10分間隔でくる横浜駅(YCAT)-羽田空港間のリムジンバス。採算は取れているの?
ココがキニナル!
横浜駅~羽田空港間のリムジンバス、運賃も正確性も電車に負けていますが、10分も待たずに来ます。1人しか乗っていないバスも見ますが、採算は取れているの??キニナル!(はまっこさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
バス停に表示されている所要時間はほぼ正確。1人で乗る客もまれにいるが、利用客は多く、ピーク時を含めればトータル的には採算は取れている。
ライター:藤井 涼子
いざ、リムジンバスに!
では、車内の様子を。
乗客5人には広すぎる
12時40分発の羽田空港国際線ターミナル行きに乗車した。出発は定刻ぴったりの12時40分00秒にドアが閉まり出発!
YCATから羽田空港までは途中にバス停はなく、直行便だ。横浜駅東口を出発し首都高速横羽線に入り、その後湾岸線を通るルートで羽田空港まで運行する。
座席のリクライニングを倒し、乗り心地は快適。横浜港を見ながら順調に進む
出発してから20分たったところで「もうすぐ羽田空港国内線第一ターミナルに到着します」との車内アナウンスがあった。早い! 道路は空いていて、ほとんど止まることなく順調に羽田空港第一ターミナルに到着。
あっという間に着いたという印象。寝る時間もなかった
かかった時間は、YCATでドアが閉まってから羽田空港第一ターミナルのバス停でドアが開くまで23分14秒! YCATで掲示板に「所要時間は約24分」とあったので、ほぼ正確に到着したといえる。
その後、第二ターミナルまでの所要時間は「約5分」の案内であったが、実際にかかった時間は5分01秒、国際線ターミナルまでは「約10分」の案内で、実際は8分16秒であった。
YCATから羽田空港国際線ターミナルまでは36分31秒かかった
YCATから羽田空港行きのリムジンバスを実際に利用している10人に「なぜ電車ではなくバスを利用するのか」と聞いてみたところ、10人中9人が「バスの方が楽だから」という返事で、残り1人は出張に行く会社員で「会社からYCATが近いから」とのことだった。
「バスの方が楽」と話してくれた人たちが利用する理由は「大きな荷物を持って駅のホームに行かなくてすむ」「必ず座れる」からであった。
「道路の渋滞など気になりませんか?」という質問には「いつも利用しているけど気にしたことはない」という意見が8名、「会社がYCATから近いから」と話してくれた人は「電車を利用することもあるが、バスに乗る時は余裕をみて少し早めに出る」とのこと。
残り1名は「行きは時間が正確な電車で行くが、帰りは時間を気にしなくていいので楽なバスを利用する」とのことだった。
採算は取れているの?
YCATのバス停にあった「所要時間案内」は実際に乗ってみて、ほぼ正確であると分かった。
この時間はどのような方法で決めているのだろうか?
またキニナル投稿者の「採算は取れているのか?」という疑問を確認しに、泉岳寺駅前の京浜急行電鉄本社ビルにある京浜急行バス株式会社に取材へ行った。
説明してくれたのは、総務部の課長補佐・渡辺義成さんと主任事務員・芝崎義徳さん。
京急バスが運行している羽田空港行きのリムジンバスは47ヶ所から出ているが、横浜駅(YCAT)-羽田空港間のバスの本数が最も多いそう。一日で約130往復しているとのこと。
電車が通勤ラッシュとなる朝でも、リムジンバスなら座れるのが魅力です、と渡辺さん
バスの運転手の経験もあるという芝崎さん
バスの乗客が多くなる混雑のピークは、朝7時から8時台と夕方18時以降。
朝7時から9時、夕方18時ごろから20時のリムジンバスのうち数本は、国際線ターミナルの先にある整備場まで行くバスがある。つまり、羽田空港で働く整備士さんが通勤に使っているということだ。
「横浜駅-羽田空港間は、空港で働く方にも多く利用していただいているという、ほかのリムジンバスにはない特色があります」と渡辺さん。そのためこの路線だけ定期券を発売しているそうだ。
2012(平成24)年の利用客は1年間で約200万人。京急バスが運営しているリムジンバスの中で最も多かったという。1日約130往復するという「横浜駅―羽田空港間」のバスの本数が圧倒的に多いということに加え、「ほかのリムジンバスに比べ運賃も割安に設定している」との理由から利用客が多いようだ。
運賃設定については、京急線の運賃との兼ね合いもあるらしい。「でも同じ京急グループですからね、それほど価格競争というほどでもありませんがね」とのことだった。
「採算は取れているのか?」の質問に対しては、「十分取れている」とのこと。
日中の空いている時間だけをみれば、もちろん利益が出ているとは言い難いが、ピーク時を含めるとトータル的には問題ないそうだ。
正確な所要時間案内はどのように決めている?
実際に乗ってみて、バス停に表示されていた時間とほぼ狂いない所要時間に感動したが、どのようにその時間を割り出しているのか聞いてみた。
2006(平成18)年から「バスロケーションシステム」というものが導入され、より正確な所要時間を案内できるようになったそう。
羽田空港行きに使われているリムジンバス
バスロケーションシステムとは、GPSを利用してバスの位置情報を集め、リアルタイムでバスの運行状況を確認できるというもの。YCATで見た「所要時間案内」は、その直前に羽田空港に到着したバスの実際の所要時間が記載されるという仕組みになっているそう。
そのため、道路の混雑状況などにより変動する所要時間もすぐに対応できる
現在は、横浜駅中央通路と東口地下街のポルタを結ぶ階段上に、羽田空港行きバスの所要時間をリアルタイムで表示する案内盤を設置している。
スカイビルにあるYCATまで行かなくても現在の所要時間を確認できるようになっていて、それを見て「電車で行こう」と判断した場合は、すぐに京急の改札に入ることができる、という仕組みだ。
この所要時間の表示は5分単位となっているとのこと
リムジンバスの魅力とは「大きな荷物を持って、空港内の階段を上り下りすることなくバスに乗車でき、座っていれば目的地に着くということです」と話してくれた渡辺さん。
横浜駅-羽田空港間は、首都高速湾岸線が事故で通行止めになった場合でも、そのまま横羽線で行くというルートもあるため、安定したダイヤで運行しやすい恵まれた環境でもあるとのことだった。
取材を終えて
実際に乗車して計測した時間が、バス停に表示されていた時間とほぼ一緒だったことに驚いた。通勤で使う人もいる、というのは、時間の正確性に関して利用者の信用をかなり得ている証拠なのではないだろうか。
バスの場合は道路の事故渋滞などで到着が遅れるという不安がぬぐえないと思っていたが、渡辺さんの「電車も人身事故などが起こる可能性もありますから一緒です」との言葉に、妙に納得してしまった。
―終わり―
あじしおさん
2018年01月11日 12時21分
YCAT-羽田空港のバスは便利ですよね。私は、YCAT(空港連絡バス)羽田空港乗り換え(空港連絡バス)目的地という使い方もします。あと横浜西口行きのバスがもう少し増発されると助かります。
くま180さん
2017年02月14日 09時20分
使ってみたいんですが、自宅が金沢文庫駅に近いので主に京急利用です。深夜出発がある海外出張のときなど電車のない時間帯用にバスも運行してくれたらなあ。
福三さん
2017年01月28日 03時31分
京急バスは速度違反しながら追い越し車線独占状態。コンプライアンスは考えてないのでしょうか?車線変更もしないので数珠つながりになってます。