足元が洪水のよう!? 横浜市がオススメしていた謎の公衆トイレ「さわやかトイレ」の謎に迫る!
ココがキニナル!
横浜市が推進していた(?)「さわやかトイレ」はどのくらい残っている?狭いし、臭いし、足元に洪水のように水が流れて怖いので、極力避けていました(ぺっぺっぺさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
四方八方から水が迫る「さわやかトイレ」は現在13箇所で15基が現存。バリアフリーなどの観点から1997年に最後の新設以降、徐々に廃止している
ライター:松本 伸也
さわやかなトイレ?
今回は公衆トイレのおはなし。とはいえ単なる公衆トイレ(妙な語感だ)ではなく、立派に銘まで付いているシロモノだ。
その名を「さわやかトイレ」という。
まあ“単なる公衆トイレ”ね
寡聞にして見たこともなければ、名前だけではどんなトイレなのか想像もつかない。まあ“さわやかでありたい場所”であることは間違いないわな。
そんなことを感じるばかりだが、キニナルによれば「狭い」「臭い」という、さわやかよりはイケナイ公衆トイレの要素を残している感がある。しかしまあ、それは置いておくにしても「足元に洪水」ってなによ?
ナンダカワカラナイところだったが、ここでふと思い出した。“名前が付けられている公衆トイレ”といえば・・・。
そういえば1年前、こんな“銘あり公衆トイレ”に縁があった
「もしもし。『トイレ診断士の厠堂』のときはありがとうございました」
電話口からのご登場は、2014(平成26)年5月公開のキニナル「新横浜発『トイレ診断士の厠堂』の謎に迫る!」でお世話になった株式会社アメニティの内田康治(うちだ・こうじ)次長。
新横浜駅前の公衆トイレをメンテナンス費用の対価などで横浜市からネーミングライツを取得し「新横浜駅前トイレ診断士の厠堂」としている同社はトイレメンテナンスの専門家集団だ。そんなスペシャリストに「さわやかトイレ」についてうかがってみよう。
1年ぶりに登場の株式会社アメニティ・内田次長
「『さわやかトイレ』・・・?」
ちょっと待ってくださいね、その言葉とともに十数秒「ああ、分かりました、分かりました。すみません、私は名前を把握していなかったのですが、調べてみたら使ったことがありました」と話は続く。
「そのトイレはイメージとして“便器の中だけでなく、床全体から水が流れてくる”ものなのです」と内田次長。
ゆ、床全体から水!?
「いや、もちろん水浸しになっちゃうわけではないですよ(笑)。足を乗せる踏み板があり、その周りの床から水が流れる感じです。この仕様はトルコなどでよく見られ“トルコ式トイレ”などと称されることもあります」
トルコが誇るオリンポス山。トイレに行くのを“山に行く”なんて言いますしね
(写真提供:横山広治氏)
うーん、やはりこれは実地でないとナンダカワカリマセンな・・・ところでトイレの専門家として、この「さわやかトイレ」導入の意義などは感じましたか。
「うーん、そうですね・・・。この仕様の場合、いわゆる“大小兼用の和式便器”となるのですが、そこでおしっこをしますと、思った以上に周りに飛び散っているんです。これはぜひご家庭でのお掃除でも覚えておいてください(笑)。それが便器の周りにも水が流れることで、一緒にキレイにできるというのはあるでしょう」
それは大変・・・(フリー画像より)
「ただメリットもありますが、デメリットも気になります」と内田さん。
「単純な話なのですが、踏み板の周辺に多量の水が流れるので、多少でも踏み板や周辺に水の飛び散りがあります。そうすると飛び散った水の影響で足元が滑りやすくなりますよね。こと強い踏ん張りをする場合もありますので(笑)、危険かと思います」
「あと、靴底の土などが水によって付着しやすくなるので、お手入れの手間が増えます。当社の場合は“汚れを落とす”よりは“汚れを防ぐ”のを主眼にしているので、特にそう感じるのかもしれませんね」
とても足元が重要な態勢(撮影協力:ボルダリングジムRock&Wall)
なるほどなるほど。よくわかりました・・・。
「まあ、実際にご覧になっていただくのがいちばんですよね。私が出会ったのは・・・そうそう、山下公園近くの駐車場にあるトイレでしたよ。ご参考になりましたら」
勉強になりましたが、たしかにこれは見てみないと始まらない。内田さん、ありがとうございました!の御礼とともに中区山下町に飛んだ。