たばこを吸わない人にも関係あり! 戸塚駅が「喫煙禁止地区」でどう変わる?
ココがキニナル!
2018年3月から、戸塚駅周辺が「喫煙禁止地区」に。一体なにが変わるの?(はまれぽ編集部のキニナル)
ライター:はまれぽ編集部
戸塚駅では知られてるの?
横浜駅ではこのような状況だが、さすがに戸塚駅周辺ではまだ喫煙禁止は知られていないのではないか。なにせ3月から禁止地区に指定されるため、まだ始まっていない。
喫煙禁止地区が増えるのは、前回の新横浜駅周辺が指定されてから、実に8年ぶり。周辺の状況を確認することにした。
喫煙禁止地区は、駅周辺の商業施設近辺が中心
まずは、喫煙禁止に先立って駅周辺に新設された喫煙所を見てみよう。
一つ目は戸塚駅東口を出たデッキの上
出口からすぐに見えるので迷うことはない
駅周辺をざっと見まわしても、路上喫煙をしている人は見掛けない。逆に、この喫煙所の中には人がたくさんいる。
喫煙者もたばこを吸える場所を求めていたのかも
喫煙所に近づくと、煙の匂いが漂ってくる。だが、デッキは広く、このスペースを避けて歩くことも十分に可能だ。
ほかの喫煙所は、東口に比べると駅から若干離れている。
こちらは駅西口北側の喫煙所
西口北側の喫煙所はデッキ下という位置関係もあってか、東口に比べて人はまばら。それでも常に1~2人の利用者がいる印象だ。
西口のバスセンター前は利用者がいなかったが、使用の形跡はあり
西口からバスセンターやタクシー乗り場を挟んだ位置にある最後の喫煙所は、もっとも利用者が少なかった。逆に、のんびりとたばこを吸いたい人には穴場と言えるかもしれない。
中はこんな様子
分煙は進んでいるけれど・・・
たばこの煙をできる限り吸いたくない人(筆者含む)にとって、こうした分煙の取り組みは重要だ。だが、喫煙者から見るとどうなのだろう。
喫煙所でリラックスしていた70代の男性に話を聞くと、「これまではたばこを吸いたいときは喫茶店に入っていたけれど、喫煙所ができてからは無駄な出費をしなくてもよくなった。喫煙禁止地区になるのは知っていたけれど、逆に便利になったね」とのこと。
駅周辺でも周知が進んでいた
一方、禁止地区になったからといってポイ捨てがなくなるわけではない。
喫煙所から近い物陰に、吸い殻が
植え込みに隠すように捨てられているものや
流行りの加熱式たばこの吸い殻も目立った
前述の通り、喫煙禁止地区の取り組みの主眼は「街の美化」。地区の指定が拡大することは、街の美化がなかなか進んでいないということの表れでもある。
資源循環局の松本課長補佐は「ポイ捨てや歩きたばこがなくなり、マナーが守られるようになれば、喫煙禁止地区の取り組みは必要ありません。ですが、実際には喫煙所内でのごみの置き去りなども多く、対応に多額の税金が費やされています」と話す。
「お持ち帰りください」と書いてあるのに・・・
横浜市の2018(平成30)年度予算案では、「クリーンタウン横浜事業(喫煙禁止地区の取組等)
」として、1億9200万円が計上されている。
歩きたばこや路上喫煙を取り締まる職員の人件費なども、もちろん税金で賄われている。
1人ひとりが心がけるようになるだけで、この必要金額はがくっと下がるはずだ。
「私たちの仕事はなくなりますが、市民にとってはそのほうがいい」と松本課長補佐、荒井さん
取材を終えて
「ごみのポイ捨て、そんなに多い?」と思っていた筆者だが、禁止地区の看板と同様、「ある」と知ればあちこちにごみや吸い殻が見つかった。
繰り返すが、ポイ捨ては前科がつく犯罪行為だ
喫煙禁止地区に対しては、「もっと厳しくしてほしい」との声もあれば、取り締まる職員と喫煙者がトラブルになるケースもあるといい、バランスは難しい。忘れてはいけないのは、これが「本来はやらなくてもいい」取り組みであるということ。
吸う人も吸わない人も、「喫煙禁止地区」というキーワードを目にしたとき、一人ひとりのマナーについてもう一度見つめ直す機会にしていただければ幸いだ。
ー終わりー
取材協力
横浜市資源循環局