伺ってみた。
　

STさん（左）&MTさんご夫妻

　
「ここの桜を毎年楽しみにしています。たまに見に来るのが遅れて葉桜になっている年もあるんですよ」と笑顔のSTさん。桜の伐採や補植について伝えると「桜を残してほしいという署名運動もあったと聞いています。瀬谷区一番の名所ですもんね」と教えてくれた。

歩道を歩いていると、満開の桜並木をモチーフにしたプレートがところどころにある。
　

桜並木が愛されていることが伝わってくるプレート

　
上を見上げると桜の枝には、小さなつぼみがいっぱいについていた。
　

これが膨らんで花開くころ、開通が予定されている

　
海軍道路と環状4号線がつながる部分あたりには小さな広場を作ることも検討されているそう。今までゆっくり桜を見る場所があまりなかったが、そうした場所ができたら少しのんびり桜を楽しめるようになりそうだ。

取材を終えて

環状4号線整備に伴う海軍道路の桜伐採は、地域への説明を経て、移植の検討も行った結果、必要最小限となる約50本が伐採される予定。

海軍道路全体の桜は450本程度なので、伐採されるのは9分の1程度。海軍道路入口から入ってすぐにある桜のアーチが一部なくなってしまうのは残念だが、新たに桜を補植する検討も進めている。

桜の名所として今後とも楽しめそうだ。


― 終わり ―
　

横浜市道路局　環状4号線関連資料
http://www.city.yokohama.lg.jp/doro/kensetsu/kan4/kamiseya/
http://www.city.yokohama.lg.jp/doro/kensetsu/kan4/kamiseya/douroseibijigyou.pdf
http://www.city.yokohama.lg.jp/doro/kensetsu/kan4/kamiseya/cgimage-hi.pdf