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野毛山動物園にゾウがいないのはなぜ?以前はいたの?

ココがキニナル!

野毛山動物園にはなぜ象がいないのでしょうか。動物園の華といえば象なのに。過去、象がいたことや、導入を検討したことはあるのでしょうか。(ときさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

開園から2003年までは「はま子」というゾウが飼育されていた。繁殖を踏まえた十分な敷地面積や設備などを確保することが困難なため、新たにゾウを飼う予定はたてられていない

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ライター:田中 大輔

はま子の思い出 (続き)

また、野毛山動物園にははま子だけでなく、1957(昭和32)年から「マリコ」というゾウも飼育されていた。
マリコは入園当時3歳の子ゾウで、はま子はこの子を友人ではなく娘のような存在として受け入れていたという。

「はま子がマリコをかばってトレーニングをさせなかったと聞きました」と金子さんが話すほどの溺愛ぶりで、マリコがはま子の好物を横取りしても怒りもしなかったそうだ。

マリコのイタズラでプールに落とされたときは、同じ状況を作ってマリコにやり返したこともあるという。「はま子なりのしつけだったんでしょう」と金子さんは懐かしむ。
 


親子のような関係を築いていたというはま子とマリコ
(画像提供:野毛山動物園)


ところが、10歳ほども若いマリコがはま子を残して逝ってしまう。1987(昭和62)年のことだ。

マリコの死を理解したはま子は、10日ほど食事をしなくなってしまった。「普通の動物はそこまでしないです。好物をあげても食べないし、だいぶ老けこんでしまいました」と金子さんは話す。

その後、“娘”の死を乗り越えて元気を取り戻したはま子は、国内2位の長寿となる59歳まで天寿をまっとうした。



新たにゾウはやって来るのか



(公財)日本動物愛護協会や市長からの表彰も受け、動物園の一番人気だったというはま子。
その死後も彼女を惜しむ声は少なくない。では、なぜ新たに野毛山動物園でゾウを飼育しないのだろうか。
 


命名式の時のはま子。新たにゾウが入園することはないのだろうか
(画像提供:野毛山動物園)


市の動物園でどんな動物を飼うかといった計画をつくるのは、横浜市環境創造局の動物園課という部署だ。今回は同課の恩田さんに話を聞いた。

市内の動物園で新たに動物を入れるかどうかの判断は、環境創造局の中で毎年6月ごろに開かれる「動物収集・評価委員会」という会議で議論が持たれる。
動物の住む環境やほかの動物園での飼育状況などを鑑み、動物園で飼育するのが好ましいのかなどが話し合われるのだそうだ。

恩田さんは「絶対ではないですが、今後、野毛山動物園でゾウを飼育することはないと思います」と言う。
一番の理由は、敷地面積を含めた施設面の問題だ。

「飼育する場合は繁殖させることも考えないといけない。そのための十分な敷地が確保できない」とのことで、よほど大掛かりに園全体を改造でもしない限りは難しいのが現状だ。
 


かつてゾウ舎のあったひだまり広場。ここだけでは不十分ということだ


また、ゾウを始め、新たに動物を収集すること自体が難しくなってきているという背景もある。

動物園イコール見世物という時代はとうに終わり、野生動物保護の機運が高まっている昨今では、やたらめったら動物を連れてくるわけにはいかないというわけだ。



はま子の残したもの



はま子が野毛山にやって来た当時、ゾウを飼育するノウハウというのはほとんどなかったそうだ。

そのため、当時のゾウ舎も現在では考えられないような構造だったそうで、強度的にも繁殖相手のオスを飼える造りになっていなかったと金子さんは話してくれた。
 


ズーラシアのゾウ舎は大きく立派。はま子の飼育で得た経験が注ぎ込まれている


現在、野毛山動物園にゾウはいないし、今後も飼育されない可能性が高い。
しかし、はま子とマリコの飼育で培われた経験はズーラシアや金沢動物園で活かされている。

「はま子がいなかったら、ほかの動物園も大変だったでしょう」と金子さんが話すとおり、はま子が横浜の動物園に残してくれたものは大きい。
 


銅像となって野毛山にたたずむはま子


はま子を「いい友達だった」と懐かしむ金子さんは、ズーラシアや金沢動物園でゾウの繁殖に取り組んでいることを知ってほしいと語る。

野毛山動物園ではゾウに会えないが、いつかその取り組みが実を結び、横浜でゾウの赤ちゃんが生まれる日が来るかもしれない。
そのときには、金子さんだけでなく多くの市民にとって「いい友達」だったはま子のことを思い出してほしい。


―終わり―
 

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  • 野毛山動物園は大好きです。はま子さん、懐かしいですね。ズーラシアが開園する少し前あたりから、動物たちがひとつ、またひとつと、少なくなっていったように覚えています。園内にあった売店のご夫婦が「ズーラシアが憎いよ、動物が行っちまってさ・・・」、そうこぼしてらしたのを思い出します。動物の身になれば、環境は大切ですからね。今はつがるさんがいるじゃないですか。キリンのそらくんも。

  • 私も小学校一年の時の遠足は野毛山動物園でしたが、熱出して行けなかった…。でも野毛山は何回か行きました。はま子達には小さい頃持ってるおやつとかあげられましたね。今思うと絶対いけないのですが当時は出来てしまってました。しかし動物園に来る動物は人間の勝手で家族から引き離され、望んでも居ない場所に無理矢理来る訳です。はま子の前にも一頭途中で亡くなっているし…。今の技術だって命がけです。簡単に次の動物をなんて言わないで欲しいです。お願いします。

  • はま子がいなくなって数年後に野毛山動物園にいって、象舎があったところが不自然に広い広場になっていてその時とても寂しかったのを覚えています。南区民ですがいい思いでです。

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