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地震発生直後1時間が生死を分ける? 大地震を想定したゲーム「J-DAG」ってなんだ?

ココがキニナル!

関東大震災から90年、東海地震も30年以内に発生する可能性が指摘されています。震災発生時の被害や混乱を想定したゲーム「J-DAG」がキニナル(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜の市民グループのメンバーが考えたもので、地震発生1時間で起き得る被害をリアルタイムでシミュレーションして災害への備えをする「減災ゲーム」

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ライター:はまれぽ編集部

J-DAGってどんなゲームなの?

(つづき)

当日は体験会と同日の9月19日午後0時45分、東京湾北部を震源とする地震が発生。横浜でも震度6弱~7強を観測し、停電も各地で発生。携帯電話や通信機器は使えない、という想定で行った。

参加者はまず、ブロックに分かれて仮想自治体を組織。寝たきりや歩行困難など避難が難しい人はいないか、その時間に外出している人はいるのかなど、ブロックごとの住民情報を把握することから始めた。
 


ブロックごとに住民情報を洗い出す作業
 

情報整理を行い、全員が把握できるようにする


参加者は指示書で「火災が発生した」という内容を受けると、備蓄庫や手持ちの消火器を持って現場のブロックに向かい救助活動を行った。
 


本部との連絡はトランシーバーで
 

「備蓄庫」から必要な資機材を探す


発災から25分後には「家屋が半壊してドアが開かず、住民が閉じ込められている」という指示があり、備蓄庫にバールやチェーンソーを取りに行ったが、「鍵がかかっていて資機材を取り出せない」といった状況が想定されており、本部へ鍵のある場所を確認すると同時に「ブロックからバールを持ってきて、無理矢理こじ開けてはどうか」などの話し合いも行われた。
 


時間の経過とともに被害が増えていく


しかし、救助される側のブロックからは「助けるだけでなく、救助後に避難所へ搬送するためのタンカや車いすのようなものも持ってきてくれればよかった」などの意見も出た。
また、「独居の高齢者や歩行困難者らは一時避難所に集まってもらった方がいいのでは」と指示書にない活発な意見も交わされた。参加者は刻一刻と変化する状況に戸惑いながらも、自身の役割を認識しつつ個別の案件に対応していった。

体験会後は参加者全員が行動を振り返って意見交換を行った。なかには「もたもたしている間に、指示だけが増えていった。本番でなくてよかった」「屋根の下敷きになった高齢者がいるという指示で、その家を特定できなかった。情報の認知が足りなかった」と現実ではあってはならない事態も起きていた。
 


行動を振り返る参加者


参加した緑区の村上さんは「災害時には瞬時の判断が求められることを実感した」
と振り返る。大学で教員養成課程の教員をしている中区の浜野さんは「自身もそうだが、教員になる学生が、将来自分の教え子にこういう経験を伝えてくれれば」と話していた。

J-DAGは11月21(木)に神奈川大学「KUポートスクエア」で行われる「実践的防災まちづくりコーディネーター養成講座」(6回連続講座、有料)の一環として体験できるので、興味がある人は参加してほしい。



取材を終えて



ゲームとはいえ、刻々と変化する状況は、まさに震災直後の疑似体験ができるのではと思った。
実際に発災した場合は時間との勝負だが、一度でもこういった体験をしておくことが震災への備えになるのではないだろうか。これが繰り返し練習できる環境があれば、少しでも尊い命を救えるのでは、とも感じた。片山さんも「将来的には全国的に浸透させ、1人でも犠牲者を少なくすることができれば」と話している。

しかし、課題も一つあるのではと感じた。“J-DAG”は、あらかじめ家族構成や歩行困難などの健康状態、外出先の情報が完璧にそろっている状態でのスタートだが、現実の自治会は、そこまでの情報を把握できているだろうか、ということだ。

集合住宅となれば「隣の住民がどういう人か知らない」ということも少なくない。大規模災害時には自分や家族だけの力でどうにかなるという問題は決して多くないはずだ。
近隣とのつながりが薄れつつある今こそ、コミュニティーのあり方を見直してもいいのではないだろうか。


―終わり―
 

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