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鎌倉の建長寺、「華厳塔」再建計画はどうなってる?

ココがキニナル!

鎌倉の建長寺で華厳塔の再建計画があるらしいのでどうなっているのか取材してほしいです。(できれば、円覚寺の華厳塔跡と、鶴岡八幡宮の多宝大塔跡も取材してください。)(にゃんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

建長寺では、開山750年大法要(2028年)に向け、鎌倉時代の「華厳塔」を再建しようと、詳しい研究を始め、浄財を募り始めている。

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ライター:吉岡 まちこ

まずは

10分の1

サイズの小宝塔が完成!



今回なぜ急に「華厳塔」を再建しようという動きになったのか。
それは、創建当初から数え第二百四十世に当たる吉田正道管長には、開山僧・蘭渓道隆の没後750年という大きな節目の遠諱(おんき=大法要)に合わせ「復元して信仰の柱にしたい」という悲願があるからだ。遠諱は16年後、2028年だ。

完成予想の10分の1の模型があると聞き場所を教えてもらったら、宗務所に来るときに通り過ぎていた法堂(はっとう)の中だった。
 


華厳塔の模型があるのは、この法堂の中。右は本殿
 

出入口にさりげなくある
 

模型は、小宝塔という名前の五重塔だった


模型と聞いたのでもっと小さいと思ったら、見上げるほど立派で美しく「小宝塔(しょうほうとう)」という名前があった。
高さ3m。総檜造り。2009年には塔内に本尊の毘盧舎那仏(びるしゃなぶつ)を安置し、開眼供養も行ない、今は一般公開されている。
 


一番下の階の扉の奥にはちゃんと本尊・毘盧舎那仏が…!
 

日本では他に類を見ないといわれる唐組三手先詰組(軒を支える部材の組み方) 


小宝塔とはいえ、本物の五重塔を造るのとまったく同じ技術で細密に作られている。
長野県諏訪市の宮大工、
北原佐吉さんと息子の英樹さんが3年がかりで作ったそうだ。
北原さんは、諏訪神社にある建造物や、宋代様式の禅宗寺院をいくつも手がけている棟梁だ。

吉田正道管長は今から10年ちょっと前、鎌倉の扇ヶ谷にある海蔵寺の岩船地蔵堂の復元に携わっていた北原さん親子の仕事に目が止まり、華厳塔復興の願いを打ち明けたそうだ。
 


岩船地蔵堂。亀ヶ谷切通しの口にあたる住宅街にひょっこりある


この小宝塔をきっかけに再建の機運を高めようと、建長寺では昨秋より「華厳塔 復興祈願」として写経に訪れる人から1,000円の志納金を募ることにした。
 


こんなポスター発見。写経会は予約なしで毎日開催


「写経の志納金は、いつか復元したいねという願いを実現するための足がかりです。それだけではそれこそ30年、50年先になってしまうので、いつかは大きく呼びかけてご寄付をお願いしなくてはなりませんが、まず行動を起こし、華厳塔の復興にとりかかったことを広く知っていただきたいと願っています」とのことだった。


取材を終えて



小宝塔は見ればみるほど細部にいたるまで美しいものだった。が、10倍にしたら30ⅿを超えてしまう。ここで、新たな建造物の高さを制限する古都保存法の問題も出てくるそうだ。
実現するにはまだ調整することが多くあるが、「華厳塔」復興は実現に向けて一歩ずつ進んでいる。

ところでなぜ「華厳」なのかずっと疑問だった。「華厳は一人一人の花で世界を飾ろうという思想です。華厳塔は、みんなの心を一つにし美しい世界を実現するその象徴です」と教わった。
北鎌倉で、塔を見上げ無心の境地になれる場所があれば嬉しいと思い、私も写経してきた。

尚、今回同時に報告できなかった円覚寺の華厳塔跡と鶴岡八幡宮の多宝大塔跡に関しては、次の機会に掲載したい。どうぞお楽しみに。

― 終わり ―
 

 

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  • いつも取材ありがとうございます。円覚寺の華厳塔跡と鶴岡八幡宮の多宝大塔跡はどうなりました?

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