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野毛のバー「つかれたおじさんの店」に疲れきったおじさんが集まっているってホント!?

ココがキニナル!

野毛にある「つかれたおじさんの店」という看板がキニナル。のぞいてみたいけど少し怖いです。マスターが疲れているの?それともお客さんが?(cowboyさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

バー「カントリー」は人生経験豊かなマスターに癒しを求めたお客さんが集う店。40~70代の男性客が「家飲み」感覚で来る大人のためのくつろぎ空間

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ライター:三浜 詩央

マスターが憧れた「カントリー」。脱サラして出店へ



「カントリー」が野毛に開店したのは約8年前。30年間、鎌倉で食品関係のサラリーマンをしており、マスターがランチタイムに足繁く通っていた同じ名前の「カントリー」という飲食店があった。

「500円でカレーや牛丼などをランチセットで食べられる店があってね、入るたびに店構えが変わるおもしろいお店だったんだよ。マスターが自由なことをやっていて、憧れも抱いたし、同じ男として嫉妬も覚えた。その店の名前が『カントリー』。8年前に店をやろうとしたとき、亡くなってしまったマスターの奥さんに頼んで、お店の名前をもらったんだ」 
 


鎌倉の「カントリー」のマスターの写真が店にも飾られている
 

長いサラリーマン生活のなかで、「自己表現をしたい」と感じた白石さん。「本当にやりたいことをしたい!」と、自由に生きるため直感で「バーを経営する」と決めて脱サラ。

出店する場所を探して井土ヶ谷や蒔田などさまざまな地を見て回ったが、たまたま入った不動産屋さんで紹介されたこの店のカウンターを気に入り、野毛に出店する決意をした。
 


これがマスターの惚れ込んだ、年季の入ったカウンター


「自己表現の場」としてバーの経営を選んだものの、「まずは食べていかなきゃいけない。飲食業の経験なんてなかったから、最初は『サントリーの角』5本だけを置いてで開店してさ、ここに寝泊りしてたよ。じつはお客さんが来るのが嫌だった。だって来られてもちゃんとおもてなしができないから!」とのこと。

なんという勇気と行動力・・・と感服する筆者。
 


「横浜大桟橋診療所」の看板は「拾ってきた」とのこと

 


疲れているのはマスター、客、人間みんないっしょ



看板に「つかれたおじさん」と書いたことについては、「普通のお店をやってもしょうがないと思った」から。また、「サラリーマン時代、金銭的に苦労をしたことがあるので、その人生経験を語ることができるし、来る客もまた孤独な気持ちを持った常連さんが多い」という。大企業の社長が1人で来店することもあるそうだ。

「誰かと話すこともひとつの自己表現。愚痴を言ったり、自分の素の姿を出したりしてもらえるような空間にしたい」と白石さんは続ける。

そんなマスターが出してくださったのは、サントリー角のハイボール。
 


ハイボール(700円)。値段はその時によって違うそう
 

「そりゃあうちの店は入りにくいよねえ。だってどこもメニューや値段が書いてないんだもの。適当に水割り700円~とか書いといて」とかなりアバウト。価格はマスターが相手と相談して決めるそう。

ちなみに「食事のメニューは?」と聞くと「ないないないない!」と言われた。日によってはナッツなどの簡単なおつまみを出すことはあるそうだ。食事をしたい人には、近所の店から出前をとって食べてもらうこともあるという。
 


カウンター奥に積まれたCDと缶詰の山
 

横浜で生まれ育ったマスターは、同じく横浜出身である柳ジョージの大ファン。なかでもオススメだという往年のライブDVDを見せていただきながら、いろいろなお話を伺う。
 


DVDが観られるほか、カラオケもできる
 

「みんな人間淋しいんだよ・・・」
「人生って、諸行無常だよね・・・」
「人生短いんだから、自己表現していこうよ」

などなど、人生経験を積みに積んだマスターからは哀愁の漂う言葉がぽつぽつと出てくる。弱冠21歳の三浜にはまだ想像もつかないような厳しい社会に揉まれたのだろう。

また、白石さんは大さん橋の近くにもう1店舗クレープ屋さんを経営しているとのこと。はじめは「海辺のホットドッグ屋さんなんて格好よさそう」という理由でホットドックを提供していたそうだが、今ではあとから提供を始めたクレープが人気でクレープ屋に変えたとのこと。
 


店先の様子。店名は「AREA ONE(えりあわん)」


土日のみ営業している「AREA ONE」。店名の由来は大好きな柳ジョージの歌『フェンスの向こうのアメリカ』中に出てくる「♪AREA ONEの角を曲がれば お袋のいた店があった」という歌詞から。

2つの店を経営し、野毛の人々とも盛んに交流を持っているという個性豊かな白石さん。確かに「カントリー」は、一見さんでは入りにくい店かもしれない。しかしひとたび扉を開けば、人生の相談相手となってくれるマスターと、懐かしい雰囲気の空間で本音を吐き出しながら飲む「美味しいお酒」と出会うことができるだろう。

「おじさんでも自己表現したい、何かをつきつめた“変態”になりたいよね」と笑う白石さんは、疲れているどころかまっすぐに輝いて見えた。
 


取材を終えて



5月は7日間しか営業しなかったという「カントリー」。実は一度筆者が訪れたときも店が閉まっており、取材ができなかった。遅いときは深夜2~3時まで営業しているそうだが、客がいないと0時頃に閉めてしまうらしい。もし興味を持った方がいたなら、少し早めの来店をおすすめする。

まだまだ筆者にはふさわしくないオトナのお店かとはじめは恐縮してしまったが、たくさんのありがたいお言葉をいただき、心が軽くなった気がした。
 


疲れも吹き飛ぶ、ゆったりとした時間を過ごせた


いつも開店しているとは限らないが、「なんだか疲れたな・・・」と感じた時には、ぜひ「つかれたおじさんの店」を思い出してみてほしい。
 

―終わり―
 

カントリー
住所/神奈川県横浜市中区野毛町1-45 港興産ビル3号館2F-5

電話/045-241-9988
定休日/基本的に日曜日

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  • 先日、友人と初めて『カントリー』に行ってきました。いや・・・・本当に奥深いお店です!マスターの話と柳 ジョージお歌は私の心に沁みました。また是非行きます。        ミニ電動コケシ

  • 野毛の飲み屋は意外に高めのところが多い。(本文とは関係ないですけど…。)

  • 野毛ホルモンセンターは,PM7:00迄 ハイボール50円~ん。(関係ないけど)

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