メニューや佇まいが“そっくり”な家系ラーメン2店の謎を探る
ココがキニナル!
取材の打ち合わせで「メニューや佇まいがそっくりなお店があり、しかもその関係性がよく分からない」との情報が上がった。これは行かねば。ということで今回は、「ラーメン大桜」と「じれっ亭」をご紹介。
ライター:はまれぽ編集部
じれっ亭
東急田園都市線の鷺沼駅から徒歩13分ほど、東急バス三田橋バス停より2分ほどの場所に店舗を構えるのが「じれっ亭」だ。店舗裏には駐車場も完備。オープンしたのは1998(平成10)年。こちらもまもなく開店20年を迎える老舗店だ。
「じれっ亭」に到着
「辛麺(からめん)」がキニナル
席数は16席。(カウンター11席)
・・・あれ? このメニューどこかで見たような?
店長の日高巧(ひだか・さとし)さんと、森田祐介(もりた・ゆうすけ)さんにお話を伺った。
日高さんは宮崎県出身の30歳で9年前から、森田さんは大阪府出身の25歳で8年前からこのお店で働いているそうだ。お二人とも、上京してから家系ラーメンの存在を知ったそうだが、すぐにそのとりこになった。
日高さん(店長・右)と森田さんをパチリ
修行時のエピソードをお伺いすると、「思ったよりも力仕事だし、『こんなにお客さんで混雑するのか?』と驚きの連続でした。メニューもいろいろあるので、バラバラのタイミングで注文が入ると、最初はオーダー裁くだけでも大変でした」と日高さん。
「意識が変わってきたのはスープづくりを任されたころから。スープは3日かけて作るのですが、最初はダメ出しばかりされていました。ようやくまともに仕込みができるようになって、改めてお客さんがおいしそうに食べているのを見たとき、すごくテンションが上がったことを覚えています」とニコニコしながら語ってくれた。
3日間かけてつくるスープ
ここでキニナル“メニューや佇まいがそっくりな”「大桜」との関係について聞いてみた。
「実は『じれっ亭』の親会社が『緑製麺所』という製麺業を営んでおり、『大桜』さんには開店当初から麺を卸しています。それで、うちでもラーメン店を出店したいという話が持ち上がった時に、『大桜』さんにお願いして職人さんに来ていただき、手ほどきを受けたと聞いています。いわば“親戚”みたいな関係なんです。ちなみに開店当初はまったく同じレシピのラーメンを提供していました」とのこと。
緑製麺の麺箱
「メニューの文字は、いまだに『大桜』のオーナーさんに書いてもらっています」とのことで、両店の友好的な関係は現在でも続いているそうだ。
左が「大桜」、右が「じれっ亭」のメニュー。そっくり!
日高さんに現在の「じれっ亭」の味にについてお伺いしてみると、「開店当初の味からは変化してきています。というか、積極的に変えてきました。お店の所在地が住宅地ということもあり、ファミリー客が多いんです。お客さんのニーズに合わせた、あっさりとした味を追求してきました」。チャーハンやお子様ラーメンなどは、お客さんからの要望でメニューに加えたとのこと。
近所の小学生からの感謝状
辛麺は日高さんと森田さんが中心となり、考案したメニューなのだが、実は日高さんは辛いものが苦手なため、試食はおもに森田さんにお願いして作り上げたそう。
しかし、これまで提供してきた“家系ラーメン”というカテゴリーから異なったラーメンであっても、積極的に新しいメニューを作り出していくところが、同店の最大の特徴なのかもしれない。
実食レポート
「ラーメン(685円)」と、非常にキニナル存在の「辛麺(800円)」をいただくことにした。
タレをどんぶりに
麺をゆで・・・
スープを注ぎ込む
ノリをセット!
ラーメンが完成! 着丼
スープ
麺をリフトアップ
辛麺も着丼
それではいただきます!
編・大日方:ラーメンは、優しく澄んだスープですね。個人的に今まで食べた家系ラーメンの中で、もっともすっきりとした味わいだと思います。
マーコ氏:ライトな味わいで、「大桜」のスープとは180度異なります。もともと同じ味だったとは信じられないくらい。でも、食べやすい反面、正直インパクト不足感はあります。
「すごくさっぱりしています」
編・広瀬:メニューを見ると「大桜」と同じ? とも思えるのですが、ラーメンはまったくの別物ですね。ベースのとんこつの味は似ていましたが、さっぱりとした印象のスープで「大桜」のようにトロっとしてません。でも、麺にスープがよく絡みます。
編・広瀬:辛麺はピリッとした辛さがあとを引きます。具材の“そぼろ”を余すことなく食べることができる金属製のレンゲが付いてくるのは、とっても親切。
「辛ウマ」です
編・大日方:あくまでもピリ辛で、“激辛ラーメン”ではないです。これはもう家系ラーメンとは関係のない「じれっ亭」のオリジナルメニューですね。
実食を終え、今後の夢について伺うと日高さんは、「社長に認められて独立したい」ときっぱり。森田さんは「さらにがんばって店長を目指したい。この店から独立した先輩たちも、この店に食べに来るので、引き継いだ味を守りつつも新しいことにもチャレンジしたい」と意気込みを語ってくださった。
店頭で2人をパチリ
・鶏油(チーユ)の量 ★★
・しょうゆ感 ★★
・豚骨感 ★★
・麺 緑製麺(特注品)
・ライス 235円、半ライス125円
(★=5つが最大)
取材を終えて
同じ味からスタートしたお店でも、立地やお客さんのニーズによって「味は変化(適応)していく」ということを感じた取材だった。でも原点は忘れないことが継続していくことができる秘密なのかもしれない。次回は、「新規開店! 最新の家系ラーメン事情」を掲載する予定だ。
―終わり―
取材協力
ラーメン大桜 十日市場本店
住所/横浜市緑区十日市場町838-1
電話/045-981-8545
営業時間/11:00~翌2:00
定休日/なし
じれっ亭
住所/川崎市宮前区有馬5-18-22
電話/044-888-0093
営業時間/11:00~翌2:00
定休日/なし
ピルたかさん
2017年05月01日 16時45分
家系甲子園的なやつどうなったん?www
馬面さん
2017年04月28日 20時01分
またマーコか。
Tinさん
2017年04月28日 13時35分
以前から関係が気になってたので、なぞが解けてスッキリとしました。というか、キニナル投稿すればいい良かった。