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横浜が「ソーセージ発祥の地」って本当?

ココがキニナル!

元町にある「大木ハム」がソーセージ発祥の地と聞いたんですが、本当ですか?たまに行列もしているし、どんなお肉屋さんなのかもキニナル(ボンレスさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「大木ハム」の創業者・大木市蔵が日本にドイツ式加工食肉を広めた人物。現在も創業者の意思を受け継いで生産されていた

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ライター:楪 ゆう子

横浜ならぬ「横芝」光町の町興しチャレンジ!


 


千葉県北東部。停車は1時間に1本のJR総武本線横芝駅

 
ここには1910(明治43)年から100年もの歴史を持つ、全国でも珍しい「町営の食肉センター」があり、年に10数万頭もの牛豚肉が加工されているほか、養豚も盛んで約1万400頭もの豚が飼育されている。
 


臭みがなく脂肪がほんのり甘い豚肉が取れる「千葉県産東の匠豚」など

 
この町の若手経営者が集まった「横芝光町商工会青年部」(土屋歩部長・メンバー28名)では、2011(平成23)年に、ご当地グルメ新規開発のため町史を調査。

国立国会図書館などで大木市蔵氏の各著書を探し出し、氏が執筆して講義で使った『実用豚肉加工法』からレシピを再現。横浜の「大木ハム」はもちろん、そのほか大木流を受け継ぐ各地のブランドを訪ねるといった地道な調査・研究を重ねる中で、ソーセージ発祥の地が横浜であることも突き止めたのだという。

そして2014(平成26)年より「大木式ハム・ソーセージの復刻」と「大木市蔵WEB記念館制作」に着手した。
 


復刻ラインアップは、粗挽きソーセージ、細引きソーセージ、ロースハム、ベーコン


左から市原昌幸さん、田村和行さん、土屋歩さん、伊藤一成さん


元は横浜にあったという「大木市蔵像」(横芝光町・生家敷地内)


横浜の元祖「大木ハム」研修にて

 
みなさんが工場を見せてくれるというので、さっそく伺うことに。
 


九十九里浜に近い株式会社いちはら食肉加工場

 
工場に入ると、豚を切り分ける作業中だった。
 


たくさんぶらさがっています


みな熟練した鮮やかな手つき。これができるまで5年以上かかるそう

 
いちはら食肉加工場の市原さんのお話では、ソーセージの原料となるのは筋肉質で旨味が凝縮された豚の「肩肉」とのこと。

工場長の田村和行さんによる、肩肉の赤身と脂身を分ける作業を見学させていただく。脂はもちろん、小さな筋や血合いなども削ぎ取る細やかな仕事だ。

「赤身と脂を分けずにそのままひき肉にすると、ソーセージの粘着力がつかないんですよ」と田村さん。
 


小さなナイフで細かいところまで見逃さずに切り分けていく

 
今回の取材では、滞在時間の兼ね合いで全工程を見ることはできなかったので、以降の製作過程は動画で紹介する。
 


科学技術振興機構が公開しているサイエンスチャンネル「ソーセージができるまで」

 
続いて、事務所で完成品を試食させていただくことに。

伊藤さんによると、復刻版大木式ハム・ソーセージの特徴は、化学調味料を一切使わず良質な豚肉を熟成させた旨味と、肉本来の味わいや歯ごたえが楽しめることらしい。
 


細引きソーセージ(100グラム378円/税込)絹のような薄い皮が、噛んだとたんに弾け飛ぶ!


ベーコン(100gグラム432円/税込)。桜チップのスモークが効いた濃厚な香り


ロースハム(100gグラム432円/税込)。しっとり食感と絶妙な塩加減

 
あまりにも普段食べ慣れたスーパーのハム・ソーセージと違い過ぎて驚く筆者だった。

来年は大木市蔵氏が初めて国産ソーセージを品評会(第1回神奈川県畜産共進会)に出した1917(大正6)年11月1日からちょうど100年目。

横芝光町商工会青年部は、この同月日を「ソーセージの日」として日本記念日協会に申請、昨年認定された。「今後は業界団体にも働きかけ、11月1日に大規模なソーセージイベントを仕掛けたい」と土屋さん。
 


国産ソーセージが日の目を見た日を祝う記念日

 
ソーセージ発祥の地が横浜だったことを、千葉県民なのに熱意を持って証明してくれた「横芝光町商工会青年部」の新たなチャレンジを、今後も応援していきたい!



取材を終えて



横浜元町の「大木ハム」から始まり、千葉県横芝光町の「食肉加工場」で終わった今回の取材。

横浜の“食の財産”を再確認し、日本の食肉加工の歴史を振り返り、遠く離れた地域の町興しにかける情熱と伝統製法継承への想いに学び、感動した取材だった。

日々誰かが育てた生き物の命を食べて暮らしていること、代わりに食肉処理・加工して家庭に届けてくれる人たちがいるありがたさを忘れぬよう、子どもたちにも残さずいただく大切さを伝えたい。


―終わり―

参考文献
「畜産と畜産工芸」第10巻11号 中央畜産会 1924(大正13)年
ソーセージの父 大木市蔵WEB記念館」 http://ham-sausage.com 
 
店舗情報
 
大木のハムとソーセージ
住所/横浜市中区元町5-205
電話/045-681-6997
定休日/日曜・月曜
営業時間/9:00~18:30


有限会社フードショップいちはら
住所/千葉県山武郡横芝光町木戸1337-2
電話/0479-84-0302
定休日/年中無休
営業時間/8:30~20:00 
公式サイト/ http://fs-ichihara.com/ohki.html


★読者プレゼント★
 


「九十九里オーシャンビール」コラボ夏ギフト・Aセット

 
復刻版大木式ハム・ソーセージには、お中元向けに肉製品と地ビールを組み合わせたAセットとBセット(税込・送料別、3300円)、ビールなしで手頃な価格のCセット(同、2600円)とがある。

今回はAセットを「はまれぽ読者プレゼント」。抽選で5名の方に進呈いたします。ご希望の方はお問い合わせフォームより、以下の情報を明記のうえドシドシ応募してください。

・お名前
・ご住所
・連絡先(電話番号)

※当選者の発表は、発送をもって代えさせていただきます。
 

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  • お店の前をよく通ってたのに、そんな名店だとは知らなかった!寂れた感じの商店街のお肉屋さんだと思ってた(失礼、、)。コンビーフ買ったら美味しかったよ!全然しょっぱくないし、上品な味わい。おじさんが開店後に配達行っちゃうみたいで時間気をつけなきゃいけないけど、また行く!ありがとう、はまれぽ!

  • まさか、立花牧場の名をはまれぽで見るとは!
    小学生の頃同学年で立花牧場のお嬢さんがいたらしく、その伝で在りし日の立花牧場に学年全体で社会科見学にもお邪魔した記憶があります。
    乳牛をそだてていて肉牛ではなかったのですが、意外なところで大木ハムに繋がっていたのですね。

  • 大木ハムは近所なので、よく利用しています。
    薄々感じていましたが、おじさんの代で終わりだなんて、とても寂し限りです。

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