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ココがキニナル!

横浜市にある文化財の宝庫三溪園、その三溪園を作った原三溪さんってどんな方だったんですか?キニナルので取材お願いします。(にゃんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

本名、原富太郎。生糸の製糸業,・輸出業で財を成した実業家だが、その私財を、文化・芸術の保護や震災復興などに充てた文化人でもある。

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2012年12月23日

ライター:河野 哲弥

三溪園(外苑)開園まで

原三溪は1902(明治35)年、官営工場であった富岡製糸場を、三井家から譲り受ける。その裏には、「現三井物産の創始者である益田鈍翁(どんおう、本名・益田孝)との深い交流があった」と、吉川さんは話す。原三溪を取材していて不思議に思うのは、こうした著名人との、度重なる出会いである。

当時生糸は、相場によって値段が左右された、投機的な事業だった。それにもかかわらず堅実な経営を続けていた原三溪は、財界人や著名人から一目置かれていた存在だったのかもしれない。
 


群馬県にある現在の富岡製糸場の様子(画像提供・富岡市観光協会)


また同年、原三溪は、栃木県大嶋製糸場内にあった「皇大神宮」や「待春軒」などを移築する。これらは、三溪園の東側、後に「外苑」と呼ばれるエリアに集められた。

清水さんによれば、「原三溪はこのとき、故郷である岐阜の田園風景を再現しようとしていたのではないか」とのこと。したがって外苑は、神社や旧家など、普段人が接する機会の多い建物が中心となっている。

ちなみに、その一部は、残念ながら関東大震災や第2次世界大戦で消失してしまったそうだ。
 


今は残っていない「田舎家」のかつての様子(画像提供・三溪園保勝会)


その後の1906(明治39)年、外苑は一般公開され、三溪園として開園された。入口の看板には「遊覧御随意三溪園」と書かれ、横浜市民の、格好の憩いの場となったようだ。
 


開園当時の入口の様子、まだ和服姿の女性が写っている(同上)


原三溪が本格的に歴史的建造物の移築に乗り出したのは、実は、この後である。この段階では、一般公開部分(現在の外苑)の造成を優先し、市民に向けてレジャーの場を提供するとともに、歴史上の人物ゆかりの建物を置いて、自然に日本の文化に親しんでもらうことを意図した。



内苑の完成と関東大震災

外苑が一般市民の憩いの場であったのに対し、内苑は原三溪がプライベートに使用していたエリアである。彼はここに、桃山時代から江戸時代に建てられた歴史的建造物を、次々と移築していった。
 


内苑の中心的な建物「臨春閣」から見た、庭園の様子


吉川さんはこうした動きについて、「背景に当時は茶の湯が、財界人たちの交流手段だったこと」に加え、「廃仏毀釈(きしゃく)の後、西洋化が進む世相に疑問を感じ、日本の伝統文化を保護しようとしたのではないか」と話す。

その後内苑は、1922(大正11)年の「聴秋閣」の移築をもって完成することになるが、いわばこちらは、日本古来の美を凝縮したテーマパークといった趣旨になるだろうか。
 


豊臣秀吉が母親の長寿を願って建てた寿塔を納めた「旧天瑞寺寿塔覆堂(おおいどう)」


そうした中、皮肉にも、内苑完成の翌年に関東大震災が発生した。
原三溪はこのとき、横浜市復興会会長や横浜貿易復興会理事長を務め、海外貿易の中心を神戸港に移す動きに対し、私財を投じて横浜の復興に貢献したそうだ。また、「復興小唄」を自らプロデュースし、1925(大正14)年にはレコードにしてリリースしたとのこと。
そこには、文化だけでなく、横浜の保護者としての姿が伺える。政界に入ろうとせず、一文化人・一財界人として社会貢献に尽くした原三溪を、吉川さんは、こう評している。
「常に表に立つことを避け、困ったときにだけ現われる人物」
まるで、ヒーローさながらの描写である。

その後の1939(昭和14)年、第二次世界大戦に向かう時代を前に、近代国家として成長した日本の姿を見届けるかのように、原三溪は人生の幕を閉じた。



茶店「小島屋」に聞く、原三溪外伝

さて、保勝会以外にも、原三溪の人物像を伺ってみよう。
三溪園開園数年後の明治40年代から続くという、同園入口付近にある「小島屋」を訪ねてみた。
 


同園を訪れる人にはおなじみ、「小島屋」外観
 

ご主人の小島さんと、店内の様子


ご主人は、当然、開園当時は生まれていない。したがって、祖父や父親から聞いた範囲でしか話せないそうだ。それによれば、善三郎氏時代には、ここから桜木町方面を見渡すことが可能だったらしい。そして、善三郎氏を乗せた馬車がこちらへ向かってくるのが見えると、同店の前に原家のお手伝いさんら50人余りが、ずらっと出迎えに並んだそうである。

携帯電話などの連絡手段がなかったころの話である。「おそらく、そのために監視をしている専門の人がいたんだろうね」と小島さんは話す。
 


小島屋に飾られる、まだ「三重塔」がなかったころの同園
明治後期の写真と思われる


一方、原三溪についての話は、不思議と聞いたことがないそうだ。常に目立つことを避けていたという人物像が、間接的ではあるが、こんなところにもうかがえる気がする。



原三溪をもっとよく知るイベント

原三溪は、決して成金趣味を自慢したかったのではない。日本の田園風景と文化の保護という理念を持ち、それを一般公開することで、社会貢献に尽くした人だったのだろう。
こうして、貴重な重要文化財が残された三溪園は2007(平成19)年、国の名勝に指定された。三溪園開園の101年後のことである。
なお同園では、2013年1月1日から3日までの3日間、原三溪の自邸であった「鶴翔閣」の内部を特別公開する「三溪園で過ごすお正月」を開催。入場無料(入園料は別途)。その人となりを感じるまたとない機会を、ぜひ、利用してみてはいかがだろうか。


―終わり―


◆三溪園
http://www.sankeien.or.jp/
横浜市本牧三之谷58-1
tel/045-621-0634
営業時間/9:00~17:00
休園日/12月29日・30日・31日
 

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  • 最後の写真のキャプションに、まだ「三重塔」がなかったころの同園と書かれています。しかし、もう少し詳しく説明すると、画面右中央の水色で塗られているのは三渓園の池ではなく水田です。画面中央やや上方にピンクで塗られているのは桜道の桜です。三渓園はその先極僅かしか映っていません。お間違いのないように。

  • 原(善三郎)邸が後の野毛山公園となったわけで(関東大震災で倒壊後に市に譲渡)、そりゃもう今から想像つかない資産家だったわけで、見事な逆玉に恵まれたわけですね。

  • 「復興小唄」とはどんな唄だったのか 知りたいですね。

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