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横浜市営地下鉄ブルーラインが川崎市まで延伸する計画の現状は?

ココがキニナル!

横浜市営地下鉄が延伸するらしい。川崎にメリットがある計画、とニュースになっていたが、どんなメリットがあるの? 電車賃は値上げするの?(スズノさん)

はまれぽ調査結果!

2018年度末までに「事業化するかどうかを判断する」というのが現状。延伸が実現すれば横浜・川崎にとって時間短縮のメリットがあるが、運賃は未定

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ライター:田中 大輔

交通局は客観的な立場で



その事業化のGOサインを得るために、これまで通り計画全体の担当局として「総合調整役」を担う都市整備局に加え、事業候補者である交通局も調査に参戦する。

延伸検討のための調査費名目で2017年度予算に1億円を計上した交通局は、鉄道運営のプロとして、これまでに都市整備局が進めてきた調査の深度化を図ることになる。
 


交通局はこれまでに行ってきた調査を深める
 

交通局では今回、ルートや駅の位置の検討、トンネルの構造といったハード面、需要の見通しや採算性、運行計画といったソフト面の両面からさまざまな調査を行っていく予定だ。

横浜市としてはこの計画を成功させたいわけだから、全体の調整をする都市整備局と現場を知る交通局が強力タッグを組んで前進! と考えてしまうところだが、実は必ずしもそうではないそうだ。
 


強力タッグ! とはいかない?
 

交通局工務部建設改良課の橋本芳実(はしもと・よしみ)課長は、「私たちはニュートラルな立場で調査をします」と話す。

利用者が支払う乗車料などでで予算を組む「企業局」である交通局は、市の一部署でありながら、民間の企業と同じような側面も持っている。
 


横浜市営バスにも
「黒字路線」や「赤字路線」が存在する
 

そのため、市がやりたがっているから無条件で応援します、というわけにはいかず、「鉄道事業を営む企業体として、事業化の判断材料を集める」という客観的なスタンスで調査に取り組むことになる。

平たく言ってしまうと、「商売として成り立つのか」という視点を持っているわけで、事業化に向かって進む都市整備局とは立場が違うのだ。
 


交通局は「事業として成り立つのか」という視点も必要
 

ちなみに、現時点で交通局は「事業候補者」となっているが、事業化された場合に路線の管理運営を行うことはほぼ間違いない。

ただし、延伸のための工事は別の組織が行う可能性もあるそうだ。
工事に関して現実的に考えられるのは2通りで、ひとつは交通局が行う方法。もうひとつは、国の独立行政法人である「鉄道・運輸機構」が行う方法だ。神奈川東部方面線(相鉄とJR、東急の直通線)の工事は、この鉄道・運輸機構が取り仕切っている。
 


鉄道・運輸機構の本社は横浜市内にある
 

誰が工事を行うかは横浜市全体で判断するそうで、松井課長は「交通局がやる方が自然ではある」としながらも、「補助率の違いなどもあるので、どちらが横浜市としてメリットが大きいのかなどを総合的に判断します」と話してくれた。



事業化したら、いつ開業?



さて、交通局の調査で「コレならイケそう」という材料が出され、川崎市も「一緒に頑張りましょう」と言ってくれて、横浜市として正式に「事業化します!」と決定した場合、われわれがその路線を利用できるようになるのはいつごろのことになるのだろうか。

今の段階で確実なことは言えませんが、という前提付きではあるが、松井課長は「意思決定から10年で開業できれば相当早いと思います」と言う。
 


10年でできれば万々歳という状況
 

事業化決定から、法的手続きに3~4年、用地確保と工事に7~8年・・・と、やらなければならないことはてんこ盛りだ。同時進行になる部分もあるから単純に足し算ではないが、少なくとも10年くらいはかかる計算で、現実的にはそれ以上にかかる可能性の方が高いそうだ。

つまり、2018年度末に「事業化します!」という判断をしたとしても、実際の開業は2030年前後になる見通しで、利用者としてはどうしても待たされることになってしまう。
 


待っている側としては、どうしたって長く感じてしまうが・・・
 

実は、交政審の答申には、この2030年ごろを念頭に置いているという前提がある。今回、事業化の意思決定に2年という期間を設けたが、これは横浜、川崎両市の担当者が口をそろえて「かなりタイト」と話すほど、短い期間なのだそうだ。

2030年の開業から逆算したからこそのタイトスケジュールであり、待っている側としては長く感じてしまうが、2030年ごろの開業というのは全速力でやっての結果ということになるようだ。



取材を終えて



都市整備局には、「早く実現してほしい」という市民からの声も少なくないそうだ。利用者感覚での「早く」開業するというのは現実問題として難しそうだが、計画は少しずつ前に進んでいる。

まずは2018年度末の事業化判断の発表を待つことになる。もちろんどうなるか今のところは分からないのだけれど、担当者が一定の自信を持っているということは取材を通して感じることができた。

今後も、意思決定までに新しい動きがあれば、はまれぽでもお伝えしていく。また、事業化に向けて大きな課題でもある、川崎市との関係については近日お届けする予定だ。


―終わり―
 

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  • 地下鉄開通工事について、地面に穴を開けて1駅の距離を掘る場合、数ヶ月で可能と聞きました。公的事業が遅れるのは、常ではありますが地下鉄延伸予定はかなり前からあり、それを見込んで移り住む方も少なくない。開通を待ち望んでいる者からしたら、法手続きに長い年月を費やすことに抵抗を感じます。どうにたならないのでしょうか、、

  • 官民の官が公共交通機関の設置、運営をするのかが今ひとつ分からない。民に全て任せればいいと思うが? どうしてなんでしょう。。。

  • 横浜全体の公共益として、経済波及、通勤通学経路のネットワーク化、放射鉄道とのフィーダ経路確立、バス依存の解消、市域一体化を目指すことを最優先すべき。横浜の都市としての持続や経済成長や福祉として交通弱者の移動性の確保といったことを俯瞰すれば、グリーンラインを最優先して事業検討すべきと思う。横浜市民にとっては市内内陸部を環状型に循環しバス依存地域を解消して、郊外部に多い公共機関への移動経路を確保したほうが、市内の循環性や移動性が高まり、横浜市民として個人も法人も一体感が増す。現市政期になって社会資本の分野の遅れが否めないと思うが、環状鉄道の事業検討をシンクタンクに任せた採算性の検証だけでなく、実際に鉄道を敷くことでモーダルシフトを喚起させ道路渋滞を減らす効果や、人口停滞と高齢化が進む横浜市南側各区の地域再生といった観点からも考えるべき。グリーンラインの延伸事業を最優先に検討してほしいと思う。

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