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全国で1校だけ! 横浜の「ハンコ職人専門学校」ってどんなとこ?

ココがキニナル!

日本で唯一のハンコ職人の学校、神奈川県印章高等職業訓練校について調べて下さい。(ときさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜印章事業共同組合によって設立された職業訓練校。日本全国から生徒たちを迎え入れ、日々、技の習得と研鑽を学んでいる。

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ライター:細野 誠治

彼(彼女)らの純真



教室内では常に木を削る音、彫刻刀を研ぐ気持ちのいい音に包まれている。
それでも和気あいあいとした雰囲気が漂っており、生徒同士、講師と生徒らがお喋りに興じていることも。中には机に突っ伏して睡眠を取る生徒の姿も・・・。

―寝ていても、いいんですか?(大物なのか!?)
「絶対に失敗できない仕事ですから。各々、自分のペースでリラックスをしていいんです」と青山氏。
 


生徒たちの彫った作品の一部。最も細い線は約0.3ミリ!
 


最も難しいゴムへの印刻。弾力に負けないほどの切れ味の刃で彫る


職人の技には「失敗」がないそう。間違いは必ず、集中力のなくなった時に起こるという。集中力が切れそうになったら休むことが重要で、マイペースで彫り進んでゆくのだ。
 


職人の道具“印刻刀”刃の厚みがすべて違う。この道具もすべて職人(生徒)の手作り
 

彫るだけでなく「書」の心得も必要
 

判の形を決め、木口(印面)に転写をする。鏡は出来上がりのイメージを見るため
 

篆(てん)刻台に固定し、掘り進んでゆく。実際に捺印をして微調整をすることも・・・


ここで生徒のひとりに話を聞いてみよう。応えて下さったのは岐阜県からやって来た日比野泰久さん(23歳)。
 


実家は岐阜の「日比野印房」。3代目として修行中の身


泰久さんは平日、青山氏の経営する「青山印房」で働きながら接客や経営を学んでいる。そして土日は訓練校に赴き、技を磨いている。

「小さいころから、自分は家の跡を継ぐんだと思ってました」と泰久さん。

筆者の「休みがなくて、辛くはないですか?」の問いに、「いえ。修行中の身ですから。当たり前なんで」としっかりとした声が返ってきた。
泰久さんの言葉に、思わず背筋が伸びる。


街中から印章店が姿を消しつつある昨今。これから業界の展望は、どうなっているのだろうか?

「機械彫りの店が増えても手彫り職人の技、判子の文化は無くならないでしょう」と青山氏。実印や会社印など、重要な判子には手彫り印が用いられている現状は、昔と何ら変わってはいないという。印章店の減少は、機械彫りの台頭よりも「後継者不足」によるものが大きいと青山氏は言う。

“職人技の習得の難しさに、育成が追いついていない”

この現状を打破するため、ここ横浜に訓練校があるのだ。

次への一歩も始まっている。この訓練校が中心となって、全国区で使える次世代の教科書作りをしているという。
 


職人育成のための教科書。写真は現在使用されているもの




取材を終えて

「判子の凄いところは、“意思決定の委任”が出来ることなんです」
筆者の「欧米のサイン文化と、日本や一部アジア地域における判子文化の差」についての質問に、青山氏が言った。“発明”だとも。
本人しかすることの出来ない意思決定を、一本の判子が代理をすることが出来る。これはサインでは決して真似が出来ない。
判子というと常に「偽造」というネガティブな用件が、つきまといがちだが、それは使う者の悪心が引き起こす弊害なのだ。
 


意思表示であり、また、持ち主の代理でもある判子
 

同じ人間が存在しないのと同じく、大切な「意思決定」に用いられる判子は、当たり前に、同じものがない手彫り印を使いたいよな・・・と、ごく自然に頷いてしまった。

そして毎週末、横浜のとある雑居ビルの一室で、人の手仕事を学ぶ若者がいて、やがて全国に旅立ってゆくと知って、気持ちが明るくなった。

職人技の伝承をアシストする訓練校。神奈川県に、宅建協会横浜南部支部、そして未来の職人である生徒たち! みんなみんな格好いいぞ。


―終わり―

 
神奈川県印章高等職業訓練校
所在地/横浜市港南区上大岡西1-12-2 パルポート上大岡3F会議室
連絡先/電話045-741-4117(青山印房内)
 

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  • 確か、30年ほど前は鶴見の郵便局の側にあった記憶があります。青山さんがまだ生徒だった頃ですね。あと、共同組合でなく、横浜印章事業協同組合ですよ。

  • 確かに並大抵でない集中力を要する仕事ですね。それにくじけて去る若者も少なくないのでは?実印が高価なのも納得できます。

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