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【横浜の名建築】西谷浄水場

ココがキニナル!

横浜にある数多くの名建築を詳しくレポートするこのシリーズ。第27回は、赤煉瓦と白い大谷石、青銅の屋根の洗練された大正時代の建物が残る西谷浄水場。遥か未来を考えた横浜近代水道の歴史がそこに残っていた。

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ライター:吉澤 由美子

土木建築の文化財(続き)
  
配水池浄水井上屋と配水池配水井上屋は、現在使われていない配水池の両端に建っている。配水池は芝生で覆われ、やはり大正時代に作られた坑門(こうもん)も2つ残されている。
 


後ろの一段上がった芝生の下に、今は使われていない配水池がある

 
配水池浄水井上屋は、配水池に入る水量を調整、配水池配水井上屋には、市街へと送られる水量調節を行っていた機械が入っていた。
 


構造や意匠はどちらも濾過池整水室上屋と共通している

 
東側の配水池配水井上屋の方がやや小さいが、八角形の姿は相似形だ。
 


内部も濾過池整水室上屋と同じ色、そして意匠が使われている

 
八角形の角の部分は、煉瓦をそれに合わせた特別な形に焼いて組み上げてあって、形に対する思い入れをうかがわせる。法隆寺の夢殿や開港記念会館の八角塔など八角形の建物は、日本の建築において円、すなわち完全を意味するもの。配水池という、あとは供給されるばかりのいわば完成した水道水をコントロールする機械を設置するにふさわしい形だ。
 


変形の煉瓦が角に積まれている

 
坑門は洗練された上屋とは好対照の重厚な雰囲気だ。
 


重々しい坑門は、守るというイメージに重なる

 


表面部分が少し欠けていて、中の構造が煉瓦作りだったことがわかる

 
上屋や坑門の設計は横浜市水道臨時事業部。設計者などの名前は残っていないが、横浜の近代水道施設としての誇りを感じる素晴らしい建築群だ。
 


屋根、煉瓦、大谷石の組み合わせが青空に映える

 
 
 
取材を終えて
 
クラシカルなデザインと印象的な色の組み合わせの6棟は、楽しい物語をひとつひとつが抱いているように見える。端正で歴史的に価値がある浄水場の遺構だ。
 


隣接した横浜水道記念館と水道技術資料館は申し込みなしで見学可能

 
自然のちからを利用して、未来を見据えたビジョンのもとに計画が進められた横浜の近代水道。明治時代から水源の森林を守る手当をはじめるなど、その先見性にも驚かされた。
 


動物の蛇口が見学の小学生に人気

 
 
― 終わり―
 
 
水道局お客さまサービスセンター
TEL.045(847)6262
市内の3つの浄水場(西谷、小雀、川井)と相模原市緑区青山の青山沈でん池の見学申し込みページ
http://www.city.yokohama.lg.jp/suidou/kyoku/torikumi/suidou-pr/kengaku.html
 
横浜市水道局 西谷浄水場
〒240-0045
横浜市保土ケ谷区川島町522

横浜水道記念館
横浜市保土ケ谷区川島町522
TEL 045(371)1621
入館料:無料
開館時間:午前9時~午後5時(最終入館時間は午後4時30分)
休館日:4月~8月・第1月曜日(祝日にあたる日はその翌日)
9月~3月・毎週月曜日(祝日にあたる日はその翌日)
・祝日の翌日(土・日にあたる日を除く)
  ・年末年始(12月28日~1月4日)
交通
・相鉄線上星川駅下車徒歩15分
・相鉄線和田町駅下車、相鉄バス約5分「浄水場前」下車正面
 

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  • ちなみにここ、桜のシーズンはちょっとした穴場。

  • 大人は夏になると幼児を連れて開放されている噴水に行く。小学生は社会見学で結構な人数が行っている。 が、大人はよほどの事がないと行かない。 でだ、「近代水道誕生記念の噴水。当初は桜木町駅前にあった。」と、もう1つ水栓が展示室にあるのだが、元あった場所に戻したらどうかね? その方がいろんな人の目に触れると思うけど。

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