乗客が動力に!? 伊勢佐木町を駆ける「パーティーバイク」の正体とは
ココがキニナル!
歩行者専用の商店街、伊勢佐木モールを不思議な車が走っていた! その正体とは?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
乗客が動力になる「パーティーバイク」が伊勢佐木モールや元町ショッピングストリートに登場! 3月17日・23日の試乗会では誰でも乗ることができる
ライター:はまれぽ編集部
公道も走れるようになった! パーティーバイクの可能性
ルートを往復するための方向転換は課題の一つ。
この日は走行実験ということもあり、伊勢佐木モール内でどのように走行するか、さまざまな試みが行われていた。
例えば、転回のためハンドルを逆に切って、人力で押す!
豪快な力技に見えるが、車体は軽くブレーキを踏んでいなければ乗客がいても一人の力で押して動かすことができるほどだという。
人力バックから切り返し、無事に折り返すことができた
ちなみにこのパーティーバイク、今回は念のために安全性を確認しているものの、道路上を走行するのはまったくの合法。
以前は乗り物としての区分がはっきりしていなかったが、2018(平成30)年年11月に国家公安委員会で軽車両(自転車)であるという見解が示されたたため、公道を走ることができるようになった。
道を走っていたら、思わず注目してしまうのは間違いない
ペダルを漕ぐのも大きな力はいらず、みんな楽しそう
その特徴は、なんといっても「乗っている人が笑顔になってしまう」こと!
横浜ビールの横内さんがパーティーバイクと出会ったのは、両親と旅行したハワイでのこと。横内さんのお父さんが現地を走っていたパーティーバイクに乗ったとき、「普段は静かなタイプの父親がすごく笑顔になったんです。この乗り物には、みんなを笑顔にする力がある、と感じました」と話す。
走行実験中も、参加者には思わず笑顔が
横内さんは横浜ビールに入社後、国内でパーティーバイクを保有・製造している企業とコンタクトを取り、昨年9月に開催された「横浜カーフリーデー2018&モビリティウォーク」で、日本大通りの街中にパーティーバイクを走らせることに成功。
それをきっかけに横浜市から声が掛かり、今回のように地域が主体となった伊勢佐木モールや元町ショッピングストリートでの試乗会が実現することになった。
今回のパーティーバイクは、保有する神戸の神姫商工からレンタルした
地域とともに「パーティーバイク」の試乗会に関わる横浜市都市整備局都心再生課の庄司敏雄(しょうじ・としお)さんから、市としてのパーティーバイクの取り組みについてうかがった。
庄司さんは「今回、伊勢佐木モールの縦動線(関内駅方面から阪東橋方面)を活性化するという目的を果たすため、パーティーバイクの試乗会を行うことになりました」と企画の意図を説明する。
関内駅地下のストリートピアノも、同課や都市計画協議会が携わった(過去記事より)
パーティーバイクの導入は、バスや電車、あるいはみなとみらいで計画が進む「ロープウェイ」のような「新たな交通」とは性質が違う。輸送手段ではなく、乗る人が楽しむことが一番の目的だ。
庄司さんはパーティーバイクについて、「何より、安全で乗っている人が楽しくなる乗り物というのがポイントです。伊勢佐木モールは歩行者のための通り。ぶらぶら歩きの延長として、疲れたら乗って飲食を楽しめるような乗り物として考えています」。
操縦席の下にはブレーキ、押し込むとロックされる
各席にはドリンクホルダーも完備
パーティーバイクは、スピードを出そうと思っても歩く程度の速さしか出せない。移動手段というよりも、やはり「楽しさ」を大切にした乗り物なのだ。
運転する人も、乗る人も、見物する人も笑顔になってしまう
多くの人が乗ることができる試乗会では、たくさんの驚きや笑顔を見ることができそうだ。
取材を終えて
3月の試乗会で課題を整理した上で、2019年度以降の導入を検討していくというパーティーバイク。現在の車体はレンタルしているものだが、「自前」のパーティーバイク導入という野望も横内さんはじめ関係者の胸にはあるようだ。
試乗会で課題を洗い出し、今後の取り組みにつなげることになる
3月17日の試乗会については、同日に伊勢佐木町で行われる「ザキロク祭り」にて、飲食用チケットを500円以上購入した人が無料で乗ることができる。
お祭りの雰囲気の中で、注目を集めること間違いなしのパーティーバイクをぜひ体験してみてもらいたい。
ー終わりー