開業わずか12年で廃駅になった鶴見臨港鉄道「本山駅」について教えて!
ココがキニナル!
JR鶴見線の、鶴見駅と国道駅のあいだに、駅らしき遺構がありますが、あれは何でしょうか?気になります(おにぎりさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
1930~1942年、わずか12年営業した鶴見臨港鉄道「本山(ほんざん)駅」の遺構。總持寺参詣のための駅だったが、戦時下の国有化で廃止に
ライター:ほしば あずみ
鶴見線の車窓から
JR鶴見線の鶴見駅と国道駅間の所要時間は約2分。そんなわずかな距離の間に、もう一つ駅らしきものが?
さっそく鶴見線に乗り込んで、その様子を確認。
車両先頭にスタンバイ
列車が発車してまもなく・・・
確かに駅の遺構らしきものが!
京急線の「旧平沼駅」のような線路を両側から挟む相対式ホームではなく、線路が両側を通る島式ホームらしいものが一瞬だが確かに確認できた。できた、と思う間もなく列車はカーブを描きながら鉄橋を渡り、次の国道駅へ到着。
そこで国道駅で下車し、歩いて先ほど遺構が見えたあたりまで引き返す。
位置関係はGoogleマップでしめすとこんな感じ(Google マップより)
はまれぽでもおなじみの国道駅を下りて鶴見駅側へ戻る
国道駅のレポートでも紹介したように、JR鶴見線は1926(大正15)年に貨物専用線として開通した鶴見臨港鉄道が前身。1943(昭和18)年、太平洋戦時下に軍事目的で国有化された。「戦時買収」といって鉄道会社22社が当時、国有化されたという。
そして、あの遺構のようなものは、その国有化の際に廃止された駅の名残なのだ。
営業期間12年の駅
駅遺構は以前「開かずの踏切」で紹介した総持寺踏切のそば。付近の歩道橋の上から確認してみると・・・
なんとなく駅の名残を見ることができる
この遺構は「本山駅(ほんざんえき)」跡。駅名は、曹洞宗大本山總持寺前にあったことに由来する。總持寺へ参拝するための、門前駅として作られた駅だった。
Googleマップで遺構の全体像と總持寺との位置関係を確認(Google マップより)
貨物線として開業した鶴見臨港鉄道は、1930(昭和5)年10月28日から電車で旅客輸送も開始。鶴見駅、本山駅、国道駅はその際に誕生した。