段葛竣功式

　

竣功式はこのような順序で進んでいく
　

祭場を祓い清める
　

見守る人々。洋菓子店の2階は観覧席となっていた
　

　

そして神様にお帰りいただき、竣功式がつつがなく終了
　

続いて二の鳥居から三の鳥居へと列次を整えて進む通り初めへ
　　

纏持ちはやはり見栄えがして格好いい
　

そして中村吉右衛門さんが登場すると沿道からは拍手が起こり
　　

通り初めがゆっくりと進みはじめた。参列者も1列ずつ立ち上がって列に加わる
　　

こちらは段葛の中ほど。先頭を「御紋章高張（ごもんしょうたかはり）」が進んでいく
　　

続いて青竹
　　

神主が進み、そのあとに纏と木遣り
　　

そして中村吉右衛門さんといった具合に通り初めは続く
　　

　
　　　　

境内へ、そして奉納の舞

　

そして、纏が威勢よく段葛を通り抜け
　

通り初めの列はいよいよ境内のなかへ
　

三の鳥居周辺も通り初めを一目見ようと多くの人が集まっていた
　

ミス鎌倉のみなさんとも再会
　　

通り初めの列が境内へと進んだあとはしばし閉鎖


そして舞殿を囲む人人人
　　

階段も観客席となり
　　

人間国宝、中村吉右衛門さんの舞を待つ
　

一方そのころ、二の鳥居前では一般の方の通り初めに向けて準備が進められていた。
　

手際よく椅子やテントが片付けられ
　

まっさらな段葛の美しさ
　

そして午後2時30分過ぎ、開放されるとあっという間に人でいっぱいに
　

桜の写真を撮ったりしながら、それぞれの通り初めを楽しんでいた
　

再び舞殿にカメラを戻すと中村吉右衛門さんが登場。二例二拍手一拝ののち
　

雅楽の調べとともに奉納の舞「延年の舞」がはじまった
　

「延年の舞」は「寺院芸能の一。平安中期に興り、鎌倉室町時代に最も栄えた。延暦寺興福寺などの寺院で、大法会のあとの大衆（だいしゆ）の猿楽や稚児の舞などによる遊宴歌舞の総称（大辞林）」とある。

そして奉納の舞が終了
　

続いて鎌倉鳶職組合による「木遣り奉納」へ
　

そして舞殿南側では宮司談話が発表された
　　

「老朽化による工事には1年半かかりましたが、無事に終えることができました。本来参道は聖なる道ですけれども、それに加えて現在では生活道路としても多くの方に慣れ親しまれていますので、新しいかたちでみなさんに喜んでいただけるようにと思っております。費用は7億1400万円ほどです」

以前の砂利が敷かれていた段葛は、ところどころ窪みができて雨が降るとその穴に水がたまるなどしていたため、今回の改修では、生活道路としての側面を考慮して、より歩きやすい段葛になるよう舗装することにしたという。

また、植栽のソメイヨシノは、木が大きくなると必然的に根も大きくなり、そうなると石組みなど遺跡部分を分解しなければならなくなるため、この大きさになっている。

前回大規模な改修がおこなわれたのはちょうど100年前で、そのときに桜やツツジが植えられた。「今回の整備で歩きやすくなりました。鎌倉の街の起点となった場所ですので、みなさんが願いごとを胸に携えながら、また歴史を感じながらゆっくり歩いていただけたら」「広さはまったく変わっていないのですが、何だか広く感じますね」とのことだった。
　

「新しい段葛はとても気持ちがいいですよ。みなさんもお歩きになってください」
　

桜については「三分咲き」「七分咲き」など記者の意見に差があったので、話し合いを宮司さんが取りまとめ「五分咲き」ということに。実際、今回植えられた桜は千葉・栃木・茨城から均等に集められてきたということで、地域差で咲き具合にも差が表れているのかもしれないとのことだった。

ちなみに先ほどの御紋章高張から始まる通り初めは総勢200人ほどだったという。いまごろはその何倍もの人が歩いていることだろう。
　

あらためて段葛

　

さて、腹拵えをしてもう一度ゆっくり新しい段葛を歩いてみよう
　

少し人出も落ち着いてきたかな
　

といってもまだにぎやかである
　

お、この木はもう満開で葉も混じっている
　　

花曇りとはよく言ったものだが、実は強い春の紫外線をたっぷり浴びるより
　　

こちらのほうがいいな、などと思いつつ、暖かくて心地よい陽気の鎌倉をあとにした
　

取材を終えて

100年ぶりの大改修を終えた段葛は、宮司の話どおりとても歩きやすい。参道の幅は以前と同じで、二の鳥居がある南端は4.5メートル、北端部は2.7メートルと、遠近法による効果を楽しめるのは変わらないが、真新しい舗装と若い桜がならぶ段葛を歩けるのはいまのうちだけである。

最新の技術を用いているので次の改修は100年以上先になるかもしれない。この改修と真新しい段葛を見ることができるのはなかなか希有な経験である。同時にそしてこれから先、多くの人がこの上を歩き、雨や風に洗われて味わいを深めていく段葛を楽しむのも趣深いだろう。
　

この春、古都鎌倉の様変わりが楽しめる絶好のチャンスである
　　

最後に鶴岡八幡宮による段葛の説明を

　


―終わり―