シーサイドライン、鉄橋のようなものの謎。そして並木北駅だけ地上の理由は?
ココがキニナル!
シーサイドラインで並木中央と幸浦の間だけに鉄橋のようなものがあるのはなぜ?(satogonjさん)/なぜ並木北駅だけ地上駅となっているのでしょうか?ちょっと不自然で不思議です。(熊太郎さん)
はまれぽ調査結果!
鉄橋区間は下に首都高のトンネルがあり、柱をたてられないためトラス橋を採用。並木北駅前後は道路と交差する所がないため、費用削減できる地上駅に。
ライター:橘 アリー
安全と環境のために
横浜新都市交通株式会社の全景
対応して下さったのは、総務課の二葉さんと、技術部工務課の矢ノ目さん。
二葉さん(左)と矢ノ目さん
―並木中央と幸浦の間の鉄橋のようなものは何でしょうか?
あれは、三角形を基本単位とした構造骨組の橋梁で、正式な名称は、「単純下路トラス橋」といいます。
横から見ると、しっかりとした三角の形が連続している
―「単純下路トラス」というのは、具体的にはどのようなものでしょうか?
まず、単純というのは、2つの橋脚でトラス構造(部材を三角形の基本形状として組み合わせた構造)を支えるもので、いくつかの橋脚で支えるものは連続トラスと言います。
下路とは、構造物の下部に軌道を設置する構造の橋です。これは、軌道の下の空間に余裕が少ない場合に採用する形です。
手前側と奥側にある2本の橋脚
―ここのトラス橋の下に何かあるのですか?
はい、国道357号と首都高速湾岸線(トンネル)が交差しています。
それらがあるのが、このトラス橋の存在理由にもなっています。
トラス橋の下にトンネル部分があることが確認できる(Googleマップより)
車両基地から出て来た車両がトラス橋の下を通っている
―それでは、ここだけにトラス橋がある理由は?
高架橋の柱の設置間隔は、シーサイドラインの場合25m~35mを標準としていますが、この区間については、首都高速湾岸線のトンネルが下にあるため、橋脚間を116mとしました。そのため支間長(橋梁の支点から支点までの距離)・桁下高等を考慮し、構造上安定であることと経済的であること、同時に維持管理の容易なトラス橋形式としました。
トラス橋を通るシーサイドラインの車両
なるほどそういう理由があったのかと、まずはあの頑丈そうな橋の存在理由が分かってスッキリした。
後は、地上駅である理由だ。
―並木北駅だけが地上駅であるのはなぜですか?
並木北駅前後の路線は、金沢緑地が並行して整備されているため、シーサイドラインを横断する道路がありません。そのため、走行路(並木北駅を含め)を地上に建設することが可能となり、約380mを地上に設け、建設費の低減(建設計画時の試算で約8億円)を図りました。
連絡通路から見た地上を走っているシーサイドラインの車両
金沢緑地の案内板
緑地の中の遊歩道の様子
この金沢緑地には遊歩道が作られている。工業地帯に接している緑地は、ささやかだがホッと一息つける癒しの空間だ。
まとめ
取材の最後に、もう少し地元の人のお話しを聞いてみたくて並木北駅へ行ってみた。
そこで、地元の小学生たちの中で広まっている、ジンクスのようなものがあると教えてもらった。それは、「緑色の車両を見ると、その日はラッキーデー!!」というものだ。」
いろいろと教えていただいた、近くにお住まいの吉田さん
シーサイドラインの緑色の車両は本数が少ないようで、その車両を見るとその日はラッキーな一日になると、ウキウキするそうだ。
また、運転席に乗る事が出来る新型車両があり、それに乗るとジェットコースターのような感じがして楽しいそうである。
昨年から随時導入されている新型車両の展望スペース(2000型車両パンフレットより)
並木中央駅の辺りから幸浦駅の辺りで、視界が良いと富士山が見えるという。
シーサイドラインに乗って、そんな楽しみを味わってみてはいかがだろうか。
― 終わり ―
ゆっかさん
2012年09月29日 00時57分
小学生の頃は、並木北が地上駅の理由が「地盤が柔らかいから」という説が流れていました。いままで、それをずっと信じていたのですが、「経費削減」とは思いもしませんでした。本当の理由が知れて、面白かったです。
ATHLETE1966さん
2012年07月22日 12時35分
通勤でシーサイドラインは使用しています。並木北駅のほうは 一度だけ新人の頃、会社の同僚と仕事帰りに乗車したことがあります。もともとの通勤コースはJR根岸線とシーサイドライン鳥浜駅を使用しています。今でも、仕事が終わったらシーサイドライン鳥浜駅からJR新杉田駅下車で根岸線から関内駅下車なので乗り換えではあります。今は並木北駅で下車したり乗車したりしてないので詳しいことが分かりませんでしたが参考になりました。(笑)