辻堂駅や藤沢駅に現れる謎のバイオリン弾きピエロの正体は!?
ココがキニナル!
藤沢や茅ヶ崎の駅周辺にバイオリンを弾くピエロが現われます。でも上手とはいえない。古びた文庫本を100円で売っています。一体何の目的で?突撃取材してみてください!(abandonneさん)
はまれぽ調査結果!
ピエロの衣装に隠された素顔はこの道30ウン年の大道芸パフォーマー!バイオリン演奏は昨年からの新ネタ。古本販売は趣味から転じた収入源だった。
ライター:山本航
謎のベールを脱いだピエロさんはベテラン大道芸人
ーこんばんは!はまれぽ編集部です!
「取材?昨日も○◯テレビがカメラ持ってやってきたんだよねー」
テレビ!?しかも全国ネットの番組名ではないか?
ピエロさんはそんなに巷で話題となっていたのか。しかしテレビ放送をされると反響が大きすぎるので、規制が厳しくなって路上パフォーマンスが出来なくなるから断ったらしい。
その辺のご事情を加味しながら、まずは素性から。
…と思ったが、お名前、年齢、出身、過去のお仕事など個人的なことは一切伺えず、具体的な出没場所と時間すら決めていないそう。
お面が、レジ袋をくり抜いたものに。ツッコミする勇気はなかった(笑)
ーなぜここでバイオリンを弾いていますか?
「去年、市役所のカルチャーサークルで講習会があったんで、初めてだったけど受けてみたんだよね。バイオリンも安物だよ」
つまり子どもの頃から習っていたのでなく、昨年始めたばかり!だからレパートリーもまだそれほどなく、習った曲以外は独学で練習していると。この日は、今まで聞いたことのない『夏の思い出』を披露していた。
顔はピエロ、衣装は大阪のおばちゃん張りな全身ヒョウ柄・・・
ーこれ以外は何をされているんですか?
「これで食ってんだよ。もう30年以上、大道芸をしてるからね」
なんと!本業は大道芸で、バイオリンはレパートリーのひとつ。器用なわけだ。
よく見ると、いろいろと足元に小道具が置いてあり、特にけん玉は得意な演目なのだそう。ちょうどそのときサラリーマンの方が近づいてきたので、お仕事モードに。しばらく演奏を拝見しつつ、また日を改める事に・・・とは言っても、次はいつどこで会えるのだろうか。
けん玉を見たのは初めて。いろいろな技を披露
ちびっ子ウケのいい、けん玉パフォーマンス
ゴールデンウイーク過ぎの、晴天の休日。初めて藤沢駅付近で目撃。ピエロさんの周囲には次々とちびっ子たちが集まってくる。そんな時、ピエロさんは『鉄腕アトム』などのアニソンメドレーを弾いて、盛り上げる。
天気が良いので、親子連れが多く集まる
おもむろにけん玉を取り出していろいろな技を決めると、今まで見たことのない拍手喝采!話しかける子どもたちと、楽しそうにコミュニケーションを取っている。投稿や目撃報告では、全く話さず黙々と演奏しているとあったが、ただ単に誰も話しかけなかっただけで、近づいた人には積極的に話しかけていた。「お声をかけてください」とプレートを出している時もあるそうだ。
ひと通り落ち着いてから、インタビュー。
技を決めるたびに歓声が。だんだんアクロバティックな大技へ。
ー芸名はありますか?
「長年、大道芸をしているけど芸名は特に名乗っていないし、今後も別に考えてないかな」
ー他にも今後披露する予定の芸はありますか?
「過去にいろいろな芸を見せてきたけど、年齢や場所とかに合わせて変えてきたんだ。最近はバイオリンとけん玉が中心だね。これからについては、そのときのお楽しみだよ」
衣装も自分で調達していて、これからも季節ごとに替えていくそう。これが一番気になっている人も多いのでは!?
他にも小道具を発見。キニナル!
ー最後に、なぜ古本を売っているんですか?
「これはれっきとした、商売道具だよ。大道芸だけでなく、収入源としていつも置いてるんだ。来週も仕入れにいくよ」
自宅にある古本をを処分しているのではなく、定期的に買ってきて補充しているのだと言う。並んでいるのは、時代小説ばかり。ここにも、好きなことしかやらないポリシーがあった。
ラインナップは全て時代小説
取材を終えて
話しかけるまでは恐いなあと思っていた。
そして、素性は全く答えてもらえなかったが、お話しすると、とても優しい人だった。
ピエロさんは「路上パフォーマンスは規制がどんどん厳しくなってきたから、やりづらくなったよ」と、悩みを抱えていた。確かに昔に比べると、ティッシュ配りや飲食店の客引きなども含めて、規制が厳しくなっている。元気な街の風景として、こういったパフォーマーが減るのは寂しい。ぜひこれからも奇想天外な衣装と味のある演奏で、仕事帰りの疲れた社会人や休日の親子連れなど、いろいろな人を楽しませてほしい。
ピエロさんを見かけたら、勇気を出して声をかけてみては!?
ー終わりー