できない理由・・・？

現在の青果市場周辺も物流・配送の専用施設に生まれ変わる予定

また、南部市場では、スーパーなどへ、カット・パッキングされた食品を出荷するための加工施設が2006（平成18）年から稼働しており、これら施設も利用が継続される予定だ。今年大きなニュースとなった食品（産地）偽装の問題などもあって、同施設のへのニーズは、ますます高まっている。
　

食品加工用の専用設備

このようなわけで、商業施設として「道の駅」を設置するとなると、正門周辺の駐車場エリアを活用することとなる。
　

商業施設に用いることを想定しているのは、 オレンジの丸で示した駐車場スペース辺り

しかしながら、ここには大きな問題が。

道の駅を設置するということは、ドライバーが24時間車を出入りさせ、さらには敷地内に休憩するための空間を提供することを意味する。そうなると、新生・南部市場を物流拠点として効率的に活用することが困難となる可能性が高いのだ。
　

南部市場の将来の姿は？

これからの方向性

ここに沢山の買い物客が来る日は？

駐車場スペースの有効活用方法として目下市場関係者間で話し合われているのは、やはり商業施設設置の方向なのだそう。一般的な道の駅が得意とする「地産地消」型の生鮮食料品のみならず、市場直結のメリットを活かした「全国」の新鮮でウマイものまでも取りそろえる施設にできれば、近隣商業施設との差別化を図ることができる。つまり、いわゆる「道の駅」そのものではないけど、更なる魅力にあふれた道の駅「風」の商業施設の設置を念頭に、市場関係者の意見を集約させている最中なのだそうだ。

ちなみに、実際に商業施設の建設に着手できるのは、2015年の市場統合の後になりそうだ。

民間主導の商業施設として、楽しい場所に生まれ変わりそうな南部市場。これからの展開に注目したい。
　

取材を終えて

小さな港町の風情

市場内には、銀行や郵便局、商店、そして食堂なんかもある。まるで小さな町だ。だから、こうやって訪れてみると、知らない港町に旅して来たような感覚があって少し面白い。
　

サンマ定食

取材後、市場関係者が多く利用する「南部食堂」でサンマ定食を食べながらあることに気がついた。

あえて、車専用の施設である「道の駅」に拘る必要はない。

なにしろ、ここには目の前に本物の「駅」があるのだから。
　

南部市場駅

―終わり―