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アートの力と人の絆で再生する街。はま旅Vol.77 「黄金町編」

ココがキニナル!

横浜市内全駅全下車の「はま旅」第77回は、地域の結束ナンバーワン!アートの力と人の絆で再生する街、黄金町駅周辺の旅。

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ライター:山口 愛愛

京浜急行、黄金町駅は「黄金町の『ちょんの間』ってどうなったの?」「黄金町に変わった建物が!この街は何をしようとしているの?」でも取り上げ、反響が大きかった特別な街だ。記者にとっても特別なのは、この界隈で育ったということ。

戦後、この一帯は、生活のためともいえる売春行為がさかんに行われ、その流れから風俗産業化がすすみ、違法な特殊飲食店の営業や売春行為が飽和状態にあった。今でも国道16号沿いを中心に風俗店が軒を連ねているのも事実。
2005(平成17)年には神奈川県警による違法特殊飲食店の一斉取り締りがあり、その後アートの力で街を浄化、再生させようと「黄金町エリアマネージメントセンター」の設立やアートイベント「黄金町バザール」などが開催されている。かつての「ちょんの間」は、作家のスタジオやギャラリー、カフェなどに姿を変えた。

それを踏まえた上で、街並みや店を覗いてみると一味違った感情が芽生えてくるだろう。さぁ、旅のはじまり。
 


高架下の改札の前にはバス停も。右へ300mほど歩くと市営地下鉄「阪東橋駅」



昭和の趣を残しつつ、変わっていく街並み



まずは伊勢佐木モールと大岡川の間の小路を歩く。
学生の頃に発砲事件が起こったり、自身もひったくりにあったり・・・。立ち止まっていると「いくら?」と聞かれたことも。
そんなことを思い出しながら、「シネマ ジャックアンドベティ」の前を通る。
 


黄金町を舞台とする「濱マイク」シリーズのアンコール上映をしたこともあり


2本立ての名画を上映するジャックと、単体のロードショウなどを上映するベティからなる名の知れた映画館。しかし、記者が子どもの頃は「横浜名画座」だったので、最初は馴染めなかったものだ(1991年に名称を変更)。2007(平成19)年に惜しまれつつ廃館となった「横浜日劇」と並んでいたのが懐かしい。

昔はこの近くに「コトブキ」という洋食屋があり、子どもの頃ナポリタンやオムライスを味わった。この辺りは戦後に米軍兵が占拠していた場所なので、小さな洋食屋が多く、未だその名残があるのだ。コトブキはとっくに店を閉めたと思っていたが、伊勢佐木モールへ移動していたことがわかった。モールに出てみると、発見!
 

場所は伊勢佐木町5丁目。実はこの写真にある出会いが隠されていた・・・
 

定番のオムライス(730円)は、しじみのみそ汁付で心和む味わい


最近のオムライスはとろとろの半熟卵やデミソースのものが多いが、これは昭和の郷愁を誘う王道の一品。柔らかい鶏肉がころころと入ったチキンライスは主張しすぎず、しっかりと焼かれた卵に包まれ、ケチャップといっしょに口に含むと味わいが完成される。なんだか母親の顔が浮かぶ。ほかのメニューもボリューム満点だ。
 


肉と、魚のフライ各3種類から選べるサービスセット(1000円)は満腹に


洋食でありながら、しじみのみそ汁に割り箸という、和洋折衷の具合がなんとも黄金町らしい。店は移転したが先代の後を継いで家族が営んでいると聞き、ほっとした。

店を出て、大岡川沿いを散策しながら、初音町の方を目指してみる。街の中にはアーティストの作品もちらほら。
 


高架下のキャンバスに描かれた「するめちゃん黄金町探訪編」サーモメーター作
 

初黄・日ノ出町浄化推進協議会のイベントで東小学校の児童が描いた作品
 

アーティストの作品ではないが、交番の上で街を見守る「イセタカ君」も見もの