桜咲く頃はレトロ&まったりのお散歩へ。はま旅Vol.2「根岸編」
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第2回は、レトロ&まったりが楽しい根岸駅。「森林公園」の桜と昔風な商店街は外せない!
ライター:吉澤 由美子
レトロな空間と解放感たっぷりの港
焼きたてのお煎餅を食べてパワーチャージ。
次に行くのは、国道16号沿いにある横浜市電保存館。
団地の1階に博物館があるらしいという噂を耳にして、かねてから興味のあった場所だ。根岸駅から歩くと20分くらい。
滝頭の市バス車庫の隣にある集合住宅の1階がそのようだ。
入口は国道16号とは反対側にあって、市電の大きな車輪と架線用ポールが目印だ。
入場料は大人100円とリーズナブル。
武骨でキュートな市電が並ぶ。
一番奥には、大正2年、本牧にあったキリンビール工場のビールを運ぶための無蓋貨車も
足で押すと懐かしい「チンチン♪」と鐘が鳴るスイッチも
「御注意」という警告プレートがなんとも素朴でいとしい
地図を見ると、根岸駅の反対側には海がある!ちょっとそこも覗いてみようかな。
国道16号をずんずん進んで、根岸線と貨物、高速を越えるとコンビナートがあって、工場萌えな風景の中にヨットハーバーがある。
コンビナートの中のヨットハーバー。ミスマッチでシュール
ヨットハーバーのすぐ手前には磯子第二ポンプ場雨水滞水池の上に作られた「海の見える公園」がある。
「港の見える丘公園」に似た名前にしない方がよかったのにと思いつつ階段を上る。
小高くなっているので眺望は抜群。解放感たっぷりの場所だ。
海を背にした風景は、高速あり電車あり、根岸の丘あり
公園の一角に、玉ねぎ(たぶん)が植わっている畑があった。子どもたちの体験学習に使われているらしい
昔風の商店街 「浜マーケット」
そろそろ夕方だし、野菜を見ていたら買い物したくなってきた。
だったらレトロついでに「浜マーケット」に行くしかない!公園から国道16号に抜けて、磯子の方に少し行ったあたりに、浜マーケットの入り口がある。戦後の闇市が発展して昭和29年(1954年)にアーケードができたというこの商店街は、今でもとびきり安くて活気がある。
ぱっと見た感じは単なる八百屋さんみたいだけど、真ん中の通路が奥へと細いアーケードになっている
八百屋に肉屋、かまぼこ、金物、和菓子、漬物、鶏と卵、花屋にパン屋、仕立てからリフォームまでしてくれる洋装店とバラエティに富んだお店がぎゅっとつまったアーケードは、昭和の香りが今も残る貴重な場所だ。
安くてデカいフライ系惣菜たち。店内でどんどん揚げているのに、ばんばん売れていく
中ほどにあるお肉屋さん、「グルメショップ カネヒラ」の前はとくに人が多い。
なんとか買い物客が途切れたと思って写真を撮ったら、大半が売り切れ状態。
揚げたてが次々に追加されてきている合間を縫って、豚ロースカツ170円や長いイカフライ90円、でっかいナス肉詰フライ80円、一番人気の三角コロッケ90円を購入。
シャイでいなせで気風のいい二代目。三角コロッケは、じゃがいもの香りがしっかりしていてホクホク
入口と出口にある八百屋さんで三浦大根1本50円などの野菜も買いこむ。
入口近くの休憩所でちょっと座ってひとやすみ。家が近所だったらきっと毎日通っちゃうな。
国道16号とは逆になる出口にも八百屋さん。赤いレジ袋がここのトレードマーク
根岸はレトロ風味でアタリの福袋みたいに楽しい
広々とした公園では子どもたちが本当にノビノビと遊んでいた。
どんなに暴れても大声を出しても迷惑にならないくらいたっぷりしたスペースがあるので、大人も同じ場所でのんびり桜を楽しんでいる。リーズナブルでまったり楽しめる博物館や、活気のある昔ながらの商店街もある。一日歩いてずっしり買い物もしてたっぷり疲れたけど、根岸がこんなに面白い街だったとは。
おおらかでゆったりした、懐かしい昭和の香りが残る街、根岸。
ストレスがたまりがちな昨今、ふっと体の力を抜いてリラックスしたい時に訪れてみたらどうだろう?
■今回のはま旅 「根岸駅」周辺
・「手焼きせんべい雷神堂横浜根岸店」 横浜市磯子区西町12-1
・「横浜市電保存館」 浜市磯子区滝頭3-1-53
・「浜マーケット」 横浜市磯子区久木町20-5
― 終わり―