唐木田から上溝まで8.8km、小田急多摩線の延伸はいつ実現する?
ココがキニナル!
相模原市の米軍施設相模総合補給廠の一部返還されましたが小田急多摩線延伸構想を含めて実現する? /工事にはかなりの時間がかかりそう(タイサンさん、マッサンさん)
はまれぽ調査結果!
リニア中央新幹線と同じ2027年の開業を目指す。相模総合補給廠が返還されたことが延伸実現に追い風。1000億円超の費用負担や採算性などは検討課題
ライター:はまれぽ編集部
1000億円超の予算
小田急多摩線の延伸は、首都圏の鉄道ネットワークと物流の大動脈である圏央道のアクセス向上など、さまざまなメリットをもたらす。
ただ一方で、課題も多い。国交省の答申でも「収支採算性に課題がある」と指摘されている点について、どう解決していくのか。相模原市都市建設局まちづくり計画部交通政策課の江野学(えの・まなぶ)総括副主幹に聞いた。
収支が課題
江野総括副主幹によると、建設費用は概算で1000億円を超える。費用を国・関係自治体・鉄道整備事業者の3者で分割する「都市鉄道利便増進事業」として実施するが、自治体の負担割合については東京都と神奈川県にわたる事業のため、今後の調整が必要になる。
都市鉄道利便増進事業のイメージ(国土交通省ホームページより)
また、相模原市と町田市が2013(平成25)年度に算出したシミュレーションによると、設備投資の影響もあり、開業から10年ほどは大幅な赤字。
その後、徐々に収益が改善し、開業から36年目には投資分を回収。以降は黒字に転じる見込みとなっている。
相模原・町田両市による収支試算(相模原市ホームページより)
「より早く黒字化を実現することが理想」と話す江野総括副主幹。早期の黒字化実現のためには、採算性の確保に必要な需要の創出につながる沿線開発を進めることが必要だという。
この点について、相模原市ではリニア開業の2027年に向け、JR相模原駅・橋本駅を一体的なエリアと捉えた「広域交流拠点」の形成を目指している。
相模原駅整備のイメージ(同)
国の答申では橋本駅におけるリニアと在来線の乗り換え利便性を向上させることや、橋本駅に接続する相模線の輸送サービス向上についても言及している。
これに対し、加山市長は「広域交流拠点のまちづくりにおいて必須事業」として、積極的に取り組む考えを示している。
相模原市が目指す橋本駅周辺のイメージ(同)
上溝駅以降、本厚木駅までの延伸については、国の答申でも「上溝駅までの整備の進捗状況を踏まえつつ検討することが適当」とされている。江野総括副主幹も「まずは上溝までの延伸の道筋を立ててから」とした。
周辺住民は?
小田急多摩線延伸について、地元住民はどう思うのか。上溝駅周辺で約10人に聞いた。
JR上溝駅
30年近く上溝に住んでいるという50代女性は「相模線は本数がなくて使いにくい。相模原から横浜線とつながるなら横浜、小田急なら町田や箱根なんかにも行きやすくなる。リニア開業に合わせるといわず、もっと早く実現してほしい」と早期延伸を熱望。
また、最近、周辺に引っ越してきたという30代男性は、「電車というよりは車中心の地域だと思う。その分、混雑がひどい。(延伸が実現して)電車を使う人が増えて、車の流れがスムーズになってくれればいいと思う」と話していた。
平日日中でも車通りが多い駅周辺
取材を終えて
小田急多摩線延伸の実現に向けては財源をはじめ、課題は山積している。
しかし、相模原市の掲げる「広域交流拠点のまちづくり」が実現すれば、市だけでなく周辺自治体のにぎわいの創出になる。なにより、住民の生活利便性の向上になる。
住民の求めていることは何なのか。その点を十分に配慮した政策決定と、一日も早い計画実現が望まれる。
―終わり―
TTTさん
2017年11月03日 08時07分
>延線するための土地の買収はスムーズに行くのだろうか? これですが既存の道路(市役所前の大通り等)の地下を通す商用経路ほぼ道路下の地下鉄で 買収も 途中駅立地だけですので あまり新規買収必要無いので割と容易に行くでしょうね
TTさん
2017年02月04日 20時28分
昔機械化が進む前は 基本台地の相模原中心部水の便が悪く農業上手く行かない中田名近郊は相模川の水で稲作出来相模原の経済の主要地でそのなごりで未だ影響力大きく 「田名(上溝)近郊に恩恵有ります」としないと都市計画が作れないと聞いた歪んだ権力構造(既得権主張)いい加減止めてくれ
よこはまいちばんさん
2016年05月31日 13時17分
既に京王電鉄が橋本へ通じているので、この路線に大きな需要があるのか疑問です。用地や費用を考慮すれば、各地域から京王線各駅への路線バスアクセスや道路の整備の方が適しているのでは?今現在、通勤で期待している現役世代には開通間に合わないと思われるし・・・