横浜ビブレ前のおでん屋台はどうなっているの?
ココがキニナル!
横浜ビブレ前の川沿いにあるおでん屋台は、「道路を不法に使用しているから撤去します」という旨の看板が20年前くらいからあるにもかかわらず撤去されません。どうなっているんですか?(はまろうさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
行政は自主撤去を進めているが黙認状態。この地区の再開発の目処も立たず、何ら策を打てていない。
ライター:ワカバヤシヒロアキ
横浜市西土木事務所の見解は?
このおでん屋台の問題は、主に2つの法律に抵触していることにある。
1つは道路交通法の無許可道路使用(戸部警察署が管轄)、もう1つは道路法による道路の不法占用(西土木事務所が管轄)だ。今回の件については後者の方が重度が高いと捉えられているようで、ほぼ全てを西土木事務所が対応しているということだった。
今回対応してもらったのは、副所長の山口氏、および同管理係長の西原氏。
まず、横浜市の市民の声の中で「2011年7月を目処に検討予定」という文言について言及したが、これは撤去の予定時期ではなく、指導を行う目処に関するものだという。
20年以上も放置されている案件ということで、現在も明確な解決時期を示すことができない様子。
これまでの経緯の部分から、質問に答えてもらった。
西土木事務所の会議室にて(左:西原氏、右:山口氏)
―現在はどのような状況?
あの場所で、昭和30年頃から屋台営業を行っている状態。これは、道路法第32条の占用許可を得ていない状態であるため、これに則り相手側と自主撤去に向けた話し合いを行っている。
―話し合いとは具体的にどのようなもの?
屋台群の組合を西土木事務所に呼び、行政側の出席者は道路局の管理課、食品衛生法の係なども含めて実施している。記録にある限りだと平成6年から計16回実施している状況。不法占拠の事を認識させ、自主撤去を要請している。
―それに対する屋台組合の反応は?
内容についてはよく理解してもらっていると思う。話し合い自体も拒否されているわけではない。ただ、高齢を理由に他の生活手段が見出せないという形で主張している。
―話し合いにより成果は出ているのか?
元々16軒あった屋台のうち、4軒が自主撤去済み(H13に1軒、H15に2軒、H16に1軒)。
撤去した場所については緑のフェンスを覆って、新規の屋台が営業できないように取り図っている。
撤去した場所はフェンスで覆われる
―昭和63年に設置した看板の意図は?
道路交通法と不法占拠に従って警察が出した。屋台であれども時効取得の可能性もあるので、それを防ぐ意味でも看板を掲示したものと聞いている。
―屋台が営業を開始した当時は許可が出ていたと聞いたが?
記録が残っていないので正確ではないが、当時は道路使用許可という形で昭和35年頃までは認可していたらしい。当時は、屋台を持ってきて夜間のみ営業して持ち帰っていたのではないかと推定される。
―食品衛生法は?
現状、横浜市では屋台に対して新規の許可を出していない。当該屋台については、以前取得した許可をもって、5年毎の更新で対応している。
―道路法に抵触していても食品衛生法の更新は許可されるのか?
現状の法令に則ると、道路法に抵触しているからという理由で取り消す事はできない。
―大阪のたこ焼き屋台のように行政代執行には踏み切らないのか?
行政代執行を行うには、公益に著しく反するものと認められないと打ち出せない。実際に屋台が道路を遮断しているわけでもなく、喫緊の開発予定があるわけでもない。大阪の屋台のように、所有権を主張してくるという話に展開してきていない現状としては、行政代執行は難しい。
あの市道は横浜駅西口(幸栄)地区というエリアにあり、再開発の予定がある。その進捗に伴って、道路の付替え等を予定しており屋台は撤去を命じることになると思われる。ただ、この再開発は民間や地権者が主導で行なうものとなっており、景気の問題などで現状なかなか進んでいない。
屋台を守るべきでは?
横浜市は自主撤去という形で、撤退を要求しているようだ。しかし、屋台側が最低限の秩序を持って運営している事を理由に、なかなか完全撤退まで進まないのが実情である。
理由の如何はあれど、これでは屋台の存在と営業を行政が認めているのと同じではないだろうか。再開発によって、撤去せざるを得なくなるのを待っているようにも見える。
昭和63年に警告看板が出た際には、常連客たちから1万人の署名を集めたということもあったようだ。
昭和63年12月8日発行の読売新聞
確かに、市民からのクレームについても行政の対応が遅いことに関するものばかり。屋台の異臭や騒音、風紀に関するものは届いていないということだった。自己の直接的利害において撤去を望んでいる人は、いないのだろう。
今回取材の中で、常連客のサラリーマンに話を聞けば「一人で飲みに来られる場所が無いから、ここは貴重だよ」、「都内にもあまりこういう場所が無いしね」等と漏らしていた。中には、通勤経路を大きく迂回して、この屋台に通っている人もいたぐらいだ。
長年放置してきたビブレ前の屋台群について、移転用地の支援や適正賃料の徴収など、何らかの方法で屋台存続に向けた施策を横浜市が打つべきではないだろうか。市が移転物件を用意した都橋商店街の様な例もある。
この事を西土木事務所に話せば、財政的に困難であろうという見解であった。しかし、ここは自らが20年以上も放置してきた屋台なのだ。今さら出て行けと行っても、屋台の経営者はほとんど高齢者、あまりにも残酷な決断であると思う。
横浜市には、これまで黙認してきたことを責任と捉え、納得のいく結論を出してもらいたい。
― 終わり ―
tokusannさん
2014年12月25日 11時50分
高齢者の経営、余生の面倒は?一代限りで容認、是も選択肢と思いますが、70歳過ぎの老女、収入を絶れたら、誰がイツドノヨウニ、サポートするの、生活保護、市民に其の覚悟ありや?
TAKAさん
2014年07月28日 18時10分
時代なんでしょうね! 市としても衛生面、安全面を考えると・・・ わたしも江ノ島のおでん屋台に通ってましたが、市は1代限りで営業を認めませんでした。 昔からの風物が消え去りました。署名運動もありましたが叶わず残念でした。時とともに忘れ去られてしまうんですね。
みつひろさん
2014年03月16日 15時18分
市は退かそうとしたけど反対運動が起きてその後うやむやになった。今の経営者一代限りで立ち退く条件で市は見て見ぬふりをするというのが落としどころだったようだ。トイレは向かいのパチンコ店と話がついていて屋台が使用料を払っている。どうせなら市は条件付きで認めてあげてそれなりの賃料を取ればいいのにと思う。家賃も固定資産税も払わず店ができるなら私ももやりたいよ。儲かるに決まってるじゃん、一等地なんだから。あの辺の路面店の家賃の相場、皆さんはご存知かな?