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横浜市の日本語教育事情は今、どうなっているの?

ココがキニナル!

国際都市横浜には外国人の方もたくさん住んでいるので、日本語教育の需要も高いと思います。日本語学校も数多くみかけます。横浜市の日本語教育事情を取材してください。(ryoryoさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜市教育委員会は日本語学習支援が必要な生徒に対して「日本語教室」と「国際教室」を開催し、支援している!

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ライター:松宮 史佳

日本語教室を見学(つづき)

授業後、「フィリピンから来日して1年」という男子生徒にインタビューを敢行!日本語の勉強法は「子どものTVを観たり、CDを聞いて勉強している」とか。日本語の難しいところは「全部」! 母国語がタガログ語&非漢字圏なので、おもしろいのは「漢字」だとか。

バックグラウンドがないため、通常の授業では「国語や社会などが難しい」と感じるそうだ。以前、松宮が取材した国際ラウンジにも通っているという勉強熱心な彼は「わずか1年で小学3年生の日本語レベルに達した」と講師の方。
最後に夢を聞くと、「もっと日本語ができるようになったら、フィリピンの文化を日本人に紹介したい!」と答えてくれた。
 


(左から)荒木先生・車谷(しゃたに)先生・砂山先生・頼田先生にも話を伺った


生徒は「日常会話レベルはすぐ話せるようになる」が、「受験レベルとなると非常に大変」と講師の方。ならば「もう少し通える回数を増やせないものか」と思うが、「通常の学校生活を大切にしてほしいので、週2回と決められている」のだとか。

次に、もう1つ教育委員会が担当する「国際教室」について森さんにお話を伺うことに。



国際教室って何?!

「国際教室」は外国籍の生徒が多く通う前出の「港中学校」や鶴見区の「いちょう小学校」など、市内にある小中学校内の64ヶ所に設置されている。

1クラスは50分(小学校は40分)で通常の授業と同じ。参加する回数は「来日直後の生徒は毎日」「3ヶ月から1年未満の生徒は週3回」「1年以降は大体週1回」と生徒により異なるそうだ(学校にもよる)。国語や社会、理科など「ついていくのが難しい授業を抜けて参加する」そう。「どの授業で抜けるのか」は国際教室の教師が調整する。


多くの外国人が住む神奈川県では、日本語教育が必要な外国籍の生徒が「5人以上の学校には1名、20名以上は2名の教師が国際教室に加配される」と森さん。だが、「教師の加配は最大2人まで」。つまり、外国籍の生徒が100人在籍する場合でも「教師は2人しか増員されない」のだ!・・・これは大変。「国際教室」を取材して「現場の声を聞きたい!」ということで、またまた別日に「国際教室」が設置されている「港中学校」へ!



実際に国際教室を見学!

国際教室を担当している熱海(あつみ)まき子先生にお話を伺いながら教室へ。熱海先生によると、「港中学校」の全校生徒361人のうち、“外国籍”または“どちらかの親が外国人”など、「4分の1は15か国の外国と関わりがある」そうだ。
 


校内には中国語と英語の表示が


熱海先生は4年前に「港中学校」に赴任。中国籍の生徒が多く、また使用する必要性があったことから「耳で覚え、独学で中国語をマスターした」とか! 「国際教室」担当の先生は通常業務のほかに「ボランティアや他団体などへの調整・連絡」や「取材への対応」なども行わなくてはならず、かなり大変そう。

と、ここで「国際教室」が行われる教室に到着! この日は中国籍の生徒が多かったが、クラスには「ロシアやフィリピン国籍の生徒もいる」と熱海先生。

生徒の日本語レベルは初級から上級でそれぞれ3つのグループに分かれている。初級では、熱海先生が“お腹が痛い”、“頭が痛い”など、実際に自分のお腹や頭を触りながらマンツーマンで中国籍の女子生徒に生命の危険などを知らせる「サバイバル語」を教えている。座る椅子にも意味があり、「すぐにジェスチャーできるよう丸椅子に座っている」そうだ。

一方、上級では国語の教科書を読み、守田先生が「ここまでわからないことは?」と中国籍の男子生徒2名に質問。少人数制で通常授業のフォローを行っているようだ。

「港中学校」では全教科ルビ付きでテストを受けることができる。「国際教室」の中には「1年ほどで国語以外は学年トップになる生徒もいる」と熱海先生。数学や理科は母国語で学んだ土台があれば力を発揮できる。だが、どんなに優秀な生徒でも「やはり国語は難しく、受験はとても厳しい」。

横浜市内に外国人枠がある高校はわずか3校しかなく、非常に倍率が高い。そのため、たとえ優秀であっても「外国籍の生徒は定時制に行くか、進学をあきらめてしまう生徒が多いのが課題」だそうだ。



取材を終えて

取材をしていると、アメリカの大学に留学していた時に“どんな教科の試験も結局は英語の試験”だったことを思い出した。だが、外国で育った子どもが日本の小中学校に編入し、漢字がある日本語を勉強しなくてはならないのはそれ以上に大変だと思う。なかなか難しいと思うが、勉強したいという子どもが進学できるような環境ができることを願いたい。


―終わり―

 

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