ユーミンの歌『海を見ていた午後』に出てくる「山手のドルフィン」の今はどうなっている?
ココがキニナル!
ユーミンの曲に出てくる根岸森林公園の高台にあるカフェ・ドルフィン。お店のスタイルが気になります。ソーダ水の中を貨物船はとおるのか。(マンジンさん/maniaさん/やまほさん)
はまれぽ調査結果!
ユーミンの曲に登場し有名となった「ドルフィン」は、窓からの光景が大きく変わってしまった今も、多くの人に愛される“静かなレストラン”だった!
ライター:大野 ルミコ
ボリューム満点の料理に大満足! そして・・・
しばらくすると、注文していた料理もテーブルに運ばれてきた。
今回注文したのは、「ドルフィンサラダ(1850円)」と「ドルフィンオムライス(1300円)」の2品。共に「店名が頭につくぐらいだから、イチオシの料理に違いない」と勝手に想像し、チョイスしてみたものだ。
トリュフやフォアグラが入った、見た目にもゴージャスな「ドルフィンサラダ」
サラダが1850円と聞いたときは、正直「いい値段だなぁ・・・」と思ったが、実際に運ばれてきた料理を見て納得! たっぷりの野菜に生ハムや鴨のロースト、そしてフォアグラが贅沢に盛り付けられている。そしてドレッシングにはトリュフまで散りばめられているのだ。
魅惑の半熟卵入り。もうこれだけでも食欲をそそられる
フォアグラ、鴨ロースト、生ハム・・・驚きの食べ応え
大きめのボウルにたっぷりのサラダは2人で食べても充分な食べ応え。3~4人のグループで来てシェアしても満足できるのではないだろうか。また、個人的に鴨肉があまり得意ではなかったのだが、これは驚くほど柔らかく臭みも全くないのでペロリと食べられる。
また少し遅れて運ばれてきた「ドルフィンオムライス」も、見た目から本当においしそう!
ふわとろ卵の上にたっぷりのデミグラスソース・・・これはたまらない!
柔らかな牛肉がいくつも入っている。ビーフシチューを食べているようだ
濃厚なデミグラスソースでじっくりと煮込まれた牛肉は、驚くほど柔らかで口の中でとろけるよう。ふんわりとした卵とデミグラスソース、そしてほのかに香るバターの香りがマッチして、おなかがすいていたこともあり一気に完食してしまった。
食事はほぼ完食! でももう少し、ゆっくり過ごさせていただきます・・・
「高級住宅街にある一軒家レストラン」ということもあって、メニューはコース料理が中心なのかと想像していたが、オムライス以外にもピザやパスタなど比較的お手頃な一品料理も多い。この雰囲気、ロケーション、この価格でゆったりと食事が楽しめる――なんだかすごくお得に贅沢をさせてもらった気分だ。
メニューは「季節ごとに見直すため、内容が変わることもある」という
やはり少し見づらくはなったとはいえ、海を眺めながら食事ができるのは、この店の大きな魅力だと思う。今日は寒かったので遠慮したが、春や秋ならテラス席で食事をするのもステキだなと思う。テラス席の前には大きな建物がないので、店内席より眺望もいいはずだ。
テラス席からの眺望。やはり海はもっと広く、近く見ることができた
こうして改めて風景を眺めていたら、目の前を貨物船が進んでいくのが見えた。まさに『海を見ていた午後』そのもののシチュエーションに、驚くと同時になんだか胸がときめくのを感じる。正直、ここまでリアルに曲の世界を体感できると思わなかったのですごくうれしい。
房総半島を背に貨物船が進む。思わずその様子を無言で見つめてしまう
貨物船が通り過ぎた後、なぜだか山岸と「過去の恋愛ネタ」でひとしきり盛り上がってしまった。二人とも、リアルタイムに『海を見ていた午後』を聴いて育った世代ではないけれど、すっかり“ユーミンワールド”へ紛れ込んでしまったようだ。
初めて来たのに、なんだか「とても懐かしい場所に来た」そんな不思議な気分になった。
取材を終えて
ドルフィンを訪れた数日後、たまたま「若い時からユーミンの曲と一緒に過ごしてきた」というファンの方と話をする機会があった。そこでこんな質問をしてみた。
ユーミンファンにとって「ドルフィン」ってどんな存在なんですか?
その質問に帰ってきた答えは「まさに聖地」。そして「ファンなら誰もが一度は行きたいと思ったことがあると思う」とも。なぜなら、ユーミンの世界をリアルに体感できるのは「たぶんあの場所だけだから」という。
40年以上も訪れる人が絶えないのも当然なくらい「特別な場所」なのだ
私たちのテーブルを担当してくださった店員さんの「お客様の中には20年ぶり、30年ぶりに来たと言われる方や、北海道や九州から来たという方も少なくないですよ」との言葉に、聞いているこっちが驚いたのだが、その理由が一瞬にして分かったような気がした。
また、いわゆるバブル期には、ここは男性が女性を誘って訪れる「とっておきのデートスポット」であり、土日(特に夜)には「ドルフィン」に向かう車によって“ドルフィン渋滞”が起こるのも日常茶飯事だったとも聞く。当時は「エントランスにポーターがいた」というくらいだから、ちょっとワンランク上の店に来たという“特別感”みたいなものもあったのだろう。
誰もが華やかだった時代の一端に触れされてもらった――そんな取材だったように思う。
―終わり―
参考文献
2012年12月9日付 讀賣新聞 日曜版(よみほっと)「名言巡礼」
住所/横浜市中区根岸旭台16-1
電話/045-681-5796
営業時間/11:00~21:00
定休日/無休
※情報は取材時のものです
tokijp8410さん
2021年03月12日 11時21分
湘南に当時の彼女と波乗りに行き、ビーチで待ち続けてくれた彼女に、「ゴメン、帰りはドルフィン寄ろう!」この一言で、優しい微笑みから40年位かな?「真冬のサーファー」も、今は、初老の私、孫娘が、今ではすっかり、サーファーガール!この記事を読み、孫娘と二人で、デートすることにしました。
おとうさんさん
2019年08月30日 23時05分
バブル以後のユーミン時代と、それ以前の荒井由実時代の曲は全然違うしね。そしてそのことは、バブルの頃に改装された今の店舗には、もう荒井由実がこの曲を作った当時の建物の風情の名残は全くないということにも反映されている。だから当初の建物の風情を知る者のみが本当の意味で名曲「ドルフィン」を味わえるという特権を持っているんだよ。バブル以後のリッチなイメージのユーミンは、改装後の店舗同様にもう荒井由実じゃないってことだね。
yokohamadaisukiさん
2019年05月28日 14時27分
ここのお店は、いつまでもなくならないでいて欲しい。年を重ねるほどに、いとおしくなる。ランチセットが2,000円ぐらいだったかなぁ。雰囲気が良く、いい気分が味わえて、お安く感じる。店に入ると、店員さんが、飛び出してくるぐらいの勢いで、迎えてくれて、それもまた、気持ちが良い。正面の駐車場に止める際は、坂の下から上がり、車の頭を坂の上に向けて、バックで下がりながら、駐車場に侵入すると、すんなり、とめられるよ。その逆をやると、大変。若し、彼女を連れていたら、焦るよ。